白馬岳2号雪渓 長野県
白馬岳2号雪渓は山頂直下からエントリーでき,大雪渓の標高1900mに直に落ちる急斜面である。
一般向きではないが,大雪渓に飽き足らないエクストリームにお勧めの快適な斜面である。
取付は急な壁であり此処が最大の難所である。今回この雪渓の滑降写真の撮影を行った。
剣をバックにのんびり記念写真。この日雪は堅く雪が緩むまでのんびりする。
いざエントリー
この日上部はカチカチ斜面,ザラメなら問題はないがこの日は最悪。アーメン・・・
落ちていく
岩の間は狭くシュルンドが出来ていて通過は不可であった。トラバース気味に進む。
トラバース成功
トラバース後真下に向かって落ちていく。
核心部を過ぎて
いざ核心部を過ぎれば雪も緩みだしあとは楽勝である。
シュルンドやクレバスには十分注意して欲しい。
飛んで下さい
遠慮しないでドンドン飛んで下さい。
下から見上げる
雪庇も見える。落ちることはなく安定した雪庇である。
遥か下に大雪渓
大雪渓めがけてドンドン行きましょう。
シュルンドも
所々シュルンドもあるのであまり調子にのらない方がよい。
広々とした斜面
実に広々とした急斜面を快適に滑る。
自己陶酔
言葉は入りません。
杓子岳
杓子を見ながらの快適な斜面を大雪渓めがけてかっ飛び終了なり。
山行記録2004年5月19日(水)
もうシーズンが終わった方も多いでしょうが,もうしばらく僕たちは頑張ってみたい
と思っています。二度目の2号雪渓,今日はこの雪渓の核心部の滑降写真を撮ること
が目的だった。なかなか良い写真がたくさん撮れました。
【山域】白馬2号雪渓
【場所】長野県
【日時】本日 5月19日(水)
【コース】猿倉〜大雪渓〜白馬山頂〜2号雪渓〜猿倉
【メンバー】僕・深澤
【装備】サロモン・Verse7 150cm,ディアミール3,ガルモントGライドg-fit(僕)
K2・summit 153cm,ディアミール2,ローバストラクチュラ(深沢)
【天気】曇り
気温が低くまるで陽の射さない今日の2号雪渓のエントリー部分はカチカチにクラス
トしておりマジで怖かったです。絶壁直下には大きな岩とシュルンドがあり転けたら
クラスト斜面を真っ逆さまと言う恐怖との闘いでした。どんな斜面も雪の状態で難易
度は変化します。昨年のようなザラメだと楽勝だったのでしょうが。
5月18日(火)水曜の午前中までなら何とか雨は降らないだろうと深澤君に2号に行く
からと緊急連絡をしてすぐに話は決まる。天候次第では旭東面とダブルで滑ることに
した。金沢を夜7時過ぎに出て一路糸魚川へ,お腹はペコペコでもう限界である。高
速をぶっ飛ばしてすし活へ。ガ〜ン臨時休業であった。もう涙涙でならば白馬飯店へ。
携帯で電話をすればオーダーストップは9時頃とのこと。もう時間は8時を回っている。
頑張って飛ばすしかない。夜9時5分前に白馬飯店に到着。助かった。仕事が忙しく,
ようやくこの日初めてまともな食事にありつける。五目ラーメンとエビチャーハンこ
れしかないでしょう。もう大満足で店を出た。
猿倉到着。下の駐車場は深澤君の車1台と寂しい限りである。上のアスファルトの駐
車場へ行くと小屋関係者以外止めるなと立て看板,止めたらただでは済まないような
ことを書いてある。今年からの看板だ。今日のようなガラガラの日にはむっとする。
こうした看板一つで小屋の経営者のポリシーが分かるというものだ。ただでも泊まら
ないだろう。下の駐車場で深澤君といつものように宴会,先日の毛勝の写真を頂く。
彼も大分写真の腕が上がってきた。さあもう寝るよ。朝は早いよ。3時出発だ。
5月19日(水)朝2時半起床。深澤君は2時から起きて準備をしていた。もう行きましょ
うと言うが僕はまだ湯を沸かしてこれからカップ麺を食べるところです。
3.15 1235m 猿倉発。林道は雪が所々残っている。昨年より少し多いくらいだ。ス
キーを背負ってシコシコ歩く。
4.20 1535m 大雪渓取り付き。ここからスキーで歩き出す。もう明るい。天候は厚
い雲。晴天は期待できない。ドンドン歩いていくが雪面はやや堅く,あまり焦っても
雪の状態は悪いのでペースを落とす。風もやや強く雪面はクラスト気味。
6.45 2315m 小雪渓取り付き。此処で休憩中深澤君がシュルンドにまだ一度も使用
していないツェルトを落とす。焦った焦った。ショベルだと破る可能性があると素手
で穴を掘るは掘るは1mも凍傷寸前になって掘りだした。お馬鹿さんである。さあ行き
ますよ。
7.55 2805m 山頂小屋。ここで旭東面を滑るか悩んだ。多分雪の状態は悪く上部は
カチカチだろう。おまけにいつ雨が降るか分からない空模様。却下である。雪が緩む
のを待とうとこの辺りでぶらぶら散歩する。
8.30 2932m 白馬岳山頂着。無事到着。主稜線も降りれないことはないな。1号雪渓
も楽勝だろうと好きなことを言っている僕たち。ゆっくり時間を稼ぎながら2号へ移
動。
9.45 2900m 2号雪渓入り口。ウウウ。素晴らしい高度感。直下には大岩有り,シュ
ルンド有り,おまけにこのクラスト斜面。今期最大の難関である。ザラメなら楽勝だ
が,このクラスト斜面の絶壁は如何なものか。深澤君は大丈夫と言うが,僕は家族も
大勢いるし,従業員の生活もあるしとやや後込みする。行けないことはないが,転け
たら死ぬなとビビル。なら10才若い深澤君に先に行ってもらいましょう。ケルン横で
写真を構える。OKかい。OKと言う。そら行け。
最も高い位置から絶壁を落ちていく深澤名人。ターンも決まっている。この人天狗か
いな。核心部を落ちて,今度は@@さんの番ですからとアイゼンで登り返して撮影ポ
イントに到着。もう行くしかない。ビビリながら僕も落ちていった。怖かった。横滑
りすらまともにできないような急斜面だった。深澤名人はもう一度行くと言っている。
もう勝手にしなさい。また最大斜面から落ちていった。核心部直下で合流し,ここか
らは快適に落ち続けた。途中で雪質も緩みもう自己陶酔の世界だった。
ピョンピョンと跳ねるようにドンドン滑っていく。やや凹凸はあるもののすっきりし
た快適急斜面である。第2核心部のノドは通らず,右手の広い斜面を滑っていった。
大雪渓が見えてからは石を避けながらの滑降である。
10.10 1915m 大雪渓合流。フーッ今日も大満足ですね。良い写真もたくさん撮れ
ました。この写真が欲しかった訳なのです。後は一気に大雪渓をGo。
11.14 1235m 猿倉。今日も大満足です。片付け中に小雨もぽろぽろ。良かった良
かった。一緒に温泉に入って,僕は帰路糸魚川ですし活へリベンジに行った。
帰りの高速は強風と雨,タッチの差でした。
2号雪渓はまだまだ大丈夫です。第2核心部ノドは滝が出ている可能性もありますので
右手の広い斜面(ノド手前約100m)から降りてください。
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