厳冬期立山ワンディ+山頂滑降

バスを使えば簡単に山頂に立てる雄山だが厳冬のアプローチは往復50km,標高差2500mの激ラッセルが待ち受ける。

立山駅から片道14時間の試練であった。下りは3時間半しめて17時間半の完全燃焼だった。

厳冬期立山ワンディは長年温めていた企画である。6年前に一度元旦に名人と挑戦し靴ずれから弥陀が原
で敗退した事がある。それ以降チャンスが無かったが今回は名人と魔人二人を誘って挑戦した。
今回はもう何時間かけても真っ暗になってもピークに立って下りて来る覚悟だった。

【山域】 立山(雄山) 3003m
【場所】富山
【日時】20013年2月17日(日)
【コース】立山駅—美女平—弥陀が原—室堂—雄山往復
【メンバー】僕、ひげ魔人、大魔人、名人
【装備】 ヘルベント 169cm,TLT,ディナフイットマウンテン(僕)
    ヘルベント 179cm,TLT,ディナフイットマウンテン(ひげ魔人)
    ポンッーン 169cm,TLT,スカルパ(大魔人)
    ヘルベント 169cm,TLT,ガルモント(名人)
【天気】晴れ後曇り

0.00 464m 立山駅
1.18 976m 美女平
3.50 1286m 滝見台
5.43 1553m 弘法
8.25 1993m 弥陀が原ホテル
10.23 2360m 天狗平
11.30 2450m 室堂
12.40 2700m 一の越
14.06 3003m 雄山山頂
14.31 3003m 雄山山頂発
15.04 2450m 室堂
17.01 976m 美女平
17.30 464m 立山駅

皆仕事が忙しいメンバーばかり、土曜は全員仕事である。髭は一睡も出来ずその他のメンバーも1-2時間の仮眠
のみで現地に集合した。立山駅となり登山研の渡邊所長のお見送りを受けていざみんな行くぜよ。

0.00 464m 立山駅 一昨日早くも除雪隊が入ったとの事しかし前日の降雪でトレースの上には雪が積もり
            交代で板を担いでつぼ足ラッセルを回す。トンネルが出て来るとホッとするが天井には
            つららが垂れ下がりメット無しでは恐くて歩けない。標高差500mを歩いて最初の難関突破。 

1.18 976m 美女平 美女平に着くが出口が分からずオロオロ、何とか出口を見つけて脱出成功。連日のドカ雪で
            やはりすごい雪になっている。スーパーファットでもズブズブ膝まで潜る。立山まで激ラッセル
            に耐えてこそこの企画の意味がある。

3.50 1286m 滝見台 暗闇の中交代でラッセルを回すが先頭は長くは続かない,20分程度頑張って次々と交代、4人いれば
            かなり効率的である。星空が見え放射冷却が強まって来た。寒い、氷点下15度の極寒である。
            大きく息を吸うと鼻の中が凍り付く。一睡もしていない髭はラッセルしながらフラフラ居眠りをしていた。

5.43 1553m 弘法 この辺りでようやく薄明るくなって来たが全て雪に被われた白い台地、この景色が見たかった。
            アルペンルートの除雪が始まるともう興ざめして来る気にならない。アルペンルートは全て
            ショートカットして最短距離で進む。これなら帰りの斜度も快適だ。

8.25 1993m 弥陀が原ホテル この辺りは素敵な雰囲気である。ここから急登を乗り上げて天狗原に向かう。ここで初めて
            立山が見えた。劔もちょこっと顔を出す。さあまだまだ長いが、待ってなさい。

10.23 2360m 天狗平 ここまで来ると風が強いのでラッセルは靴程度に軽減した。髭は体調が悪く泣きが入って来たが
            行くしか無いだろう。もう二度とチャンスは無い。ここから室堂まで元気な名人と大魔人が交代で
            先頭ルート工作をしてくれた。帰りの事を考えて平坦か登りで山肌を巻いて行く。

11.30 2450m 室堂  ホテルは半分くらい雪に埋もれている。さすが厳冬期、生き物の気配は全くなかった。一の越まで
            通常は氷化して大変だがシュカブラは見事だがここ数日の降雪で氷化は無かった。助かった。

12.40 2700m 一の越 さて小屋の陰に隠れて最終アタック準備だ。風は強いが行くしか無い。板を担いでアイゼンで最後の
            300mを登る。登山道は雪が飛ばされカチカチに氷化していた。この企画の大きな目的は厳冬期ワンディ
            加えてピークの奥社てっぺんからスキー滑降する事である。そのために板は持ち上げる。

            最後の100mは風も強くて寒くて寒くてもう泣きが入ったが、ここまで来て敗退はあり得ない。さあ神社がすぐだ。 

14.06 3003m 雄山山頂 着きました。大魔人、名人、僕、髭魔人の順に無事到着、記念写真を撮ってさあ滑降だ。

14.31 3003m 雄山山頂発 奥社てっぺんから僕が最初にエントリー、皆が続く。滑降コースは神社裏から西面の斜面に飛び込んだ。
             氷化したシュカブラが嫌らしいが山スキーヤーなら問題ない。ガンガン滑り込んであっという間に室堂に着いた。

15.04 2450m 室堂   さあ後は一気に下るだけ、明るい内に立山駅に着かねば、時間との闘いである。中々足が重いが気力を振り絞り
             帰るしか無い。苦労した行きのラッセルも帰りはトレース上を快適な滑り。斜度も手頃でここは日本最大級の
             ロングゲレンデだろう。幸せ一杯、胸一杯、山スキーをやっていて良かった。さあガンガン下りあっという間に美女平

17.01 976m 美女平  ここでデポしたヘルメットを回収して帰りのコースは北面の急峻な沢を激パウ、初めての沢だが
             下部にいくつも堰堤が出て来てチヨットヤバかったが無事常願寺川左岸に滑り降りた。少し歩いて立山駅

17.30 464m 立山駅 完全燃焼でした。車は所長さんのご好意で登山研に止めさせて頂いており有り難うございました。
            トンでも企画に付き合ってくれた皆さんお疲れさまでした。皆さんのお力があってこそ成し得た企画です。
            素晴らしい山行でしたがもう二度と挑戦する事は無いでしょう。ほんまに疲れました。

最初の試練

立山駅を深夜0時スタート、最初の難関標高差500m、ケーブルに沿ってトンネルとラッセルを交互に

頑張る。急勾配で中々きつい坂が続く。トンネル内はつららに注意。

暗闇ラッセル

美女平から弘法までの樹林帯は膝ラッセルが延々と続いた。弘法付近でようやく薄明るくなって来たが、寒い!!

弥陀が原

弥陀が原は延々と白い台地が続く。

弥陀が原

トレースが続く,僕達の前に道は無い,僕達の後に道は出来る。

弥陀が原ホテル

ようやく標高2000mの弥陀が原ホテル。ここで大休止、くつろぐ大魔人、名人

弥陀が原を見下ろす

弥陀が原から天狗原まで急登のショートカット

天狗原へ

天狗原まで山腹を巻く

天狗原山荘

天狗原まで着くとようやく目指す雄山が見える

室堂ホテル

室堂ホテルは半分雪に埋っていた

さあ行くぞ

室堂から正面雄山を目指す、滑るコースは右端のルンゼだ

一の越へ

一の越は風の通り道,シュカブラが発達

最終アタック

一の越から上部は強風との闘い、残り300m行くしか無い

風が強い

雄山まで強風で雪は飛ばされて凍り付いた岩場を登る

雄山の途中

見下ろすと室堂が箱庭のようだ

全員集合

やはりみんなで記念写真撮らなきゃ

本当のてっぺん

夏はお金を出さなきゃ登れないので冬しか来ません

いざピークから

山頂から滑ってこそ山スキーヤーです

名人復活

名人完全復活なり

僕の写真も

一枚載せさせて下さい、山頂から

滑降コース全景

人がちっちゃく見えます、山は偉大なり

下り

弥陀が原に向けてかっ飛ばす

日が落ちる

後は時間との闘い、暗くなる前に帰れるか

美女平

ようやく美女平です,もう暗くなります,ここから常願寺川まで沢を滑り最後まで激パウでした

今日も完全燃焼、山スキー万歳!!


HOMEへ戻る