猫又山(大ブナクラ谷)2378m 富山県

猫又山へのルートは片貝からの猫又谷経由が一般的だが剣や大日岳の展望を楽しみながら目指す大ブナクラ谷

経由のルートは充実した内容深い山行が楽しめるだろう。帰りは猫又南面の急斜面を一気にブナクラ谷へ飛び込むことで

周回ルートが楽しめる。登山口は馬場島である。さあすばらしいコースへご案内します。

大ブナクラ谷出合

馬場島を小窓方面の林道を遡ること約1時間。標高1020m が 大ブナクラ谷出合である。。右へ行けばブナクラ谷だ。

雪の多い年だと猛烈なデブリを目にすることだろう。今年はデブリも少なく,まずまず快適な谷だった。

大ブナクラ谷下部

谷の傾斜は徐々にきつくなる。デブリや落石で汚れている場所も多い。周囲に気を遣いながら慎重に高度を上げていく。

正面に早月尾根下部が見える。徐々に展望は開けてすばらしいものになっていく。

大ブナクラ谷中間部

谷の上部は徐々に傾斜が増すが頑張ってスキーで登り詰める。遙か上部に主稜線が見えるが1600mあたりで

左に回り込んで支尾根を目指す。

早月尾根と赤谷尾根

なんと行ってもこのコースの魅力は剣をはじめとする大展望である。早月尾根のスカイラインがすばらしい。

その手前が赤谷尾根である。稜線に着けばさらに展望はすばらしくなる。

大ブナクラ谷上部

谷の上部はすばらしい雪原斜面である。真っ新な斜面が続いている。遙か奥に主稜線が見える。写真左支尾根に

取り付いてから主稜線を目指すのが楽である。

稜線から見る剣岳

剣の展望は見事である。剣がこんなに近くに望めるなんて池ノ谷,小窓,早月尾根などおもしろいほどよく眺められる。

剣を眺める最高の展望台に違いないだろう。

主稜線にて

主稜線からは細かいアップダウンがあるが快適な歩行が続く。正面奥に猫又が見えるがまだまだ遙かに先である。

主稜線は南側をトラバースするように進むと楽である。

大日連山

展望は大日連山もすばらしい。この稜線でぼけっと一日展望を楽しんでいたいものである。

人間世界とはかけ離れた楽園だろう。

赤谷山 

稜線からは赤谷山が下に見える。赤谷山も剣の展望台として有名である。下に見える谷がブナクラ谷である。

下りはダイレクトに此処に飛び込んでみよう。

2150m 猫又谷右又突き上げコル

主稜線を大きく下ったところで猫又谷右又突き上げコルに到着した。此処を少し登れば猫又山が間近に見えるようになる。

ブッシュが所々出ている主稜線は避けブナクラ谷からの稜線に沿うように大きく回り込んで猫又山を目指す。


猫又山山頂にて

標高2378mの猫又山についに登頂。下からここまでほとんどスキーで登り切った。

360度遮るもののない大展望である。十分展望を楽しんだ後猫又南面を下ることにする。

山頂から見た猫又谷

猫又谷も雪は十分付いていた。例年6月中旬までスキーを楽しめる。

猫又山南面

山頂からまっすぐ南斜面をブナクラ谷1400mあたりに下ってみよう。山頂からしばらくは緩斜面だが。標高2100m

あたりからはかなりの急傾斜となる。ブナクラ谷は見えるが雪がつながっているかどうかは定かではない。

雪が切れていたらおしまいである。上から見ても傾斜が急なためよく見えない。まあ思い切って滑ってみよう。

雪があればどうにでもなろう。

猫又南面戸倉谷

標高2150mあたりで小倉谷左又にはいった。写真は標高1550mあたりの二股である。

デブリや岩で荒れた急斜面を何とか無難にこなす。途中ルンゼ状の危うい場所も何とかこなす。

転倒すれば止まることはなくブナクラ谷まで真っ逆さまである。斜面下部まで一気に滑り降りやっと一息ついた。


ブナクラ谷出合にて

ブナクラ谷合流部で小さな滝が出ていたが何とか下にスキーを放り投げて慎重に坪足で下降。ブナクラ谷無事到着。

やっと安全地帯である。

ブナクラ谷

ブナクラ谷は緩斜面の快適な谷である。さあ馬場島までのんびり下ろう。

山行記録2001年4月29日(日)

時刻-標高-場所

4.29 765m 馬場島発
4.45 890m 白萩川にかかる橋
5.07 1020m 大ブナクラ谷
7.25 1850m 稜線着
8.00 2120m 主稜線
9.09 2150m 猫又谷右又突き上げコル
9.40 2378m 猫又山
10.00 2378m 猫又山発
10.33 1400m ブナクラ谷
11.01 1020m 大ブナクラ谷出合
11.15 890m 白萩川にかかる橋
11.29 765m 馬場島着

僕にとってのGW初日,馬場島まで車が入れるとのことで毛勝三山の一つ猫又山に行っ
て来ました。

【山域】猫又山(2378m)
【場所】富山県
【日時】本日 4月29日(日)前夜発日帰り
【コース】馬場島−大ブナクラ谷−猫又山南西尾根−猫又山−猫又山南面−ブナクラ
谷−馬場島
【メンバー】単独
【装備】アトミックβカーブ160cm,ディアミール,TR12,アイゼン,ピッケル
【天気】晴れのち曇り

先日の川畑さんのメールでは片貝から猫又谷に入る林道が崩れて通行止めとのこと。
ならば馬場島から詰めてみようと4月28日(土)仕事が終わった夜いつものように車
に飛び乗った。いつものように富山インターで下りてとろ一へ。朝から忙しくお腹が
ぺこぺこ死にそうだった。タケノコ,里芋,イカの煮物,ウナギの肝串,天然岩ガキ,
鱈汁,魚のすり身揚げ,鶏の唐揚げ最後に漬け物とご飯,これが最後の晩餐になるか
も知れないとはち切れんばかりに食べてしまった。ちなみに飲み物込みで4500円だっ
た。さあいざ馬場島へ。暗い夜道をひた走り馬場島に到着。積雪20cm程度か。駐車場
には車が5〜6台。県外車が多い。テントもちらほら。やはり此処は山屋の楽園である。
満天の星に安心しすぐに就寝する。Good Night

4月29日(日)あさ4時起床。猫又谷よりは距離は長いがこのコースは変化に富んでお
りおもしろそうである。行きなれたブナクラ谷はやめ初めて大ブナクラ谷から取り付
いてみることにする。いわゆる情報断食か。

4.29 765m 馬場島発。ライトをつけいざ出発。小窓方面の林道に入るとすぐに雪が
あったのでシールで歩き出す。たまに雪は切れるがまずまず快適な歩行。ただし積雪
は10数cm一雨降ればすぐになくなってしまうだろう。林道脇には遭難者の墓が乱立,
いつものように気持ちが良いものではない。

4.45 890m 白萩川にかかる橋。橋を渡ると予想外に雪が少なかった。昨年はここ
から川はほとんど出ていなかったが,いきなり危うい橋で右岸にわたる。取水口は梯
子で乗り越す。しばらく行くと大ブナクラ谷が見えてきた。

5.07 1020m 大ブナクラ谷。右へ行けばブナクラ谷だ。いよいよ未知の大ブナクラ
谷にはいる。デブリもそこそこあるがまずまず快適な谷だった。登るにつれ早月尾根
や赤谷尾根がよく見える。この谷は剣の展望台だった。すばらしい・・・剣がこんな
に近くに望めるなんて池谷,小窓,早月などおもしろいほどよく眺められる。上部に
上がると大日,奥大日,さらに後立山の展望がすばらしかった。谷の上部は徐々に傾
斜が増すが頑張ってスキーで上り詰める。1600mあたりで左に見える支尾根を目指す。

7.25 1850m 稜線着。地図上1857mあたりは良いテン場になろう。此処でテントを張っ
て剣をぼけっと眺めていたいものである。此のあたりから東芦見谷を下ることもでき
そうである。さあここから剣の展望を楽しみながら主稜線を目指さす。稜線の南側を
適度にトラバースしながら高度を徐々に上げていく。猫又山はまだまだ遙か先である。

8.00 2120m 主稜線。何とか主稜線に着く。細かいアップダウンがあるが快適に足
を進める。赤谷尾根がおもしろいほどよく観察できる。反対側猫又谷はやはり誰も来
る人がいないようだ。今年も雪はばっちりだ。途中稜線を大きく下ったところで猫又
谷右又突き上げコルに到着した。

9.09 2150m 猫又谷右又突き上げコル。さすがに今シーズンまだ誰も猫又谷を登り
切っていないようである。ここからブッシュが所々出ている主稜線は避けブナクラ谷
からの稜線に沿うように大きく回り込んで猫又山を目指す。やはりトレースは丸でな
く,GW最初の登頂者になりそうだ。

9.40 2378m 猫又山。ついに登頂。下からここまでほとんどスキーで登り切った。
360度遮るもののない大展望である。他の毛勝2山も人の気配はなくひっそり静まって
いる。やはり剣の展望はすばらしい。下を見るとブナクラ谷経由の坪足登山者が2名。
昨日入山し朝テントを出たようだ。さあ帰りはどこを滑ろうか。これはいわゆるオン
サイトスキーイングということかな。山頂からまっすぐ南斜面をブナクラ谷1400mあ
たりに下ってみよう。

10.00 2378m 猫又山発。山頂からしばらくは緩斜面だが。標高2100mあたりからは
かなりの急傾斜となる。ブナクラ谷は見えるが雪がつながっているかどうかは定かで
はない。雪が切れていたらおしまいである。上から見ても傾斜が急なためよく見えな
い。まあ思い切って滑ってみよう。雪さえあればどうにでもなる。デブリや岩で荒れ
た急斜面を何とか無難にこなす。途中ルンゼ状の危うい場所も何とかこなす。転倒す
れば止まることはなくブナクラ谷まで真っ逆さまである。斜面下部まで一気に滑り降
りやっと一息ついた。ブナクラ谷合流部で小さな滝が出ていたが何とか下にスキーを
放り投げて慎重に坪足で下降。ブナクラ谷無事到着。

10.33 1400m ブナクラ谷。折から谷を登ってきた登山者が珍しそうに僕の写真を撮っ
ていた。さああとは馬場島に帰るだけだ。ブナクラ谷は雪が少なかった。標高1200m
あたりで川が露出。標高1110mあたりのゴルジェは完全に雪はなかった何とか左岸を
藪こぎして通過する。

11.01 1020m 大ブナクラ谷出合。此処までスキーを脱いだりはいたり,雪は少ない
ので快適な下りではなかった。昨年よりは遙かに少なく,例年よりも少ないだろう。

11.15 890m 白萩川にかかる橋。ここからのんびりと林道をスキーで漕いだ。

11.29 765m 馬場島着。今回も無事山行終了。情報断食も,オンサイトスキーイン
グもやはり胃には良くない。やっぱり僕は安全第一を目指そう。

土佐の大森さんへ・・コット谷はコルまで雪がびっしりついています。ただし雪解け
は早く下部での徒渉は避けられないものと思われます。赤谷山頂からのルンゼは雪が
とぎれています。滑走は不可です。赤谷尾根2039mあたりからブナクラ谷へ下りる広
いルンゼは滑走可能です。

有持さんへ・・奥大日山頂からカスミ谷に下りる事は十分可能です。雪は十分付いて
います。斜面もお手頃です。剣山頂から池谷右俣に下るには早月尾根の獅子頭付近か
ら飛び込む方が良さそうです。雪は十分つながっています。長治郎のコルからは雪が
消えていて不可です。 ・・・僕はこんな怖い事しませんが あしからず  

明日は雨なのでスキーは諦めかみさんサービスをしなくっちゃ。いわゆるあめとむち
ですね。

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