その1.薬師岳(2926m)飛越新道経由(一泊)

 薬師岳の登山口として有峰林道を経て折立より入山するコースが一般的だが,山スキーを楽しむ

5月頃は有峰林道は閉鎖中であり,薬師岳への入山は岐阜県神岡町の山の村が起点となる。

山の村から有峰に抜ける大規模林道の県境飛越トンネル手前駐車場が登山口となる。このコースは

入山者も少なく静かだが,アップダウンが多くかなりの体力を要する。また下山時道に迷いやすく

2.5万分の1が確実に読みこなせる力がないと難しい。

登山口飛越トンネル

岐阜県神岡町から林道を登ること1時間こんな所に村があるのかと思う頃山の村に到着。

ここは岐阜の軽井沢。僕の大好きな村だ。標高が1000m近いこの村は静かな過疎の村である。

冬でも静けさを求めて年に数回訪れる。ここから大規模林道を有峰に向かい30分で飛越トンネル

に着く。駐車場が完備され,登山届けのポストもある。

寺地山(1998m)

登山口を出発するといきなりの急登。アップダウンの多い飛越新道を進むこと2時間。

打保からの旧道神岡新道に合流。標高1800mが合流点だ。ここから写真寺地山まで

緩い登りが続く。此処に来て初めて眼前に北の俣岳2661mが見渡せる。

北の俣岳西面斜面にて

寺地山からはいったん下り,また登る。標高2035mの避難小屋付近から北の俣岳まで

標高差600mを登る。これまでのアップダウンで疲れがたまっており,きつい登りとなる。

標高2035mの避難小屋に泊まる人も多い。此処には水もある。素晴らしい斜面が北の俣岳

まで続く。ほぼ山頂までスキーで登れる。

北の俣岳から薬師岳を望む

つらい登りに耐え山頂に着くと薬師岳の展望が素晴らしい。薬師岳は遙か先である。

北の俣から太郎平まで約300mの下りは緩く快適なゲレンデである。あっという間に到着。

太郎平小屋の冬季小屋を使用しても構わない。できれば薬師を見ながらテントでのんびり過ごしたい。

僕は太郎山手前の平坦地に幕営した。薬師の展望が良くのんびりできた。

薬師岳山荘付近の稜線

太郎平から薬師峠まで一端下る。標高2285mの峠から山頂まで標高差約650m

登り一筋である。稜線に出ると風も強く,雪面はクラストしていることが多いため

慎重に進む。この位置から山頂は隠れて見えない。標高2700mの薬師岳山荘

からが最後のがんばり所である。

山頂から立山方面の展望

つらい登りに耐えついに標高2926m薬師岳山頂に到着。北薬師岳が見える。

遙か先に剣岳,立山が見渡せる。山頂には薬師如来を祀った祠がある。

山頂から後立山方面の展望

山頂からの展望は360度のパノラマである。遙か槍,穂高まで見渡せる。

この日は快晴に恵まれ,素晴らしい登山日和だった。

避難小屋からの滑降へ

展望を十分楽しんだらスキーをデポした標高2880mの避難小屋まで戻り

いよいよスキー滑降である。この瞬間のためにがんばってきたのである。

午後になると雪が緩み快適なザラメとなる。写真前方黒部五郎

北の俣岳を見ながらフィナーレを飾ろう。薬師峠まで10分とかからない。

山行記録1999年5月2日(日)-3日(月)

時刻-気温-標高-場所

5.2(日)
4.14 13.8 1460m 飛越トンネル
6.02 3.2 1800m 旧道合流
6.59 6.1 1998m 寺地山
7.38 9.6 2035m 避難小屋
9.28 13.8 2661m 北の俣岳山頂
10.19 11.3 2360m 太郎山横平坦地
11.16 9.4 2360m テント場発
11.23 7.9 2330m 太郎平小屋
11.44 12.6 2285m 薬師峠
12.47 11 2700m 薬師岳山荘
1.24 8 2880m 避難小屋
1.39 5.6 2926m 薬師岳山頂
1.54 7.4 2926m 薬師岳山頂発
2.16 5.3 2880m 避難小屋発
2.28 5.3 2280m 薬師峠
3.06 7.3 2360m 太郎山横平坦地着

5.3(月)
4.34 2.9 2355m 太郎山横平坦地発
5.48 -1.7 2620m 北の俣岳
7.08 7.4 1980m 寺地山
7.49 5.2 1825m 旧道分岐
9.06 10.8 1465m 飛越トンネル

    その2.薬師岳(2926m)飛越新道(日帰り)

太郎山手前にて

この辺りから薬師全景が見渡せる。東面はまだまだ雪は豊富である。

山頂手前避難小屋付近

山頂手前避難小屋からは雪が無く滑れないのでスキーは此処でデポだ。

山頂

出発から実に8時間に及ぶ旅であった。まだまだ余力は十分。

いざ滑走

標高2900mを越す避難小屋からいざ滑走。最高の雪質であった。

快適な滑り

どこまでも快適な滑りが続く。

更に続く

いつまでも自己陶酔に浸る深澤君。もちろん僕も

標高2500m

山頂手前から飛越トンネル手前標高1700mまでこの日スキで滑ることができた。

山行記録2003年5月25日(日)

シーズンも残りわずか,今シーズンの成果をためそうと体力の限界に挑戦してみた。
飛越トンネルから薬師岳は往復30km,累積標高差約3000mの行きも帰りもアップダウン
に苦しめられる日帰りコースとしては超ハードなコースである。

【山域】薬師岳 2926m
【場所】富山県
【日時】本日 5月25日(日)
【コース】飛越トンネル−寺地山ー北の俣岳−太郎平−薬師岳往復
【メンバー】僕と深沢君
【装備】アトミックβライド9.22 160cm,ディアミール,TR12(僕)
    カービング150cm,ディアミール,TR9(深沢君)
【天気】曇り時々晴れ

来週から有峰林道が開通し折立まで入山できることは分かっていたが,開通前にどう
しても挑戦したかった。当初亀谷からMTBを使い折立まで入る標高差2500mのコースを
考えていたが山梨から来る深澤君の事を考えて飛越新道コースとした。どちらも半端
な気持ちでは日帰りできない。

5月24日(土)今日も忙しい仕事を終え,金沢を夜7時過ぎに出た。富山インターで下
り,進行方向反対の富山市内へ向かう。目指すはとろ一。店に到着すると戦場のよう
な賑わいでマスターはてんてこ舞いしていた。GWは関西方面を中心に大勢の山屋さん
が来店したといっていた。みんな真っ黒な顔をしているのですぐ分かるんだそうだ。
この日はホタルイカの刺身,タケノコ,おから,里芋,ご飯,鱈汁,鳥カラ,すり身
上げ,ノンアルコールビール2本しめて3600円,5000円ほどの価値があった。大満足
してマスターの声援を受け神岡に向かう。

夜遅く山之村から飛越トンネルに入ると深澤君の車があった。彼は午後5時過ぎには
到着してゆっくりしていたという。明日の打ち合わせをして色々と準備をする。3時
間は仮眠をとれたのでまあ満足であった。

5月25日(日)朝2時半起床。3時出発のため時間が無く,朝飯は食べられなかった。
深澤君は弁当その他1000kcal以上とったと言っていた。

2.55 1400m 飛越トンネル発。スキーを担いでいざ出発。雪はまるでなかった。ど
こから雪が出るか心配であった。いきなりアップダウンの連続,先が思いやられる。
標高1700mで雪が出てきた。予想より雪は多かった。ここからシール歩行開始。以後
薬師山頂付近まで雪は大体つながっていた。ラッキー

4.12 1842m 神岡新道合流。ここから寺地山までは緩い登りであった。雪を拾いな
がら快調に進む。

5.21 1998m 寺地山着。ようやく寺地だ。ここから下っていく。小さな起伏が多い。
北の俣西面もかなり雪が溶けているがうまくルートを選べばほぼ稜線付近まで雪はつ
ながっている事が確認できた。

5.57 2000m 避難小屋付近。ここからシールで北の俣を目指す。帰りも快適なスキー
が楽しめそうだ。2400m付近でスキーを担ぎ夏道を行くことにした。この方が早かっ
た。

7.28 2620m 北の俣稜線。ようやく到着。出発して4時間半。まずまずのペースであ
る。薬師は遥か先であった。ここから太郎まで下りだがルートを誤り登り返して這松
漕ぎをする羽目になりかなりしんどかった。

8.34 2330m 太郎平小屋着。誰もおらずひっそりしていた。GWを過ぎればこんなも
のだろう。

8.48 2294m 薬師峠。ここから深澤君はスキーを担ぎ直登で,僕はシール歩行とし
た。写真を撮りながら快調に進む。雪は多くずっと途切れなかった。

10.35 2890m 薬師岳手前避難小屋。ようやく到着。深澤君は先に着き待っていてく
れた。ここから山頂までは雪がないのでスキーは此処でデポだ。空荷で山頂を目指す。
なんて楽なんだろう。

10.53 2926m 薬師岳山頂。ようやく到着。出発から実に8時間実に長い旅だった。
二人写真を取り合い薬師東面のカールを覗き,滑りたいの連発。帰りのことを考えれ
ば行けるわけがなかった。再びスキーデポに戻る。

11.03 2890m 薬師岳手前避難小屋発。さあいよいよスキーである。雪質は最高だっ
た。二人交互にスタートし滑走シーンを取り合う。この時期にしては珍しく快適な滑
走が楽しめた。もちろん自己陶酔だ。

11.45 2294m 薬師峠。さあここからが北の俣への長い登りである。今日はたっぷり
のエネルギーを持ってきたのでばてることはなかった。

11.56 2330m 太郎平小屋。この辺りでガスが沸くがコンパスでルートを確かめる。
二人まだ足取りは快調であった。

1.40 2520m 北の俣手前。稜線からわずかに這松を漕ぐと雪が出た。こちらも標高
差500mの快適なスキーを楽しめた。

2.09 2000m 避難小屋付近。ここからまたアップダウン。で寺地へ

2.50 1998m 寺地山。ようやく登り返しもう安堵感がただよう。ここからもスキー
でドンドン下る。

3.31 1842m 飛越新道分岐。しばらくで雪が切れスキーを担ぐ。寺地往復の登山者
をガンガン抜き去り,早足で下っていく。

4.25 1400m 飛越トンネル到着。二人堅く握手を交わし,13時間半に及ぶ厳しい山
行に酔いしれてしまった。

今シーズン最長時間の山行でした。誰か僕たちのようにこのルートで日帰りを敢行し
た方はいらっしゃいますか。是非メールお待ちしています。


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