みちる By 雅さん
『続・美凪の膝で見る夢は……』
心地よい風が吹き抜ける。
その風が、みちるの前髪をさらさらと揺らした。
「んに?」
「おっ、ようやくお目覚めか?」
「うん………(ごしごし)……」
みちるは、寝ぼけ眼をこすりながら体を起こす。
そして……。
「………(きょろきょろ)……」
辺りを見回し現状を確認すると……
ドカッ!!
鳩尾に鋭角な蹴りが炸裂した。
「ぐはっ!」
「国崎往人~~っ!! よくも美凪をてごめにしたなぁ~~~っ!!」
みちるは予備動作も無く、いきなり蹴りつけてきた。
俺は痛む腹部を押えつつ、取敢えず反撃。
「しとらんっ!」
ポカッ!
「にょわっ!」
みちるは頭を抱えて蹲りながら、美凪に目線を向ける。
「……ほ…ほんとなの? 美凪?」
遠野はそのまま俺に視線を送り…。
「………どうなんですか?」
「俺に聞くなっ!」
「………(考え込む)」
(ポンッ)
何かを思いついたのか手を合わせると、
「………2日連続……おめでとうございます(ペコリ)」
ドカッ!!
再び、鳩尾に鋭角な蹴りが炸裂した。
「昨日もてごめにしたのか~~っ! コンチクショ~~ッ!!」
「違う! 夢の中での話しだぁーっ!!」
「んに? 夢?」
「そう夢だ……いくら俺でも、夢の中での事まで責任は取れないからな。
そもそも、そんな夢を見る事事態が全く失礼な話だ。 こんなジェントルマンな
俺様を捕まえて……今回の事で、お前らが俺をどう云う風に見てたのかが
よ~く判ったぜ……」
ぶつぶつと文句をたれるが…。
「ねえ美凪、夢で国崎往人にてごめにされちゃたの?」
聞いちゃいない(むかっ)
「……はい……国崎さん、熱演でした」
何!? 熱演だったのか?
(一体、どう熱演したんだろう……)
「むぅぅ…………みちる、もう一回寝る」
そう云うと再び寝転がり、遠野の膝に頭を乗せ、
「そんで……夢の中の国崎往人の魔の手から、美凪を守って見せるんだから~っ!」
失礼極まりない事をのたまった。
「………頑張って……ふぁいと」
「うん、任せて(ずびしっ!)」
みちるは妖しげなポーズを決めると瞼を閉じた。
「……………………」
何か俺1人だけ悪者みたいで面白くないな……。
「遠野…ちょっと膝を借りるぞ」
俺は一言断り、ゴロンと横になり遠野の膝に頭を乗せた。
ゴンッ!
鈍い音が響く。
「にょわっ! な、何すんだ~~~っ!!」
先客のみちるの頭にぶつかったようだ。
「悪い……気にするな」
「気にする~っ! それに、美凪の膝はみちるだけのものだぞ~っ!」
「それも気にするな……今日の処は譲ってくれ」
俺は、みちるの反論をサラッと流して目を閉じた。
「むぅぅ……気にするっ! 譲るか~っ! あっちいけ~~っ!!」
ドゲシッ! ドゲシッ! ドゲシッ! ドゲシッ!
力一杯、蹴りの連打。
「ぐはっ! うわっ、ちょ…ちょっと止めろ」
横になってる状態では、防ぎ様が無かった。
流石にまずいと思ったのか、遠野が止めに入ってくれた。
「……みちる……手加減しないと…」
だが、みちるは俺を足蹴にしたまま、
「大丈夫だよ…美凪。 こいつ頑丈だから」
「えと……………そうなんですか?」
(ふるふる)
俺は痛みを堪えて、必死に首を振る。
「…………そうですか………みちる……出来たら止めてあげよう?」
「…………………………出来なければ?」
「その時は……………………仕方ない…かな?」
「仕方ないで、済ますなっ!」
「………冗談です。 みちる……良い子だから、喧嘩は止めよう?」
「えぇ~~~っ!!」
「……みちる?」
再度、遠野が諭すように語りかけると、
「うぅぅ………わかった…」
みちるは渋々頷き、俺の体から足をどけた。
「うん、いい子…いい子…(なでなで)」
「えへへ~っ♪」
遠野が頭を撫でると、それだけでみちるの機嫌が直った。
遠野は、みちるの機嫌が直ったのを確認すると……
ポンポン
と膝の上を叩く。
「………二人……一緒にどうぞ」
「うん、みちる、いっちば~~~~ん♪」
元気良く叫ぶと、ゴロンと遠野の左膝の上に頭を乗せた。
「…………(キラキラ)」
遠野が期待を込めた眼差しを俺に向ける。
「……国崎さんも、どうぞ…」
「お…おぅ……」
改めて言われると、かなり恥ずかしいものがあったが、俺は、みちるの頭に
気を付けながら、遠野の右膝の上に頭を乗せた。
上を見上げれば、遠野のキラキラした眼差し……気になってしょうがない。
「国崎さん……良い夢……見られるといいですね?」
「あ…あぁ……そうだな……」
俺は、遠野のキラキラ眼差しを避けるように眼を閉じ、ゆっくりと眠りに落ちていった。
そして夢を見た……
果たして、遠野の膝で見た夢とは……。
お知らせ
(このサイトは、18禁ものを扱っていない為、夢の内容を詳細に記述する事が出来ません。
まことに残念ではありますが、読者様のご想像にお任せ致します…………うぐぅ…………)
おしまい(汗)
『あとがき』
ちなみに私の今年の初夢は、WP5(競馬ゲーム)でセーブとロードを間違えて、茫然自失……そして一言。
『な…なんでやねん(笑)』
と言うようなものでした。(マジ話です)
……………………( ̄▽  ̄;;
えと…改めまして、あけましておめでとうございます。
今年、最初のAirSS……どうだったでしょうか?
このSSは、元旦に目が醒めたらもう夜だった…………( ̄▽  ̄;;
そんで、寒いから後5分…………で、次に目覚めたら2日の朝………うぅぅ~やり直しを要求するぅ~っ(ぐっ)
と云う私の願望(どうせ寝るなら遠野さんの膝が良い~)から生まれました(笑)
そんな訳で、オチを用意してた訳ではないので、最後……想いっきり逃げてますけど、
新年だから(笑)と、暖かく見守って下さいませ。
それでは~っ♪
追記:今年も沢山の物語を執筆出来ますように(手を合わせる)
2001年1月2日