BCL バラエティ  

 1.BCL番組

 月刊情報誌と並び、新たな放送電波をハントするための貴重な情報源であった。
番組名 放送年月 日時 放送局 出演 備考
BCLジョッキー 1973/10〜77/12 火〜土
0:45〜1:00
TBS 富山敬 提供:SONY。番組とともに「スカイセンサークラブ」が発足。BCL最盛期には地方民放6局(秋田、石川、長野、静岡、愛媛、宮崎)に3ヶ月限定で拡張放送。さらにご当地で「BCLペディション」が展開された。
1976/12〜77/2 週1回30分 地方民放
6局
ハロージーガム 1974/1〜76/3 月〜金
18:15〜18:30
NSB 肝付兼太 提供:三菱電機。番組の存在に気付いた時にはもう末期。最終回は肝付氏とリスナーの電話会談。
BCLワールドタムタム 1975/12〜83/9
19:00〜19:30

76/4から

18:00〜18:30

78/4から

17:30〜18:00
NSB 川島千代子
タモリ
富永陽子
初期のアシスタントは川島千代子。それにエディターを務めるトップBCL諸氏が週替りで登場。77年秋頃から司会タモリ、アシスタント富永アナに交替。最後までこのコンビだったと思われる。タモリは司会を始める前年の76年、NSB特番「BCL世界の旅」のナビゲータを務めていた。提供:松下電器。
BCLスクランブル 1976/4〜77/3 月〜金
18:15〜18:30
NSB 白川次郎
武田広
「ハロージーガム」の後番組。初代の司会は白川アナ、後に武田アナに交替。BCL一辺倒ではなく、科学解説コーナーもあった。
英語でBCL 1976/4〜77/3
18:00〜18:15
NSB マリ・クリスティーヌ あまり聞いておらず記憶は少ないが、海外放送の英語アナウンスを解説するコーナーがあった。
BCLタイム 1977/3〜78/6
18:00〜18:30
NSB 武田広 「BCLスクランブル」の後継番組だが週1回30分と半分以下に縮小。さらに末期には15分に減らされたうえ、朝の不便な時間に追いやられた。その後は1度も聞くことはなく、3ヵ月後に撃沈したことは後に知った。
1978/7〜78/9
7:30〜7:45
BCL教室 1978/11〜80/3
21:00〜21:30
*
ラジオたんぱ
大村清
大村和子
大村夫妻は元ラジオ・オーストラリア日本語放送のアナウンサー。
BCLジョッキー  1983/10〜1984/3/11  日
17:30〜17:45
ラジオたんぱ    (BCLワールドタムタムの後続として始まったものの詳細不明。)
山田耕嗣の
BCLライフ
   
2:00〜2:30
MBS 山田耕嗣  
ワールドネットワーク 1984/4/1〜
90年代前半

20:30〜21:00
85/10から

20:00〜20:30
途中から

21:00〜?
ラジオたんぱ ジェリー・ソーレス 提供:SONY。
 * NSB(=日本短波放送)は78/11から呼称をラジオたんぱに変更。  

2.出版物(BCL専門書)  

ここに紹介するのは自分が入手したものばかりです。その表紙両面を掲載します。他に多くの書籍が出ていたに違いありません。月刊誌「短波」と「JUST IN YOUNG」は持っておらず掲載できないのは残念。 
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BCLマニュアル
(電波新聞社、山田耕嗣著) 「ラジオの製作」別冊
定価:1280円(1975年)
最新 世界の放送局ガイド
(誠文堂新光社、板橋聴光著)
定価:980円(1976年)
 (ワンポイント)
ビギナー向けの総合情報書。日本向け日本語放送の歴史に詳しい。国別放送局受信ガイドの情報量のすごさ。ベリカードのカラーページ、ラジオ・受信機の集合写真。インターバルシグナルのレコード付き。
(ワンポイント)
BCLマニュアルと似たような構成だが、国別放送局受信情報は決してそれに引けを取らない。
入門BCLブック
(実業之日本社、山田耕嗣著)
定価:480円(1977年版)
BCLマガジン
(講談社)「ヤングフォーク」別冊
定価:980円(1977年)
(ワンポイント)
こどもポケット百科シリーズの1つというだけあって、初級者・低年齢層向け。AM民放の情報が充実。主要民放の番組表が付録されていた。1981年までシリーズ版があり、計5回発刊されていた。
(ワンポイント)
意外と技術的なガイド本。インターバルシグナルのレコード、世界地図など付録も充実している。
新版BBCL QAハンドブック
(日本BCL連盟)
定価:1200円 (1981年)
DX年鑑
(日本BCL連盟)
定価:1800円(1981年版)
(ワンポイント)
中級以上を志向するBCLを対象にした本格的なガイド本。電波や受信機の電気的な機能の解説、アンテナや周辺機器の製作について具体的、詳細に記載されている。「新版」以前のオリジナル版あり。
(ワンポイント)
WRTH(=World Radio & television Handbook)の日本版というような、全世界の放送局の詳細データ。1980年版から83年まで4回にわたり発刊された。
BCLの楽しみかた PART2
(三才ブックス)
定価:650円 (1985年)
ラジオマニア
(三才ブックス)
(ワンポイント)
久々となるBCL初心者向けガイドブックで基本的な内容が多い。記事によればこの時期の人気ナンバー1の放送局はスーパーロックKYOIだった。
(ワンポイント)
BCL再開組が増える中2006年に初回発行、以降1年ごとに発刊されている。レトロラジオの考察、国内放送受信テクニック、民放ラジオ情報が充実している。
 BCLラジオカタログ
(三才ブックス、内尾悟監修)
定価:1995円 (2007年)
BCLライフ
(三才ブックス)
(ワンポイント)
BCL再ブームの中、満を持したかのように2007年に発行された。通信型受信機は紹介されていないものの、1970年代当時の主要BCLラジオはほぼ網羅されている。2012年に同じような構成で「(同)完全保存版」が発刊された。
(ワンポイント)
2008年初回発刊時のタイトルは「再び始めるBCL」。ラジオマニアよりも更にコアなBCL情報を提供してくれている。毎年発刊されていたが、2015年遂に途切れる。
BCLラジオ修理読本
(三才ブックス)
定価:
なつかしBCL大全
(三才ブックス) 2016年
(ワンポイント)
中古のレトロラジオが出回るようになって個人による修理の需要が出てきたのだろう。
 (ワンポイント)
出版社が過去数年に発行した書籍の中身と重複する内容も多く新味性は少ないが、新たな復活組の開拓を狙ったものかも。
   
   A4:150 B5:130 A5:115 B6:95 A6:80

3.BCLハンドブック

 受信機メーカーがBCLの普及と自社製品のPRを目的に作成したガイドブック。憧れのラジオに魅力的な情報がコンパクトに収まった宝の山で、重要なBCLアイテムだ。非売品でSONYのものはスカイセンサー購入時に付属されていたほか、店頭にも置かれていたもよう。ただしカタログのように自由に持ち帰られたかどうか。私は大方BCL仲間の知人から譲ってもらった。ハンドブックというからには手のひらサイズでないと。以下は入手したそのすべてだが、上に掲載した「BCL QAハンドブック」はB5サイズもある(しかも厚さ1センチ強)ので、この仲間には入れなかった。 

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SONY BCL HANDBOOK
表紙からしてスカイセンサー5900を全面に押し出し興味をそそる。内容は世界の主要放送局のデータ、アンテナの張り方、受信報告書・ログの書き方など。そして受信機(ワールドゾーン・スカイセンサー)の写真。5900のアップの写真は購買意欲を注ぐに十分。(実際これは欲しいなと思い始めた)。 
今でも" WAVE HAND BOOK"として受け継がれている。
東芝 BCL GUIDE
放送局データがない分やや魅力に欠けるか。せめて製品(トライX1600)写真くらいはカラーにしてほしかったところ。ラジオ本体では2強メーカーを越せなかった一端がここにも現れている?
BCL WORLD HAND BOOK
一応お約束の情報が詰め込まれている。メーターバンド別放送タイムテーブルは放送局データの代わりには十分。クーガー115の機能の紹介はしているが、写真は表紙だけ。ハンドブックといっても六つ折りの小冊子。本格的に作っていたら、どのように仕上がっていただろうか。

4.BCLペディション(大集会)

 ブームの拡大につれメーカーや販売店による大規模な集会が催されるようになった。我が石川県下でも確認できるだけで1976年から77年にかけて2度開催された。この頃まさしくBCLブームの最高潮を迎えていた。
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1.BCL教室(電化販売店主催)
事前に販売店で参加申し込みをしていた。会場はあまり広くないビルの1フロアー。BCLマニュアルやラジオの製作でおなじみの山田耕嗣氏に会えるのが楽しみだった。200人ほどの参加者のほとんどは自分と同じ小中学生の小僧たち。そんな中に混じって20代後半と思われる方が。一人浮いているようにも見えたが、きっとすご腕のDXerなんだろうと勝手に想像。山田氏の軽妙な語り口の講演から淡々と進み、どこのメーカーのラジオを使っているかな、と挙手で聞かれていたような。山田氏のサイン会があり、色紙を持っていなかったので配布された書類封筒の表にサインしてもらった。
参加申し込みチラシ


どうでもいいけど三共という販売店、後に上新電機と提携し北陸地区の「Joshin」の店舗を運営。2010年台の初めころまで会社名は「三共ジョーシン梶vだった。
2.BCLペディション(民放主催/メーカー協賛)
TBSラジオの「SONY BCLジョッキー」拡張版企画の一環で、スカイセンサークラブ事務局から開催通知があり北陸放送に参加申し込みのはがきを送った。定員は500人だったが来場希望者が大幅に上回った様子。そのため当日改めて入場整理券(抽選券)が配られた。会場はMROホール。メインキャストである山田耕嗣氏の講演のほか、SONYの主催だけあってスカイセンサー5900のプロモフィルムも上映された。目玉は”クイズを当ててスカイセンサー5900をもらおう”というプレゼントコーナー。ただし抽選による挑戦権を得ねばならなかった。決してやさしい問題ではなく、たとえば「”ドイチェベレ”の言葉の意味は、ドイツ海外放送である」、「ラジオ・RSAのRSAとは”ラジオ・サウス・アフリカ”の略である」、「ラジオ・レロホはコスタリカの放送局である」等。その他グッズプレゼント抽選も。
(上のクイズの答えはそれぞれ、×・・・ドイツの波、×・・・Republic of South Africa、○)
入場整理券


番号のところが汚れているのは、プレゼント抽選に当たってその引き換えの際マジックペンでつけられたもの。上に掲載した赤いハンドブックをゲットした。
閉会後に配られた"修了証"カード

BCLペディションに関しては、
グード図法の世界地図が多用されていた。

5.BCL特集リーフレット

 ラジオメーカーからカタログ等の延長で発行された不定期のBCL情報誌。短波受信データや日本語放送タイムテーブル、ベリカード写真など魅力的な情報がBCL小僧たちを夢の世界へと誘う。

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   JUST IN YOUNG 臨時増刊号BCL特集(SONY)
JUST IN YOUNGはオーディオやBCL情報をまとめた月刊冊子だったようだが、「BCLジョッキー」のスカイセンサークラブの会報を兼ねていた。増刊号はスカイセンサー5900の広告媒体の1つのようにも思え、その登場以前に同じ特集があったかどうか。中身は簡単な放送局紹介、放送スケジュールもあったが、山田耕嗣氏によるICF-5900モニターレポートは圧巻。さりげなく描写されている逆Lアンテナから、ガイシへのアンテナワイヤーの通し方がわかる。
 
BCL guide (松下)
クーガー115時代の"HANDBOOK"の発展形。内容はそれを踏襲しながら日本語放送情報やカタログの要素を盛り込む。ヨゼフ・ナジさんを有名にしたカット。ちなみにナジ氏は1990年代には亡くなられていたとのこと。 中身は日本語放送番組表がメイン。所々貼り付けられた顔写真、HCJBの尾崎さん若い。クーガー2200販売開始直後の1976年5月版はいいとして、半年後の11月版には、購買層が重なるクーガー115の広告が早くも消されている。
BCL TIMES (東芝)
東芝としては珍しくきれいな仕上がりのリーフレットを出してきた。たまたま訪ねた電気店で一面ベリカード写真に思わず飛びついたほど。裏面記事もハンドブック時代よりも充実している。時代はトライX-2000発売間もない頃だが、ターゲット層が同じトライX-1600、サウンド750GSの写真も載せている。

6.受信機のテレビCM 

  ”テレビでラジオのCM”をやってのけたBCL RX(受信機)。可能な限り思い出してみたが・・・。映像はラジオの操作がメイン、効果音で受信音が流れるパターンが多かったのでは。松下のCMはシチュエーションに凝っていた。東芝のCMはたぶん「サザエさん」を見ていて記憶したものだろう。一番下のラジオはテレビ音受信がメインのもので機種に確信はないが、インパクトの強いCMだったので一緒に載せておく。
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メーカー 機 種 内 容
SONY スカイセンサー5800 (不明)
スカイセンサー5900 ラジオ本体の映像。アンテナが回っていた? ラジオ・オーストラリアのワライカワセミの鳴き声。
松下
(ナショナル)
クーガー 7 クーガー7の完成を松下に先を越された裏組織
クーガー115 日本で母国の放送を聴き、ホームシックに泣く外人。「すし」。
クーガー2200 夜、暗い部屋でひとり海外放送を聴き、感化する男。ケニアの声?
東芝 トライX1600 バチカン放送のID。ドイチェベレのオープニング。「こちらトライX1600、東芝。」
トライX2000 ジャンヌダルクバージョン、「BCLに革命を!」
人形バージョン、「買っちゃった」
サウンド750 GTV(?) カミナリ親父4人衆。「いつまでテレビを見ているんだ!」「勉強しろ、勉強っ!」そのくせこの親父はテレビを見て笑っている。