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『超は、孤(ひとり)が好きか――――?』
卒然、声が聞こえたような気がして、彼は瞼を開いた。
だがそこに視えるのは、薄暗い天井ばかり。その薄闇を凝視し、彼は漸く、己が牀(寝台)のうえに身を横たえているのだと気付いた。
どれほど、眠っていたか。
ぼんやりと、彼はそう思う。腕を持ち上げて瞼を押さえ、そのまま深く息を吐いた。
弛緩する身の怠さ。己が身を自身で見失うが如き覚束なさが、痺れの如くに四肢の末端に感じられる。
そのまま起き上がると、馬超は辺りを見回した。誰もおらぬ房内はただ謐かに、昏い。
だが、窓や扉の隙間より、光が差し込んでいた。昼なのか、と彼は幾らか驚き、暗い床に下りる光の帯を眺める。
音もなく、ただ光だけがあざやかに空気を切り取り、そこに置かれた帯のように、動かずに在る。その謐けさに惹かれるように、馬超は牀台を降りた。
その光に近付き、触れれば暖かいのだろうかと手を差し伸べれば、それはただ馬超の手に降りて、部屋の空気となんら変わらぬ。
掌に光は溢れ、指の間より零れて散って、床に影を描くばかり。その因(もと)を探るように馬超は顔を上げ、ゆっくりと歩いていった。
あかるい帯の降りる先にあるのは、固い扉。それを緩慢な動作で圧し開けば、酷く、重い。
けれど開いた扉からは、明るい陽差しと共に外気が雪崩れ込み、その温(ぬく)みと耀きに、馬超は顔を顰めた。
光に圧し流されるという錯覚が瞬時、彼を襲い、それが去った後、彼は沓(くつ)も履かぬ侭、外へと降りている。
碧(あを)く頭上に広がるのは、虚空。雲すらも、そこには見えぬ。
風が、乱れた髪を頬の当りに弄っていた。その風に向かって馬超は立ち、頭(こうべ)を上げて空を仰ぐ。
父が、死んだ。
そのことを、不意に思い浮べる。何も心には浮ばず、事実だけがあった。弟も、父と共に[業β](ぎょう)の地に存ったもの全てが、既に尤(な)い。
それを声なき言葉に変え、胸のうちに反芻する彼は、その陽差しのつよさに、遥か昔の記憶が呼び覚まされるのを感じていた。
ひとりで馬に乗ることを覚えたのは、はるかに悠い昔のように思われる。
同じ年頃の子供の中では抽(ぬき)んでて、彼は馬を操るのが巧みだった。いや、子供ならずとも、同じ土地に住む大人よりも巧みであったかもしれぬ。鞍も手綱もない馬すら乗り熟す彼に、騎馬を専らにする羌の民すら、感嘆の声をあげた。
『人馬一体ということばがあるが、まさにお前はそれだな、』
超よ、と呆れた様に、それでも幾分誇らしげに云ったのは父。馬を駆る彼の背後から、それを見守る様に同じく馬に跨がる父を、彼は振向かなかった。
父は、続ける。
『お前は儂よりも勁くなろう。羌の民にも、お前ほどの者は、そうはおらぬ』
お前は流れる血から、その秀でたところばかりを受け継いだらしい。
そう笑った父の蹄の音が、近付いてくる。その前で馬超の馬が嘶き、大きく躰を持ち上げた。しかし馬の背に器用に躰を預け、微塵の危うさも感じさせぬ息子に、父は笑い声を上げる。磊落な笑い声に、頬を紅潮させた馬超は得意げに振向き、そこに父の穏やかな表情と、つよい眼差しを見た。
『忘れるな、超。我等は伏波将軍の裔(すえ)。誇り高く、貌を上げよ』
儂を超えよと、父は謂う。その名の如くに存れと。
尋常ならざるものを、こえてゆくのが「超」の文字。それを望めば、地を蹴り、超(と)ばねばならぬ。「超(はねおどる)」という文字は、己が眼前の隔てを超える者を表す文字のかたち。それをする跳躍のちからを、備えた文字。
―――未だ幼い馬超はその言葉に父が込めた意味を、考えることもしなかった。
ただ、
『超よ、お前はそのまま馬と共に天空までも超(と)んでゆくつもりか?』
その揶揄う様な父の声に、そうなればよいのに、と思ったばかりだ。手を上げて空を仰ぎ、あの碧(あを)の向こうにある何かに届けと、それを希(ねが)ったばかりだ。
まだ届かぬ。幼い自分はこれほどに小さい。けれどいつか手を伸べれば、もとめている何かに、きっと届くに違いないと、無心に信じていた――――
空を仰ぎ、馬超は手をさし伸べる。ただ明るいばかりの碧(あを)には、届かない。未だ伸ばした手は空を掴み、その光を遮るばかりだ。手の中には、何もない。
未だ、足りない。
苦痛に耐える様に彼は顔を歪めた。不意に足許が失せる様な浮遊感に襲われ、彼は手を降ろす。降ろして眺めた掌には、ただ光が弾け、他には何もない。何も、掴めてはおらぬ。
孤(ひと)り。
それを考える空恐ろしさに、彼はきつく拳を握った。もう、己の前にも後にも、誰もおらぬ。父もおらぬ。
考えてみたこともなかった。
膂力も武技も、上背も全て、老いた父に優(まさ)ってしまった彼の目に、その父が時折見せた、疲れ切った様な風情は、酷く小さく見えていた。父はかほどに小さい者であっただろうかと、哀しさすら覚えたこともあった。
けれど、たしかにそれは、馬超の背後に存りながら、「超えるべきもの」として存在していた。
馬家が棟梁たる父の存在は、確かに存ったのだ。決して矮小ではなかった。それどころか、偉(おお)きな存在として、掴めぬ空の如くにあたりまえの様に、常に存り続けたのだ。たとえ、距離を隔てても。西の地と、[業β](ぎょう)とに分れても、それは変わらぬ。
彼の側に。彼の前に。そして、背後に、存ったのだ―――
しかし今は、それが尤(な)い。
何かが砕けたと、そう思う。己のうちに存った何かが、砕ける音を聞いたと。
向けられていた眼差しは失せ、ここに立つ彼は今度こそ、孤(ひとり)。
碧(あを)に届けと手を伸ばし、けれどその足許を支える地面すら、今は覚束ぬが如く。
この場所に孤(ひと)り、投げ捨てられたかの如き思い。それを、さびしさと云うのだろうか。けれど、そう形容するには余りに己が身の裡は虚ろで、その虚ろの中を風が吹き攫う。
酷くつめたい風に、痛みすら覚える。今ここに吹き渡り膚に触れている、光の中の風ではない。悪夢のうちに感じた、凍てつくが如き風だと馬超は思う。
凶夢と、ホウ悳が告げた、その夢の中に存った風。
雪原に吹いた、刺すような風。虎が、その風の因(もと)より顕れる。けれど、虎から己を守るものは、既にない。守らねばならぬものすら、既に失われた。
存るのは、己ただ孤(ひと)り。剣を執り、起(お)きて闘うのは、おのれ孤(ひと)り。
その想いを噛み締めて立つ馬超の背後に、跫音があった。
「岱、か――――」
彼は振向かず、握った拳に視線を墜としたまま、呟いた。
「いきなりおらぬ様になるから、驚いた」
まだ風は凛(さむ)い。薄着では、躰に障る、と。
安堵の成分を含んだ苦笑が、声と共に投げて寄越される。それに軽く鼻を鳴らして哂笑(わら)うと、馬超は視線を上げ、己の前(さき)を睨むように、拳に力を込める。
そして、云った。
「故郷に戻りたいものは、戻れと云え」
低いが、言葉は明瞭だった。それに馬岱が、息を呑んだ気配が伝わってくる。
馬超は続けた。
「俺は、孤(ひと)りでも諦めん。俺の望みは、」
あの曹操を斃(たお)し、その屍(かばね)を引き裂いて、屍の肉を喰らってやることだ。
おしころした声が告げ、暫し馬岱は無言であった。ただ視線ばかりが、背に感じられる。
「仇を討つと仰せか」
漸く口をひらいた馬岱は、感情の顫えを留めた声に、それを問う。
そうとも云える、と馬超は思った。けれど胸の奥にある衝動と瞋(いか)りは、それだけでは言い尽くせぬとも思えた。
あの男を斃さねば、超えられぬ。
それを、意(おも)う。勁く意う。手を伸ばし碧(あを)を望む己の、その足許に懸かる索(なわ)は、それをせねば断ち切れぬ。
超(と)ぶことは叶わぬのだと、顫える程に拳に力を込め、ただ意(おも)う。
憎い。純度の高い憎しみだけが彼の裡に激しく荒れ狂い、しかしそれ自体は、確固たる意味を成さぬ。仇討ちという意味すら、その前では虚しい。
その衝動を、今は眼前にない相手の影に叩き付け、潰さんとする如くに、馬超は続ける。
「俺は曹操を狙う。ひとりでその懐に飛込む覚悟で、ここに残り、闘う」
もはや、俺について来る事はないと、そう、馬超は云った。父が殺された時点ですでに、馬氏という己が家名すら、意味はなさぬものとなったような、そんな風にすら感じられる。あるのは孤(ひとり)―――馬超という、己のみ。
「若、」
縋る様な馬岱の声があり、それを振り払う様に馬超は呟いた。
「岱、戻る兵はお前が率いてやれ」
お前も行け、と彼は冷厳とすら云える声で続け、ふたたび息を呑む気配が、それに応えた。
だが、いつもは己の声に、戸惑うことがあれど、最後には「諾(はい)」と応える筈の声は、思いがけぬ強さで、思いがけぬ答えをを叩きつけてくる。
「嫌だ」
驚きに、馬超は振向いた。そこに、険しい表情の馬岱がいる。一歩も退かぬとばかりに降ろした拳を握り、つよい眼差しを自分に向けている姿が、そこに存る。
「逆らうか、岱」
馬超は敢えて、片頬に冷笑を滲ませた。お前が俺に逆らえるのかと、言外に匂わせる表情に、しかし馬岱は馬超から視線を外さぬまま、応える。
否、と。
「逆らうのではない。俺は、選んだのみだ」
俺は若の許に存る。
きっぱりと、馬岱は云いきった。声そのものは穏やかだが、底には熾しい感情の揺れが伺える。
この男がこういう物言いをするのかと、馬超は更に驚き、同時に酷く、可笑しかった。だが、馬岱は更に言葉を続ける。
「令明殿も、いやだと云うだろう」
「岱、」
「仮にいまの若の言葉を、令明殿が容れたとしても―――ここに残された全てが、若の言葉に従ったとしても、俺はいやだ」
俺は、若に従ってきた。今も、それは変わらぬ。だが、今の言葉が命だというならば、容れることはできかねる。
馬岱は応え、馬超はそこから眼をそらし、背を向けた。
「これは、俺の問題だ」
ひとつ息を吐き、馬超は続ける。
「兵を率いて戦をするというならばともかく。いま俺は、いっそ単身で、曹操を殺す為に奔っても構わんとすら思っている」
そんなところに、誰を率いてゆけるものか。馬超は自嘲するように唇許を歪めた。
散らされた兵は、徐々に戻っている。新たに集まった者すら存る。だがその兵を、先の戦の如くに動かせるかと問われて、馬超に頷く事はできない。どこかおぼつかぬ群れだと、そう感じる。己の声が末端まで届かず、手足が痺れて動かせぬのと同等に兵もまた巧く動かせぬ。
そう、感じていた。
未だ己を縛める索(なわ)は、断ち切れぬ。断ち切る事ができなかったのだ、と。
届かなかった。自分は、敗けたのだ。あの曹操に己が刃を届かせることが、叶わなかった。寸前まで迫ったといえども、それは意味なさぬ。為果せなかったという、結果ばかりが存る。
敗れ、逐われてなお留まる己の許に、馬岱の如くの意志を見せる者がどれほどいるという。
敗けると云うのは、こういうことか。
孤(ひと)り立ち、馬超は初めて、敗けたのだと思った。奇妙に乾いた心で、それを感じた。
しかし、馬岱は頑なに言い募る。
「俺は残る」
「岱、いうな」
「いやだ、ここに残る」
強情な、と馬超は嗤い、そしてその嗤いを凍らせるほどのつよい眼差しが、一歩近付いて、自分を見据えてきた。
「若が曹操を弑(ころ)すことを望むなら、俺はそれに從(したが)う。俺は、俺の父が叔父上に馬氏の家督を譲った時より、若に從うべくして存った」
黙って馬超は、振向いた先にある馬岱の顔を見ている。
「それが、全てだ。そして俺は、若に從うことを選んだ。今までそうして、若の許に存った」
「若ではない」
馬超は苛立ちを馬岱にぶつけるかの如く、遮った。
「その馬氏とやらは、」
既にないのだ、と馬超は云い放つ。
「お前に若と呼ばれる筋合はない。父上は死んだ。馬氏が主は、もはやこの世にはおらぬ!そして、一族は全て滅ぼされた!」
そこに、今更家督を云々する意味があるか。もはや、何も残ってはおらぬ。残されてはおらぬ。守るべき家は、既に存在せぬ。
叩き付けるような馬超の声に、しかし馬岱は怯まなかった。
「そうだ、馬氏の棟梁は殺された」
「ならば!」
「残されたのは、若、あなただけだ!」
その言葉に、馬超は言葉を呑み込み、灰色の眸に馬岱をとらえた。
「あなただけだ。若―――いや、我が主」
俺が守るべきものは既に孟起だけだ。だから、主たる馬孟起が何を考え、どう行動しようと、俺はそれに從う。
その声の勁さに、馬超は反論すら忘れ、ただ眼の前に立つ従兄を視ていた。
つよい風が吹き過ぎてゆく。そのつよさに、己の頬を張られたような思いで、馬超は茫然と、馬岱の貌を視ていた。
「何故なら、」
馬岱は、漸く表情を和らげ、そして馬超に微笑を向ける。
見慣れた、見厭きるほどに見慣れた、穏やかな従兄の表情が、そこに存った。
「残されたのは、既に若と俺だけでしょう」
俺は若に從う。
決然と繰り返す馬岱に、馬超は未だ、こたえるべき言葉を発することができぬ。
『超は、孤(ひとり)が好きか―――?』
己が裡に、それを問う父の声がひびく。
ゆっくりと、馬超は手を伸ばし、その指の先が、馬岱の肩に届いた。
さいごには、馬超の意志にさからってまで、己の意志を貫く勁さは、この従兄にはないと思っていた。愚かではない。むしろ、穎い。しかし、穎いがゆえに、真っ向から己にぶつかる事をせずに存ったのが、馬岱だった。
それゆえに、もはや今に至り、己に逆らってまで意志を貫く勁さを持たぬと、そう思っていた。
けれど、彼はここに存る。そして真実、その両足を馬超の背後の地より、一歩たりとも動かす事はしていなかったのだ。
ただ黙って、己の背後に存る者。前を見て手を伸ばす己の背後に、影の如くに離れようとしなかったもの。
影の如くであるが故に、障りとは思わぬ。しかし、同時に、勁い風にすら揺らぐ事のない、つよいもの。己が揺らがねば、決して揺らぐ事なく、己がうしろを守るもの。
『孤(ひと)りが、好きか―――?』
父の声があり、自分は既に孤(ひと)りだ。
しかし―――
「俺は叔父上を守れなかった。俺に与えられた主の命に、応えることができなかった。だから、その償いのためにも、」
俺は孟起の背後から一歩も動かん。
その言葉に、馬超は己の従兄の字を呼び掛けた。
「承奕、」
声が、掠れる。その刹那、馬超の指先に勁く力が篭められた。肩にその勁さを感じた馬岱は顔を歪め、けれど馬超はそのまま、指が食い込む程に勁く馬岱の肩を掴み、顔を伏せた。
孤(ひと)り―――
その意味を慮(おも)う彼の裡に何かが込上げ、それを堪えるように、歯を喰い縛る。力を込めた手が顫え、けれど馬岱はそれを払う事はしなかった。
ただ、謐かに佇み、そこに存る。
動かず、確かにそこに存る。その温度を、勁さを、触れる片手のうちに感じた馬超の喉に、顫える呼吸が詰まり、耳障りな音を立てた。
「―――ッ、」
息苦しさに、鋭く息を吸込む音と共に、瞼の奥に熱いものが滲む。
「若、」
酷く穏やかな馬岱の声が、聞こえた。
「若は、確かにひとりだ。馬孟起という漢(おとこ)は、確かに今、孤(ひと)りだ」
けれどもその背後に、それに從う事を選んだ人間もいる。
「そういう者がいても、いいでしょう―――」
譬え若のつよい足取りに遅れてしまう事があったとしても。
続けられる言葉に馬超は応えず、ただ噛み締めた奥歯が、ぎり、と音を立てる響きを感じる。馬岱の肩を掴んだままの手が大きく顫え、その顫えが止まらない。止まらぬまま、もう片手で額を押え、喰い縛る歯のうちより漏れる己の呼吸を聞きながら、彼は動く事すら出来なかった。
『超は、孤(ひとり)が好きか?』
ただ、誰かの指図を受けるのが厭だった。己を縛める索(なわ)が、誰かの手のうちに握られて存ることを厭い、その中で己の呼吸を失うことを拒んだ。堪らなくそれは苦しい事だと感じた。
それだけであった筈なのに。
好むと好まざると、既にして孤(ひと)りだ。己の背後に、そして周囲に存ったものは既に失われ、ただ自分は、伸ばす手の先に未だ届かぬ碧空を感じる、そればかり。そして、未だ息苦しさは、払えぬ。
深く呼吸(いき)を吸って、馬超は顔を上げた。
力を失った手が、ゆっくりと馬岱の肩から落ちる。掴まれていた肩を押えた馬岱が、自分の横顔を伺っているのが判った。けれど既に止まらぬ涙を隠す気も失せ、ただ彼は青く碧い虚空(そら)だけを視ている。
孤(ひと)り。けれど、傍にはやはり、同じく孤(ひと)りの男が存る。
「岱、」
馬超は空を仰いだまま、呟いた。
「俺は行く」
はい、と馬岱の応える声が聞こえる。
「来い。それを、選んだというなら」
俺の背後(うしろ)に從って存れ。そう、馬超は続け、更に馬岱の「諾(はい)」という謐かな、つよい声が続いた。
そして手を伸ばす先には、未だ高い碧空が光を湛えてそこに存る。
光の涯(はて)に存るものは、まだ見えない。
未だ届かず、ただ虚空だけが、眼前に広がってそこに存る。眩む程の碧は色すら失い、しかし届かぬ天涯(はて)を望む彼の前に、未だ高く、ただ悠い。
End<<Colorless Blue>> Sun Jun 8 19:19:05 2003 (Kate NiSee)
先のテクストとぜんぜん違うー!
いや、ラストあたりはほぼ同じで、流れも殆ど同じなのですが。先のが勢いに任せて叩いたという辺りがよく判る!でもって潼関の位置だのアレだのコレだのを把握していなかったことも、よく判るー!
けれど逆に云えば、先にあったイキオイが殺されたという部分も存るわけで。改良だったのか「前のがマシやったん」というご意見が来るか微妙なのですが。
何が変わったかというと、韓遂がオノレのうちにえらく比重が上がってもうたということと、岱の立場が、いつの間にか勁くなっていたとかいうことと。…ええ、勁くなった気がしますとも。小姑の如く(笑)。
逆に云えば、馬超がえらい悩み多きお年頃に見えるというか。女々しいというか、受々しいというか(ヲイゴルァ)弱くなってもうたというか。スミマセンスミマセン。河東せんせいにも、改めてスミマセン(涙眼で上眼遣いに)
変わらないのは「超は、孤(ひと)りが好きか?」という台詞を叩くごと、「トシ、サッカー好きか?」という台詞が甦って、ひとりで困惑してしまうという事くらいで(古いなオイ)馬騰にせよ、先のテクストの段階では、スタンスがはっきり定まっていなかったため、微妙に台詞が削られたり変わったりしております。韓遂ほどではありませんが。
ちなみに終章のサブタイトル「akasah(アーカシァ)」は「虚空」を意味するサンスクリット語です。一切を包含するゆえの、無限の虚無という意味合いで。仏教の「虚空蔵菩薩」の「虚空(=一切知)」の概念。それゆえに全編通しての「Colourless
Blue」に繋がるとか蛇足。空ずっと視上げてるときに見える色彩。それゆえに馬超の眸の灰色=虚空の色というか。いや、その色に至る前に、クサメが出るのが人の躰のメカニズムですが。ちっこいわかさまが「へっくち!」とクサメしてるの聞いたら「あー、またわかさまが向こうに一人でいらっさるー」とかいう微笑ましい絵とか浮かべ(るな)。スミマセン…
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