もし…『To Heart』のキャラ達が永遠にゲームの中で生きているのであったら…。

個人的で無理のある想像。

ボクだから想像しちゃう(くすっ)。

ではボクの中へどうぞ……。

 

 

東鳩裏舞台!

 

ここは楽屋。

「おはよー、あれ?琴音早いじゃないのよ。珍しいわね。」

そう言って元気に『出演者スタンバイルーム(B)』と書かれた扉を開けたのは”来栖川 綾香”だ。
後ろには姉の”来栖川 芹香”もいる。
巷ではこの美人お嬢様姉妹が人気が高いらしい。
かく言うこのじぶんも…コホン。

「最近出番があまり無いから、お昼寝してるせいです。」

そう言った後に綾香に朝の挨拶したのは”姫川 琴音”ちゃんだ。
逃げ足が速いのと、あまりに初めから突き放されるので攻略を断念してしまう者がいるやらいないやら…
あの儚い表情が”ぐっ”と来る美少女だ。口元に添えた手がまたなんとも…コホンコホン!。

「……。」

「え?『そう言えば最近私も出番が無くて退屈です』ですって?そうね。」

はじめに呟いたのは芹香。
ここ最近”来栖川姉妹”も出番が無い。まあ、もともと綾香はほとんどないが…
その原因は…。

「おっはよー!」

元気に入ってきたのがその人物。”神岸 あかり”だ。
主人公の幼馴染というおいしい設定に加え、性格温厚、やさしくひかえめ、家庭的という最強コンボ。
さらに一部のマニアに大ブレイクの(嘘)『おさげモード』という裏技をデフォルトで装備。
また最近は『PS版』でのヒロインの掟破りな『おばさんオホホ』『ウッキ−?』という荒業も習得。
まさに無敵モードの『ヒロイン』なのである。
犬チックなところがまた反則であり最近また萌え直してきた………ゴホン!ゴホッ!ぐはっ…!

「あかり〜最近調子良いじゃない〜?」

綾香がちょっと意地悪く言う。

「まあね〜。出番が多くて大変。普段も多いのに…でも風邪ばっかりひくのって結構辛いんだよ。」

「でも『風邪』まで行けばもう浩之と『H』確定じゃない。」

「えへへ…」

照れて、はにかむあかり。

「そろそろ上級生の方おねがいしまーす!」

スタッフが入ってきてそう告げた。

「じゃあ、行って来るね。芹香さん一緒に行こう。また突き飛ばされるんだよね、毎回大変でしょう?」

「……。」

「え?『でもアレがないと浩之さんに出会えない』って?う〜んそうだけど…。」

そう行ってステージへと歩いて行く二人。

……。

 

 

「おはようございます!」

元気な挨拶と共に入ってきたのは”松原 葵”ちゃんだ。
今回の主役(笑)
そのまっすぐな性格と汚れを知らない純真無垢な所が魅力的なマルチに似た(爆)女のコだ。
この人物はボクには語る事が許されない。ここの管理人に聞けばかなり詳しくかつ洗脳される…ゴフっ!

「すー、すー。」

「おはようございます〜ぅ」

そこには”マルチ”(注意1)と琴音っちしかいない。上級生はみんな出演中だ。
しかも琴音っちはお昼寝中…。

(よーし。今日こそ頑張って浩之さんと…ぽっ。ああ!いけないいけない。
 変な事考えてちゃ…もっと集中しなきゃ。
 最近『格闘技』について話聞いてくれないしなぁ・・・。
 カツサンドに完敗って感じ。
 もう!すこしは話くらい聞いてくれたって…)

そう今日の”抱負”及び”愚痴”を心の中でこぼす葵ちゃん。

「葵ちゃ―ん!そろそろだよ〜!」

そう知らせに来たのはあかりだった。でも…。

「あ、神岸先輩。髪形変わってる…結構良いトコまで行ってるんですか?」

「あ!う、う〜ん。どうだろうね?なんだか今回は浮気性みたいだし…」

「そうなんですか…」

(神岸先輩、第一形態変身完了してる。今回は先輩狙いなのかな?
 でも雛山さんが控え室に戻ってこないということはまさか同時攻略?!)

そして本番へと行く葵ちゃん。

……。

 

 

「え〜、ですからこの同好会は格闘技から色々なことを学んでいくという目的もありまして…」

一生懸命他の生徒に『エクストリーム』同好会の素晴らしさを説明する葵ちゃん。
もうすぐこの前を浩之が通るはず。
その時にもし『カツサンドが売りきれる』という選択をされると即、今日の出番はなくなる…。
他のキャラに比べて圧倒的に不利な選択肢だ。
何と行っても最初の一つの選択肢で永遠に出番が無くなってしまうのは、
「葵」ちゃんと、「雛山 理緒」だけである…。

「ヤバイ。出遅れた…」

浩之だ…葵ちゃんは彼がこっちに注意を向けてる一瞬で勝負を決めなければならない。
決して手を抜く事は許されないのだ。

「そもそもエクストリームと言うのは…」

(あ、藤田先輩こっち見てる…ようし・・・勝負よ、葵。綾香さんの為にも…)
そう言って「ぐっ」とこぶしを握る葵ちゃん。そこへ、お決まりのセリフ。

「やだー、なんだか汗くさ−い。」

(もう、いつもこの子のセリフで場がしらけちゃう。ちょっと黙っててもらおう。)
そう言って「ぐっ」とこぶしを握る葵ちゃん。で、目にも止まらぬ速さ&性格無比の一撃を
浩之に見えないポジションに一瞬で移動して打ちこむ。

どむ!

「………っ!!」
決まった。その場で立ったまま意識を失う女性徒A。打ちこんだ時にその子の体のバランスを
うまく保たせてその場に静止させたのである。

(これで少しは話しやすくなったかな、さて…藤田先輩は?)
ちらりと見る葵ちゃん。だがまだそれほど興味がないみたいだ。

(う〜ん、今回もダメなのかな…私なんかやっぱり…。綾香さんもうダメかもしれません。)
ちなみにこれでダメだと、目の前で意識を失ったまま硬直している女性徒は報われない。

(あ!佐藤先輩がそわそわしている!そろそろ選択肢が出ちゃう…。こうなれば秘策を。)
そう言って「ぐっ」とこぶしを握る葵ちゃん。気合を込めて…
こぶしを近くにある自販機の方向に向けて力いっぱい突き出す。

ばっ!
どんっ!

「……!?」
なんと拳圧だけで自販機に相当強い衝撃を与えた。
自販機は鈍い音と共に『カフェ・オレ』やその他の飲み物のパックを吐き出す。

がたん!がたたん!!

「なんだ?」
浩之が突然起きた出来事に気を取られた一瞬、そのわずかな時間を葵は自分で作り出すと
物凄い速さで雅史との距離を縮めた。

「え?」
雅史が気が付いた時には、すでに葵の攻撃射程距離に入っていた。

「はあぁぁああ!!」

ずしゃ!どこ!ずだん…。がし!ぶんっ!がさ!!ざざっ!

…。勝負は一瞬で付いた。
ちなみに『効果音』の説明をすると…
「葵の踏み込み」「葵のハイキックが雅史の延髄に炸裂」「雅史の倒れた音」
「雅史を掴む」「そのまま遠くへと発射」「見事茂みに消え去る雅史」「間髪置かずに戻る葵」
…と言った感じだ。

「あれ?雅史?ったくオレを置いて先に行きやがったな…。」

「…つまり最強の総合格闘技なのです!」

浩之が意識を何かに集中する瞬間に勧誘を始める葵ちゃん。
人間が何かに集中する瞬間に集中する対象物をこちらから放り投げてやるとそれに食いつく。
その習性と言うか心理的効果を狙っての物。

「……。」

見事かかったようだ!こちらに目を向けている浩之。

(やった!やりました、綾香さん。綾香さんのおっしゃっていた秘策。見事成功です!)

そして、こちらに近づいてくる浩之。
葵ちゃんは見事『カツサンド』に勝った……。

…。
「やったわね、葵。さすが未来の私のライバル、あなたならやってくれると思ったわ。(タテマエ)
 キャー!これで私の出番が来るわ〜!(ホンネ)
 もう、なんでこの綾香様のシナリオがないのよ…今度作ってもらおうかしら。(グチ)」
そう木の影から見守っていた綾香は呟いた。

 

 

……。
その後浩之はきちんとクラブに来てくれている。
しかも一生懸命葵の練習を手伝ってくれてる。
順調、順調。

…ココは楽屋。休憩時間の最中であった。

「葵〜やるじゃない〜。もう!あの足の痙攣てわざと?もうやらしんだからっ♪」

「いえ、違いますよっ!綾香さん、ほんとに痙攣してるんです。もう…」

葵と綾香はご飯を食べながら上手く行ってる喜びに浸っていた。

「…羨ましいです。」

ぽつりと聞こえてきた声は琴音っちのものだった。
結局浩之を階段で落としてから、何も音沙汰無しで
確実にフラグは立たなくなってしまっているのであった。うう…可愛そう。

「うう…。みなさんはいいじゃないですかぁ。まだ出番が有って…
 私はもうテスト期間が終了してしまって廃棄処分確定ですよぉ〜〜〜。」

そう言って部屋の隅ですでに私服に着替えてちょこんと座っているのはマルチ。
浩之に構ってもらえず1週間がすぎてしまったようだ。
まるで最初気付かずにそのままマルチが出てくると思ってプレイしていた某ぽむぽむのようだ。(爆)
結局雅史に
『ずっと友達だよね』と告白されて終了したのは言うまでもない…。

葵は『そうですか、残念ですね。』などと言ってはいるがきっと

「ふふふ、負け犬がぁ!一年生キャラは攻略が簡単だけども
 プレイヤーの趣味で絞り込まれるから競争率は高い!その中で勝つにはある程度の
 努力が必要なの。そこら辺が足りないあなた達には勝ち目はないのよ。」

なんて考えている事だろう。

ちなみに…あかりは、結局2年生になってからほとんど相手してもらってない。
合掌!(ちーん♪)

いよいよ、坂下との勝負の日。……。

 

 

「それじゃあ!はじめっ!」

勝負はすでに開始している。だが葵はほとんど別のことを考えていた。

(昨日は上手く行って良かったな・・・ほんとならあのシーンでキスのひとつでも・・・。
 もう、少しは藤田先輩も積極的に行動してくれても良いのに。)

そんなことで大丈夫なのか?!
相手はあの坂下だぞ!
……。
心配無用。

(あ〜あ、それにしてもこの勝負どうしても崩拳じゃないとダメなのかな…。
 もう何回も戦いすぎて動きが読めるようになっちゃったし…。
 でも、ピンチになって藤田先輩の声を聞いて打たないと盛り上がらないしなぁ…。)

ばし!ばし!ばし!

(う〜ん、今のトコなんてローキックいれて崩れた所で下からの突き上げでKOなのにな…
 でもこれが終わって修学旅行から帰ってきたらついに…きゃ♪)

びし!ばし!ばん!ばん!ぱーんっ!

(でもちょっと藤田先輩強引なんだもの…もう少し優しくしてくれないと…
 私だって一応女の子なんですよ。
 でも、『アレ』は何度やっても恥ずかしいな…今回はしなくて良いかな…
 そんな分けないよね…。CGだってきちんと用意されてるんだし。
 なんで他の人はしなくていいのに私だけ・・・。)

びし!ざっ!ばし!ざっざざ!ばーん!

(ふう。そろそろ良いの一発貰って形勢不利にならないとな…
 よし。そろそろかな?綾香さん?)
目線を綾香に送る。
綾香は静かに頷く。

坂下の攻撃!「ずばしゃ!」
痛恨の一撃!葵は54ポイントのダメージをうけた。

(よし!良い感じに貰った…あとはラッシュを受けつづけて大ぶりを待つだけ。
 待っててください。藤田先輩。もう少しでやっと結ばれます。
 今日は気持やさしくしてくださいね。あと、出きれば『アレ』は無しにしてください。
 ホントに恥ずかしいんですから…。)

そして坂下のとどめの一発が振り下ろされる!

(さあ!藤田先輩!今ですよ〜〜〜!愛する人の名前を力の限り叫んでください!
 葵は今日までホントに幸せでした。練習に付き合ってくださって。
 また、緊張をほぐしてくださって!まあ、緊張なんかしませんけどね。
 あと、『葵ちゃんは強い!』って結構恥ずかしいので今度は回数減らして、
 声のボリュームも少し押さえてくださいね。)

「あおいちゃ〜〜〜〜〜〜ん!」

(きた♪!)

「は〜〜〜〜〜い♪」

( ̄▽ ̄;)

どげぐしゃ!!!

宙に舞う坂下。
クリーンも良いトコ、致命傷に近い威力でもろヒット。
さらば坂下。キミは何も悪くない。シナリオが無いからでもないよ。
そんな事のせいにしてるようじゃまだまだ「あおい」よ。
キミは出てきた時からすでに「悪役」だっただけ…。

   でも

この仕打ちはひどいかも〜♪(のんきな声)
だってこの後しゃべれないだろうからシナリオ的にヤバイ。
続かないじゃない。
あ、そういうアクシデントの時はいつもの彼女が後ろから操って話しを進めるのか。
そう…アルバイトの「雛山 り…」。

 

そして…修学旅行へと行く浩之。

さて、ここまで頑張ってきた葵ちゃん。みなさんも彼女の「ひたむきさ」には圧巻でしょう。
ここであなた自身への選択です。
これで葵ちゃんを『生かす』も『殺す』もあなた次第。
では、どうぞ…

愛とは力ずくでも奪い取る物。その事実を体を張って証明してくれた葵ちゃんは正しい!

愛とは力ずくで奪い取る物。そのことを身をもって証明してくれた葵ちゃん、最後まで証明して♪

 

 

 

 

 

 

修学旅行から帰ってきた浩之。
その足は葵ちゃんがいるであろういつもの練習場所へと向かっていた。

ひとり夕焼け空のした、膝を抱えながらうずくまっている葵ちゃん。
浩之はその姿を見つけると、驚かそうとおもい、背後からそっと近づく…。
いざ驚かそうとすると…

「せんぱい…」

葵ちゃんにばれていたのか…と思ったがなにやら様子がおかしい。

「せんぱい。早く帰って来てください。
 最近他の子とばっかりして…、全然構ってくれないんですね。
 私だって一応女の子なんですよ。
 こうして色々策略を練って汚い事もしましたけど…
 全部先輩のためなんですよ。
 ……いや。自分の為ですね。
 う〜んと…。いつからこんなにも『汚い』子になっちゃったんだろう…。
 でも…
 それはみんな先輩の事が好きだから…本当に大好きだからっ!
 だから少しでも良いから構って欲しかったの。
 少しで良いから…私のほうを向いててほしかったの。」
 ……。

「あ〜あ、自分でシナリオ終わらせちゃたぁ。えへへ。ぐすっ。BAD ENDですね。
 せっかくここまで来たのにごめんなさい……。まだ、他の子のフラグが立ってるから…
 今からホレ薬、貰いに行けばまだ間に合いますよ…はやく…」

突然後ろから抱きしめられる葵。

「何言ってるんだよ…こんなトコで選択を変えるやつが何処にいるんだよ…。
 オレは汚い事をしてても…フラグがもし足りなくても…
 それでも葵ちゃんが一番大好きなんだぜ。
 だから…さっきのセリフ、なしな。」

「先輩…」

真っ赤に輝く林の中の、真っ赤に染まっている神社の境内で、真っ赤な…
真っ赤で、すごく情熱的で、すごくあったかくて、すごく、すごく輝いている。
そんな二人がいつまでも抱き合っていた……。

    〜〜〜〜〜〜〜 Fin 〜〜〜〜〜〜〜。一個前の選択肢に戻る あとがきに行く

 

 

 

 

 

 

修学旅行から帰ってきてるはずの浩之を葵ちゃんは待っていた。
これまでやってきた事がとうとう実を結ぶ時が来たのだ!

「あ〜あ、もう嬉しすぎて早く来すぎちゃった♪まだお家にいるころかなぁ。」

そう言ってベストポジションにつく葵ちゃん。
後ろから浩之が出て来れるようにスペースを確保。
これでいつ『コン太』が出てきても大丈夫。
でもたまには『ゴ○太君』でも出てこないかな…「うごうご」って言いながら…(笑)
そんなくだらない事を考える余裕まで有る葵ちゃん。
でも、そんな気分の所悪いんだけど…

「な、なんですか…」

そのね…。キミは『トロイの木馬』って知ってる?

「え、あの木馬の中に隠れてて奇襲に成功したって言う…」

うん。まあ、それは良いんだけど…。(じゃあ言うな!←ツッコミ)

「なんなんですか!もう!」

ちょっと来て…
そして葵ちゃんを保健室に連れて行くとそこには…!

「ええええ〜〜〜〜!!!」

「東鳩」のCDの中に収録されている未発表CG、or「初○のないしょ!!」内のおまけCGの…
綾香がいた。

…愛とは…力ずくでも奪い取る物…。そう教えてくれたのは彼女だった。

     〜〜〜〜〜〜〜 Fin 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。一個前の選択肢に戻る あとがきに行く

 

 

 

 


<あとがき>

どうも〜〜♪遅くなってしまいましたが「20000HIT!」おめでとうございます〜〜。
「た〜な」さんにはページを作った頃からお世話になってます。
ホントいろいろ助けていただきました。またこんな自分と付き合ってくださってありがとうございます。
最近本当に忙しくて全然完成しなかったにもかかわらず、じーーーーーーーーーっっと
待っていただきありがとうございました。
また今回は先に寄稿されていた某SSと「根本的な設定」がかぶってしまっていたのに気付かず
途中まで書いてから気付き、呆然としていた所、
「た〜な」さんはもちろんの事某SSの作家の方も『了承』してくださってほんと感謝です。
ちょっと変わっていてギャップが有って話しがバラバラですが(爆)
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
最後に…(前に掲示板にも書きましたが)

『ネットの世界で泣いていたボクをあやしてくれた優しい方へ…』

20000HITおめでとうございますーーーー!あはは〜〜〜!
それではーっ。

                                 99・10・13 ぽむぽむまるち

(注意1)…この子のことを知りたければメールか掲示板でどうぞ…語りましょう!(笑)