朝日岳(2418m)蓮華温泉日帰り

朝日岳は北アルプスの北に位置しその奥深さから日帰り山行は難しい。新潟県の蓮華温泉経由で

往復35km,累積標高差2000mに耐えての12時間に及ぶ厳しくも感動の記録である。

MTBで林道を進む

蓮華温泉手前8kmのヒワ平ゲートから自転車にまたがり急坂を懸命に漕ぐ,蓮華手前3kmのヤッホー平

までMTBが使えここから蓮華温泉までは歩きとなった。

蓮華温泉

ようやく蓮華温泉に到着。ここから兵馬の平までは緩い下り,振り返ると新緑と残雪が眩しかった。

兵馬の平

残雪の間から水芭蕉が競うように咲き乱れていた。

瀬戸川の橋

兵馬の平から標高差200mをスキーで滑ると橋が見える。無事到着。対岸に渡れば山頂までシール歩行

で進むことができた。

白高地

白高地沢は下部が割れているため右岸をずっと歩く方が良い。正面にカエル岩が見える。

カエル岩

下から見るとカエルそっくりだったので僕たちはカエル岩と名付けた。

標高1600m付近    

この辺りから左手に赤男山が見えた(写真中央右)。山頂からスキー向きの実によいスロープが続いていた。

標高1700m

この辺りからしばらく平坦地が続く。テントを張るにはよい場所だ。正面に朝日岳がよく見える。

稜線目指し

標高1800mで進路を左に取り沢伝いに稜線鞍部を目指す。

稜線の登り

標高2000mの鞍部に出ると残り400m白馬を見ながら山頂までの快適なシール歩行である。

中央は旭岳,その左が白馬岳。

山頂手前

稜線右手には崩れた雪庇があるので少し離れて歩こう。

山頂にて

身長も体重もほぼ同じ二人。体脂肪率はかなり低いかも。僕は右,左は超人深澤君僕より10才若い。

山頂の展望

正面が白馬岳,その右が旭岳。もちろん劔方面もよく見える。

山頂からGo

山頂から快適に飛ばす深澤君。

急斜面をかっ飛ぶ

華麗なシュプールを刻み急斜面をかっ飛ぶ深澤君。またもや自己陶酔。

激しい滑り

雪を蹴散らしての激しい滑りもこの人の持ち味。滑りはプロ級。

どこまでも続く快適斜面

山頂から標高差600mの快適な急斜面が続く。

朝日山頂からの滑走コース

平坦地に出れば直滑降だろう。

かすかにシュプールが

かすかに僕たちの自己陶酔シュプールが見えるのだが。瀬戸川まで一気にスキーで飛ばそう。

              山行記録2003年5月18日(日)

北アルプスの北に位置する朝日岳はその奥深さから富山県側,新潟県側その双方とも
アプローチが長く日帰りが困難な山である。以前から日帰りスキー山行を狙っていた
が今日深澤君を同行しきついアップダウンに耐え12時間かけて念願を果たした。

【山域】朝日岳 2418m
【場所】富山県
【日時】本日 5月18日(日)
【コース】ヒワ平−ヤッホー平−蓮華温泉−白高地−朝日岳往復
【メンバー】僕と深沢君
【装備】アトミックβライド9.22 160cm,ディアミール,TR12(僕)
    カービング150cm,ディアミール,TR9(深沢君)
【天気】晴れ

このルートは往復約35km,累積標高差は2000mをゆうに越える。最もつらいのは行き
も帰りも頻回なるアップダウンに苦しめられることである。それゆえ入山者に出会う
ことはまず無く,静かでダイナミックなスキーが楽しめる。

5月17日(土)午前中またもや深澤君に明日朝日に行かないかと誘いをかける。二つ
返事で行くという。出発はヒワ平ゲート深夜3時という事で電話を切った。
仕事が終わり高速を糸魚川で下車。またもやすし活で腹ごしらえ。朝日はきついが危
険個所はほとんどなく,今日は最後の晩餐になるかもと言うプレッシャーはなかった。
食事を済ませ姫川から蓮華温泉への林道にはいる。情報通り蓮華8km手前のヒワ平ゲー
トで行き止まりだった。時刻は深夜近く数時間の仮眠は取れそうである。

5月18日(日)朝2時半起床。朝起きると深澤君の車が横付けされていた。彼も深夜遅
く山梨から到着しほとんど徹夜で山行準備をしているようだった。

3.02 1200m ヒワ平ゲート発。いつものようにここからMTBにまたがり蓮華を目指す。
蓮華まで8kmの道のりである。いきなりきつい上り坂,根性で自転車を漕ぐが,深澤
君は度々ギブアップ自転車を降り早歩きで自転車を押していた。よってスピードは同
じ。

3.51 1490m ヤッホー平。林道除雪終了。此処でMTBをデポし,スキーで歩き出す。
蓮華まで残り3km。蓮華まで小さなアップダウンが続くため帰りも思いやられる。

4.37 1460m 蓮華温泉着。客はいないようでひっそりしていた。今年は雪が多く蓮
華周辺でも雪はたっぷりある。おかげでここからずっとスキーが使えた。兵馬の平付
近はだだっ広く迷いやすい所だ。兵馬の平では水芭蕉が見頃であった。ここから瀬戸
川に向け標高差200mを一気に下る。

5.43 1180m 瀬戸川の橋。ようやくお目当ての橋が見えた。水流は強く橋がなけれ
ば対岸に渡れそうもない。ここから夏道を少し進むと雪が多くなりシール歩行で以後
山頂まで問題なく進めた。

6.46 1367m ヒョウタン池。この辺りも水芭蕉がきれいであった。人気のない別天
地である。白高地沢には下りず,右岸をドンドン進むことにした。正面には朝日岳が
見え山頂からの滑走ルートを頭に入れる。最も急な斜面を滑ることにする。
標高1800mで進路を左に取り稜線鞍部を目指す。

8.44 2000m 稜線鞍部着。ここから残り標高差400mを根性で進む。

9.53 2418m 朝日岳山頂着。ようやく到着。7時間の行程であった。二人ともかなり
疲れ果ててしまった。山頂からは360度の大展望が楽しめた。仲良く記念写真に収ま
りエネルギー補給をする。帰りもかなり登り返さなければならない。

10.10 2418m 朝日岳山頂発。二人交互に滑り降り,ばっちり滑走写真を取り合う。
ザラメの雪質は最上のゲレンデを提供してくれた。山頂から東面の急な斜面を自己陶
酔で一気に行く。振り返れば今日も納得のシュプールが刻まれていた。

後は瀬戸川まで一気に滑り降りるが,斜面は縦溝,スプーン凸凹でスキーシーズンの
終わりを暗示していた。雪を求めてドンドン下ったため瀬戸川の橋からかなり下流に
下りてしまいつらい登り返しをする羽目になった。

1156 1180m 瀬戸川の橋。ようやく橋を見つけて安堵感がただよう。ここからまた
つらい登り返しであった。標高差200mを登り返せば兵馬の平に出た。

12.30 1300m 兵馬の平着。ここからも蓮華温泉まで長くつらい登りに耐えるしかな
かった。

1.28 1460m 蓮華温泉。ようやく到着。もう二人ともかなり精根尽きてきていた。
ここから3kmまたアップダウンに苦しみ,ようやく自転車が見えた。

2.24 1490m ヤッホー平。此処で自転車にまたがりしばらくまた登り返し,あとは
一気に下るだけであった。

2.59 1200m ヒワ平ゲート着。ちょうど12時間かかってしまった。今日も燃え尽き
てしまった。

下山後姫川温泉で汗を流し深澤君と別れた。

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