金沢-青森ロングライド 750km
記録2017年5月3日(水)-5日(金)
初日5/3(水)
昨年九州ー金沢ロングライド850kmをやり遂げて次は青森しかないと心に決めていた。これで日本海沿いに本州縦断が完成する。あとはいつ行くか?涼しいGWしかないと思っていた。
ただこの時期もし雨に降られると寒くて地獄だ。深夜走ることが多いロングライドで雨は避けたい。運を天に祈るのみである。九州ロングライドでは鳥取から一人の寂しい単独走行になったので今回は絶対に最後まで走り通せるだろうパクにかなり前から打診していた。当初舞鶴にフェリーで入ってそこからスタートすると言っていたがお前なら九州から北海道まで行けるはずだと言った。さすがパクやってやるぜと早めにスキーシーズンを終えこの計画のためにチャリ修行を初めていた。
パクは五日前に福岡に空路降り立ちそこから毎日300km以上走ってひたすら金沢を目指す。三日で金沢に着いて月曜の夕方に間に合ったらその日の夜に金沢で寿司をご馳走すると約束していた。怪獣パクは全く疲れも見せず余裕で月曜の昼過ぎには金沢入りしてその日の夜は一緒に宴会となった。
火曜は1日空いているので折角だから能登を回って来いと伝えた。本当はまったり足を休めたかっただろうがさらに足を削らせれば僕にとっては有利になるかなと内心思った。特上うな重をニンジンにパクは行くしかないと言った。その日も4時間睡眠でパクは深夜1時に自宅を出て能登最北端狼煙灯台まで350kmのロングライドを行った。
帰宅後またも4時間睡眠でいよいよ5/3深夜0時に金沢を一緒にスタートすることになった。すでに宿は取ってある。初日は新潟二日目に秋田そして三日目に青森から新幹線で帰宅の予定で敗退無しの計画である。かみさんに自宅前で写真を撮ってもらっていよいよ暗闇の道を北へ向かって走り出した。
今回は裏通りは避けて国道をメインに走るつもりである。ただなるべく海岸線沿いを潮風を受けながら北上しようと思っていた。金沢市内は僕が先頭で難所倶利伽羅トンネルも深夜なので交通量も少なく問題なかった。あっという間に県境を過ぎて富山入りした。ここから八号線沿いを新潟までひた走る。まだ元気なうちは僕もたまに先頭を引いたが無理すると持たないので以降は元気なパクの後をひたすら追って体力を温存することにした。
高岡ー富山ー魚津と深夜の8号線は高速で30km弱のスピードで飛ばした。パクに必死になって着いて行く僕。パクは7割の力で走るが自分は9割の力を出さないと着いていけない。これが青森まで続くのかと思うと修行以外の何物でもない。30kmほどを目安にコンビニ休憩を取り100km地点の朝日町で白んできた。早朝は交通量も少なく実に快適だった。ロングライドは深夜0時から6時までにいかに距離を稼ぐかが鍵になる。
難所親知らずも交通量は少なく快適に走れた。親知らずを過ぎるとしばらくで糸魚川パクは一度すし活に行きたいと言っていた。機会があればいつでもご馳走してあげるよ。糸魚川から上越までは快適な海岸線走行となる。潮風を受けながらどこまでも北上して行く。途中道の駅で休憩を取りながらようやく上越市に着いた。金沢から175km地点時間はまだ8時過ぎ新潟まで半分もう楽勝感が漂っていた。平均速度も27kmを超えてここまで高速走行であった。
日が昇り交通量が多くなってきたのでここから先は8号線を避けて海岸線の裏通りを進むことにした。柏崎、刈羽原発を過ぎ左手に佐渡島を見ながら快適に走行する。右手に弥彦山が見えると新潟は近い。さあもうすぐ新潟市入りだと思ったがトンネル内で事故発生、車は全て迂回させられていた。マジか、絶対また引き返して迂回なんて勘弁してほしい。折角ヒルクライムしてトンネル手前まで来たのにおまわりさんがいつ通れるかわからないと言うがもう腹を据えて待つことにした。幸い15分ほどで規制は解除された。神はお見捨てにならなかった。
トンネルを過ぎるとあとは海岸線を新潟市へと走るだけ。しかし向かい風が行く手を遮る。二番手も辛いのに先頭のパクは大変だったろう。たまにチャリダーが前を走っているとパクがぶち抜いて行く。獲物を見つけたチーターのようだ。新潟市内に入ってからが難儀だった。宿は新潟の北の端、市内は交通量、信号が多くて大幅に時間はかかった。
夕方4時を過ぎてようやく宿に着いた。宿は新潟東港勤労者宿泊所、パクの懐を考えて安宿を予約していた。飯は出ないので手前のコンビニで弁当を買っていく。部屋はタバコ臭くて嫌だった。すぐに風呂に入ろうと思って浴衣とタオルを探すが部屋にない。フロントのおじさんに聞くと簡易宿泊所だからそんなのないよと言う。マジか!こんな宿初めてだ。粘っておじさんが自分ので良ければとタオルを貸してくれた。浴衣はないので風呂上がりに汗臭いジャージを着れないのでパンツだけ洗って履いてあとは裸で過ごすしかなかった。パクも裸で寝たと言う。まあ野宿を考えればマシだろう。
弁当を食べて夕方6時過ぎに寝た。新潟まで320km長い1日だった。さあもう1日明日頑張って秋田に入ればもうゴールは近い、やるしかない。
いざ金沢出発
深夜0時かみさんに見送られていざ出発
新潟県境
朝日町を過ぎて新潟県入り目の前を列車が走って行った
8号線
ようやく新潟に入って白んで来た。
親不知
親不知にあるウェストン像、北アルプス開拓者の一人 道路脇に設置されている。
伝説の人
栂海振動を開拓した小野健さんの功績が称えられておりとても嬉しくなった
糸魚川
ここまで130km腹も減って来たのですき家で朝食、君はその筋の人か?
道の駅
糸魚川ー上越間には素敵な道の駅が二箇所
新潟手前の海岸線
灯台が印象的だった。
新潟手前で足止め
事故規制待機中、クタクタで迂回は勘弁してほしい
新潟の宿
浴衣もタオルもない上にタバコ臭くて最悪だった。野宿よりはマシだが、、、
二日目5/4(木)
深夜23時過ぎ目を覚まして支度をした。予定通り深夜零時に宿を出た。寒い、しかし30分も走れば体が温まって来た。今日はパクにずっと引いてもらおう。相変わらずパクに着いて行くのが大変だ。幸い風もなく今日も高速走行。村上を過ぎて笹川流れの海岸に入った。素敵な海岸線が続く人気の海岸線だが深夜で何も見えない。向かい風を受けながらの修行のような走りが続く。くねってもくねっても向かい風で足が削られて行く。ここは一度昼チャリで走ったことがあるので景色が見えなくてもよかった。パクは若いのでまた来れる。
笹川流れを過ぎてようやくコンビニが見えて休憩、休むと寒い寒過ぎだ。気温は6−7度ほどと寒い、温かい物を取り休憩、鶴岡を過ぎ酒田市が近づくとようやく白んで来て鳥海山が遠くに見えて来た。これは感動ものだった。なんども登った鳥海山、山形のシンボルである。海岸線をガンガンペダルを回すと鳥海山がどんどん大きくなって来た。嬉しい。
酒田市内に入ると鳥海山はとても立派で白く輝いていた。ずっと右手に鳥海山が見える。なんども立ち止まって写真を撮った。秋田まで80km青森まで210kmの看板が見えた時はついに来たかと胸が踊った。
由利本荘に着くとあとは秋田市に向け7号線をひた走る。日が昇ると向かい風になった。試練の走りが続く。ずっと先頭で頑張っているパクに昼飯はおごるから好きな店を探せと言うとびっくりドンキーと言う。ドンキーのハンバーグがお気に入りだと言う。GWで早めに着かないと混雑して予約待ちになるとまずいよ、そう言うとパクは俄然スイッチが入ってスピードが増した。言うんじゃなかったと後悔した。
秋田市内に昼前に入ってすぐにドンキーを目指した。待ち時間もなく入店してパクはチーズハンバーグを食べた。満腹になると後は北秋田市の宿を目指すのみ、秋田市から65kmまだ先は長い、秋田市内は交通量、信号も多くてまた走りづらかった。郊外まで抜けると交通量は減り走りやすいがめちゃ暑くなって来た。今日の秋田市の気温は28度だった。コンビニ休憩のたびに二人でアイスを食べてクールダウンした。
山岳地帯に入って来て小さなアップダウンが出て来た。事前の予想ではヒルクライムは一回だろうと思っていた。最後まで頑張り抜くのみガンガンペダルを回して長い長いヒルクライムをこなした、やったーこれで下れば宿だなと思った。しかし人生甘くなかった。2度目の長いヒルクライムが始まった時もう心は折れて立て直すことなく、チビリ走行に徹した。パクには峠で待ってもらった。優しい怪獣パクは峠で待っていてくれた。
さあ宿まで残り5km、もう登りはなく流して走ったら川沿いに今日の宿あゆっこが見えた。長い二日目が終わった。今日も310km頑張った。二日で630km、残り青森まで120kmもう射程圏内に入った。
宿は快適だった。何より浴衣とタオルと歯ブラシがあって嬉しくなった。やっぱ宿はこうじゃないと。部屋にチャリも持ち込ませてくれた。これで朝の準備が楽だ。温泉に浸かって少し休んで夕食だ。6500円と安い割には食事も充実していた。パクは初めて鮎を食べたと感動していた。先日のうなぎもそうだが初めて食べるものが多過ぎ、さすがに食事や女性には全くこだわりがない気楽な怪獣である。
食事が終わるとあとは寝るだけ、最終日は120km走れば良いので早く出る必要はないがパクは大間々で250km走る上フェリーの時間制限があるので最終日も深夜0時過ぎに出ル事にした。
新潟を過ぎて初めて休憩
寒い夜だった。今日も怪獣パクははちまきで頑張る。あったかいカップ麺でようやく落ち着く
鳥海山
酒田が近づくといきなり海の上に鳥海山が見えて感動もの 海鳥海万歳!
記念写真
怪獣 vs 鳥海
酒田市内
鳥海山が間近に見える
道の駅鳥海
猫が日向ぼっこしていた。もう朝だよ〜 ここの道の駅は早朝から開いていて朝食が取れた
たまには記念写真
海をバックに燃える二人
秋田県入り
南極記念館 白瀬隊長のふるさと
鳥海山
さらば鳥海山 また来るよ
秋田市内にて
昼食はパクの大好物ドンキーのチーズハンバーグ 生きてて良かった
飯を終えて
一路7号線を北上する
午後3時過ぎようやく到着
この日も310km走って宿に着いた。二日で630km今日も頑張りました。
宿の部屋
チャリも部屋に これができると朝が楽 タオルも浴衣もあって大感動
夕食」
御馳走を前に今日はその筋ではなくお坊さんの顔 初めて食べる鮎にビックリドンキー!
三日目5/5(金)
さて深夜23時には今日も目が覚めた。さあ頑張るしかない。淡々と支度をして気合いを入れる。隣の部屋のパクはまだ寝ているようだ。深夜0時前には携帯で起こした。0時過ぎいざ宿を出た。今日も寒い、出だしはウィンドブレーカーに山用パンツ、防寒キャップ、シューズカバー、オーバーグローブで完璧だ。30分もペダルを回せばポカポカしてくる。
闇夜の大館市内を抜け峠を越えて大鰐市に入り青森県入りだ。深夜のヒルクライムは体を温めるのにもってこいだった。ガンガンペダルを回した。黒石市内に入ってもまだ真っ暗、弘前郊外を抜けて青森市に入る頃ようやく白んで来て左手に白い岩木山が見えて来た。青森のシンボルである。どこの土地でも山は郷土と一体になっている。
遠くに青森の市内が見えて来た。さあもうすぐだ。国道7号をそれて市内に入ると朝日が正面に見えて新青森駅までのビクトリーランとなった。駅の標識が見えた。左折すると新幹線の立派な駅が見えた。朝5時ついに目的地に到着した。走行距離は752kmだった。駅前でパクと写真を撮る。青森からフェリーもあるがパクはあくまでも可能な限りチャリを漕ぐと最北端の大間でさらに150km走るという。さすがにできる男は心掛けが違う。パクは男前だ!
僕と別れてパクは手を振って颯爽と走って行った。次はお盆休みに北海道へ会いに行くぜ!
駅前でゆっくりチャリをばらして6:17 分の大宮行きの新幹線に乗った。車内でホタテ弁当を食べビールで喉を潤した。大宮で新幹線乗り換えである。時間は15分しかない。大宮まであっという間、急いで降りて北陸新幹線乗り場に着くとすでに新幹線が止まっていた。よかった間に合った、車内に入って指定席を探す、あったしかし人が座っていた。GW だから満席である。すいませんここ僕の席なんですが、切符を見えた。座っていた男性は怪訝な顔をして切符を出した。この人もこの席の切符だった。あなたの切符は次の列車のものですよ。マジか?一本前のかがやき号に乗ってしまっていた。車掌に話すと会いている席に案内された。
良かった。結果的には1時間近く早く午前11時には金沢駅に着くことができた。あっという間のロングライド実質二日半の駆け足だったが時間に余裕がないのでこれしかなかった。パクとのコラボは辛くないといえば嘘になるが気合の入った熱い男と一緒に走れてとても楽しかった。いつかリタイヤして時間がたっぷり取れたら北海道一周ロングライドに連れて行ってもらおう。
また人生素敵な思い出づくりができました。今回も完全燃焼、うーんマンダム!
青森県境の峠
闇夜の県境あとは下るのみ
岩木山をバックに
青森といえば岩木山
岩木山
山頂からまた滑ってみたい
さあもうちょいだ
残り20km
朝日に向かって
残り1kmラストランだ!
ゴール
新青森駅着 750kmの長旅でした。 平均Ave は多分25kmくらい
パクさらばじゃ
パクは元気に手を振って大間まで150km走って行った。
輪行
チャリをバラして帰ります。
新幹線
帰りはグリーン車でゆったり帰る
ホタテ弁当」
三陸産ホタテ弁当
これで本州縦断完了、人生完全燃焼の積み重ね、生きてて良かった感がたまらなく好き!