鉢伏山(1781m) 富山県
立山町の和田集落からスタートする鉢伏山は往復約20km,累積標高差約1800mのかなり辛い行程となる。
稜線上は多くのアップダウンがあり帰りも何度かシール歩行を要する。今回はラッセルの連続であった。
地図 赤が今回のコース
林道
橋の横に車を止めていざスタート,いきなり積雪50cm。
降雪直後
週末の寒波で尾根上は猛ラッセルであった。でも絶対敗退しない。
鳥ガ尾山手前平坦地
鳥ガ尾山手前で平坦地になる。ここも辛いラッセルだった。
遥か鉢伏山
鳥ガ尾山から遥か終点の鉢伏山が見える。ここが中間点,行くしかない。
鳥ガ尾山
鳥ガ尾山から下って登って振り返るとこんな感じで見える。
1300mピーク
1300mピークは見せ場である。
1300mの先
稜線の左手には雪庇の連続,この辺りの景観は素晴らしい。
1500m平坦地
右が鍬崎山,左が大日岳。この辺りは地形が複雑。
鉢伏山へ
1500m付近から見た鉢伏山,まだまだきついラッセルが続く。
1600m
残り200mシールの下駄ができ始め,地獄の行進である。
1700m
これを乗り越したまだ先に鉢伏山がある。
山頂にて
薬師岳が見えれば山頂である。
山行記録2005年3月27日(日)
週末の真冬並みの寒波はこの山でも多量の雪をもたらしていた。誰も登山者はいるは
ずもなくラッセルに始まりラッセルに終わる試練の山行でした。
【山域】鉢伏山 1781m
【場所】富山県
【日時】3月27日(日)
【コース】和田集落―鉢伏北西尾根―鳥ガ尾山―鉢伏山往復
【メンバー】単独
【装備】ポケロケ165cm,ディアミール3,TR12
3月26日(土)今日は深沢君と休みが合わないため以前から狙っていた遙かなる鉢伏山
に挑戦することにした。この山標高こそ2000mに満たないが稜線上はアップダウンの
連続で累積標高差は1800近くに及ぶかなりハードな山である。前夜仕事が終わると久
しぶりにとろ一に行く。この日も昼飯抜きであり12時間ぶりにとろ一でおいしい食事
にありつけた。帰りに差し入れまで頂き感謝感激で店を出た。登山口がよく分からず
もたついた。橋のそばに車を止めて寝た。
3月27日(日)朝4時起床。今日はどれだけラッセルがつらかろうが、何時になろうが
絶対敗退しないと心に決めて気合いを入れてスタート。
5.00 320m 和田集落発。車を出るとすぐに林道、いきなり積雪60cmはありそうだ。
暗闇の中林道をトボトボ行くが尾根取り付きに少し迷った。小さな橋を渡ってすぐの
尾根が正解だった。
5.30 350m 鉢伏北西尾根取り付き。もちろんトレースはあるはずもなく靴ラッセル
が延々続く。深沢君と二人なら楽なのだが今日は自分の足だけが頼りである。この尾
根斜度が急になるとラッセルも靴上になる。この時間ならパウダーだろうが標高が低
いから帰りはベタ雪だろう。
ぐったり疲れてきた頃ようやく鳥が尾山が見えてきた。距離も標高差も大体半分であ
る。すでに3時間かかっている。
8.38 1145m 鳥ガ尾山山頂。ここから遙か先に鉢伏山が小さく見えている。正直気
が滅入った。ここから最初の大下り。この辺りから積雪も増えたようでラッセルは更
にきつくなる。根性根性と黙々と行く。尾根上は小さなアップダウンの連続で帰りも
思いやられる。
9.51 1300m ピーク。左手にはすごい雪庇、なかなかの景観だ。大日と雰囲気は似
ている。1500m付近は少し複雑でここもアップダウンが続く。この頃から気温が上が
りだし恐怖の下駄が出来はじめた。ポケロケに下駄が出来るから重さも半端でなく地
獄のような前進が続く。ワックスを塗っても意味のないことは知っていたから強引に
下駄を引きずりながらラッセルを続ける。
もう訳が分からない、絶対敗退しない、負けてなるものかと言い聞かせつつ鉢伏を黙々
と目指す。山頂手前でも小さなアップダウン、ようやく眼前に山頂が見えた。
12.24 1781m 鉢伏山山頂着。出発から約7時間半、自分との闘いであった。山頂か
らは先日敗退した薬師岳が輝いていた。さあ帰ろう。
12.40 1781m 鉢伏山山頂発。しばらくは雪質も良くポケロケで快適なパウダーが楽
しめた。しかし下るにつれベタ雪となりいきなりブレーキがかかることもあった。
鳥が尾山まで計三回のシールでの登り返し、帰りも楽ではない。
2.27 1145m 鳥ガ尾山山頂。ここからも樹林をかいくぐりながら根性の悪雪滑り。
もうくたくたである。
3.28 350m 林道。ようやくここまで来た。
3.42 320m 和田集落着。約11時間弱、今日は根性しかなかった。自宅に戻って風
呂にはいると今期初めて体重は55kまで落ちていた。
この山挑戦するなら雪の堅い残雪期が良いでしょう。山頂までの景観は一級品です。