薬師岳(2926m)東面カール(亀谷温泉日帰り)
亀谷温泉から閉鎖中の有峰林道をMTBとスキーを使って薬師東面カールを目指した。
総距離64km・累積標高差3000m・行動時間16時間の限界に迫る山行であった。
有峰林道開通は6月だが雪が無くなってしまう。
三角点1870から見る薬師
折立まで距離20km・標高差1000mここから登山道に入り三角点に立つと薬師が見える。
スキー歩行は標高2200mから登山道東面をトラバースした。
薬師平
太郎平はカットして2200m登山道からトラバースして薬師峠に出た。薬師平からは北の俣が
よく見える。こちらも雪は十分。
薬師東面カール
山頂手前からカールを見下ろす。素晴らしい斜面にそそられる。カール底まで標高差200m。
遙か向こうに槍穂高連峰が見える。
山頂にて
亀谷温泉から32km・11時間に及ぶ自己との戦いであった。
山頂からカールへ
山頂からダイレクトにカールへ飛び込む。
カール縁からドロップ
カール縁は雪庇になっておりかなり急でスリリング。
快適カール
真っ新なザラメ斜面にシュプールを描く。
どこまでも快適
このカールどこまでも快適なり
2度目の滑降
深澤名人はもう一度登り返して雪庇の上から飛んで見せた。果てしない体力。
カール底へ
カール底へバイバイ。
登り返し
カール底から縁まで標高差200m。お手軽コース。名人は2回滑降したので+400mのアルバイト。
山頂付近をカール直下から見る
雪庇は出てますが転けてもカール底で止まりますから大胆に飛んでみましょう。
フィナーレ
登り返したら避難小屋からフィナーレです。薬師峠までは快適です。
避難小屋直下
薬師東面には雪はばっちりです。
薬師岳山荘
山荘付近を快適に飛ばす。
ルート全景
こんな感じで雪はつながっています。
ゴール
帰りは早かった。まだまだ余裕の二人です。
山行記録2004年5月26日(水)
シーズン終盤戦,今シーズンまだやり残している課題を消化するため今日も出かけて
きました。総距離64km・累積標高差3000m・山行時間16時間 記録ずくめで今日もあ
の人と燃え尽きました。
【山域】薬師岳(東面カール)2926m
【場所】富山県
【日時】本日 5月26日(水)
【コース】有峰林道入り口ゲート〜折立〜三角点〜薬師峠〜山頂〜東面カール〜登り
返して避難小屋〜薬師峠〜折立〜ゲート
【メンバー】僕・深澤
【装備】サロモン・Verse7 150cm,ディアミール3,ガルモントGライドg-fit(僕)
K2・summit 153cm,ディアミール2,ローバストラクチュラ(深沢)
【天気】快晴
この時期有峰林道は開通しておらず,薬師へ行くならMTBしか手はない。この林道距
離20km,標高差1000m,重荷とスキーを担いでの漕ぎはかなりきつかったです。昨年
は飛越トンネルから薬師を日帰り往復しましたが,今回は亀谷温泉から東面カールの
おまけ付きでした。
5月25日(火)今シーズンの大きな課題だったこのコース,一日中晴れ渡る日を待っ
ていた。ついに時は来た。こんな山行につき合ってくれる人はやはりあの人しかいな
いだろう。夜7時過ぎ金沢発。富山で降りてまずはとろ一へ。マスター曰く,先日先
生のHPを見たとラジオ局と税務署がやってきたという。税務署はかなり流行っている
んだろうと目を付けてきたという。マスターは本当に正直者です。税務署の方変な勘
ぐりは止めてください。お願いします。さて腹一杯になり深澤君への差し入れも頂い
て店を出た。
深澤君は既に山梨から林道ゲート手前駐車場に到着していた。急いで打ち合わせと宴
会。今日はわずかな仮眠しか出来そうもない。
5月26日(水)深夜1時過ぎ起床。眠いがこの時間に起きなければ山頂まで厳しい。急
いでパンを食べ今日はアミノ酸粉末も口にした。
1.55 390m 有峰林道ゲート手前駐車場発。さあ深澤君,気力と体力の限界に挑む山
行のスタートだ。行くぞ。いつも以上に飲食物は多めに持ったためスキーを担ぐザッ
クはずっしり肩に食い込む。重い。頑張って暗闇の林道を漕いでいく。行けども行け
ども道のりは長く。折立までの長い闘いは続く。気合いしかなかった。
4.10 1100m 有峰ダム。ようやく明るくなってきた。湖面が緑色に輝いていた。深
澤君は先行し折立に向かった。僕は折立へ行く道に間違えてしまい時間をロスしてし
まう。しばらく来ないうちに新しい道が出来ていた。有峰湖から折立への林道は一層
急勾配になりもうヘトヘトになった。
5.05 1350m 折立。ようやく到着。休憩無しの3時間ぶっ続けの拷問のようなMTB漕
ぎであった。でも帰りはもう心配なかった。
いよいよ登山道に入る。スキーを担ぎスキー靴で黙々と歩く。いつになったら雪が出
てくるのであろう。標高1700mでようやくスキーが使えた。一安心。
7.20 1870m 三角点。安心したのも束の間ここから見える登山道はほとんど雪がな
かった。涙涙であった。ここからも岩だらけの狭い道を耐えて歩いていく。
登山道の東面にはしっかり雪は付いているため標高2200mから太郎平を通らず,トラ
バースしながら薬師峠に進むことにした。小さなアップダウンはあるものの無事ドン
ピシャで薬師峠に到着。近道成功。
9.54 2294m 薬師峠。さあここから標高差600m頑張るのみ。昨年の同時期と比較し
て雪は少ないが山頂まで東面伝いに雪はすべてつながっていた。
11.30 2702m 薬師岳山荘。ドンドン山頂が迫ってくる。まだまだ余力は十分である。
最後の一登りで山頂の見える避難小屋に着いた。
12.05 2900m 避難小屋。やった。もう山頂は目前だ。ここからも東面伝いに雪を拾っ
て問題なく山頂に行ける。
12.30 2926m 薬師岳山頂。万歳。ついに到着。約11時間の自分との闘いであった。
記念写真を撮りまくる。展望は最高,剣から槍まで見渡せる。
1.10 2926m 薬師岳山頂発。さあいよいよ念願の東面カール滑降である。山頂から
少しもどってカールの縁から急斜面をダイレクトに飛び込んだ。もう最高であった。
登り返しがあることも忘れてドンドンカールを落ちていった。
1.25 2720m 薬師東面カール。もう大満足であった。ここで深澤君がもう一回最も
急な斜面からドロップしたいと言い出した。もう勝手にしなさい。彼はまたツボ足で
登り返して入った。そしてもう一度ドロップまたドンドン下っていった。彼の登り返
しを待って二人でシコシコ避難小屋まで登り返した。まだ体力は大丈夫。
2.05 2900m 避難小屋発。さあ後は下るだけ。自己陶酔に浸りながらドンドンザラ
メの快適斜面を下って行った。止められませんね。
2.33 2294m 薬師峠。ここからも太郎には上がらず,トラバースしながらスキー
で2200m登山道に合流。
3.04 2200m 登山道。ここからも東面の雪を拾いながらドンドンスキーで降りていっ
た。雪が無くなったところでスキーを担いで三角点へ登り返し。
4.06 1870m 三角点。ここからは雪を拾いながら足スキーで行けるところまで。後
はガンガン降りていく。
4.51 1350m 折立。もう着いたも同然。あとはMTBショーですね。
スピード狂の僕たちはコーナーを大胆に攻めながらノンストップで下って行った。
6.00 390m 有峰林道ゲート手前駐車場。無事到着。締めて16時間。今日も完全燃焼
であった。今シーズン最長行動時間であった。ゲート前で記念写真を撮り深澤君と別
れた。彼はまだ山梨へ戻る道中だろう。本当にお疲れ様でした。