クワウンナイ日帰り(天人峡起点)

クワウンナイと言えば北海道を代表する名渓でありその一番の魅力は約1.5km続く滑滝(滝の瀬十三丁)

であろう。ただ増水時の水の勢いは強く遭難事故の報告も多い場所である。好天を狙って一気に日帰りすれば

安全だろうと天人峡を起点に周回コースを茶髪とたどってみた。

アクシデントの多い山行だったが無事日帰りで下山できた。

山行記録2008年8月14日(木)

3.00 580m 天人峡温泉駐車場発
3.47 630m ポンクワンナイ出合い
7.21 1090m 魚止めの滝
8.34 1150m 滝の瀬十三丁
11.28 1850m 縦走路
12.54 1954m 化雲岳
4.41 580m 天人峡温泉

コース概略,滝には全て巻道があり登攀用具は不要だった。天場も随所にある。

最高の天場は1750m付近の源頭付近,安全で水もある。できれば初日に頑張ってここまで来たい

稜線に抜ければ天人峡まで約17kmの長い下山が待っている。

下部の河原歩き

クワウンナイ川右岸林道から入りポンクワウンナイ出合で川に入る。ここから延々と徒渉を繰返して

進んで行く。朝3時に天人峡駐車場を出た。

いきなり暗闇で道を間違えポンクワウンナイをどんどん進んでしまった。

かなり進んでおかしいと気付き戻った。大幅時間ロス。

おまけに茶髪君はエネルギーゼリーを満載した袋を暗闇で置き忘れる。

水筒も忘れ帰りの長丁場どうするの。山行中ぼろかすに言われてもめげないのが茶髪の強いところ。

魚止めの滝

魚止めの滝手前で大岩上を歩いていて滑って横倒しになった。側頭部を大岩に強打,脳震とうを起こす。

メットは凹み右腕を負傷した。メットが無かったらただでは済まなかった。茶髪を虐めた罰があたったのかも。

右腕はジンジン痺れていたが気は張っていてまだ痛みは感じなかった。とにかく夕方から雨が降る予報にビビり

急いで先を目指すしか無かった。

魚止めの滝を行く

この滝もしっかり巻があった。全ての滝に巻がありロープはいらない。

ただ増水すればロープが無ければ徒渉すら難しそうである。雨が降る時は入らない方が良さそう。

滝の瀬十三丁

魚止めともう一つの滝をこえればいよいよクワウンナイ名物滑滝が延々と続く。この滑滝に会いに来たようなもの。

苔のはえた快適な高速道をルンルン進んで行く。

素晴らし滑滝

どこまでも高速道路は続いて行く。途中釜も隠れておりはまって慌てる茶髪。

時間があれば釜遊びを楽しみたい場所である。

ルンルン気分で

ルンルン気分で飴をしゃぶって進む茶髪。食料を無くして僕のゼリーを横取りしてしまう茶髪。

この先食料は早々に底を着いた。勘弁してよ−。

師匠

山では親子では無い,師匠と弟子の関係である。師匠は厳しいよ−。

気合いで頑張っていたがこの頃から少しずつ右腕が痛くなって来た。

奥の二股

滑滝の間に二股がある。左が正解だよ。この上も滑滝が続くよ。

僕のゼリーを食べて余裕の表情。師匠は食わねど高楊枝。

さらに滑滝が続く

上部に釜を貯えた滑滝が続く続く。まだまだ楽しい滝は続くよ。

すだれ状の滝

滑滝が終わってすだれ状の滝が現われるともう源頭は近いよ。あまりにも楽しいクワウンナイに笑みが止らない茶髪。

札幌から頑張って車を運転した甲斐があったよ。ただこの先の苦難をまだ知る由も無かった。

滝も細まり源頭も近い

滝も水も小さくなり上部には稜線が見えて来た。もうここまで来れば安全だろう。

もう雨が降っても恐く無いよ。天人峡を出て約7時間で安全地帯に到着。

お花畑

水が無くなると高山植物の咲き乱れる楽園に到着。来て良かった。

稜線が見えて来た

さあ終点が見えて来たよ。しかしながらガスもたまに出て来るようになり知らぬ間に稜線を過ぎて

現在地点が分からなくなった。稜線はどこだ。登山道はどこだ。必至に彷徨うことになった。

佩松を漕ぐ羽目になりさらに体力と時間をロスする事になった。

ようやく登山道に合流

佩松コギの末ようやく登山道に合流した。茶髪が預けた2lの水筒を忘れてしまい僕の1lの水筒で帰りの

長丁場をやり過ごす羽目になった。

正面が化雲岳,あの長い稜線を少ない水で17kmも下って行かなければならない。

ヒサゴ沼

登山道の右手には大きなヒサゴ沼が見える。

この沼には避難小屋があるのでここを利用して翌日下山しても構わない。

トムラウシ

振り返れば再奥にトムラウシが見える。一泊してトムラウシを目指すのもいけてる。

僕たちは何度も山頂を踏んでいるので未練は無かった。

化雲岳にて

燃料はとっくに切れ水は少なく,緊張の糸も切れ右腕も痛くて曲がらなくなった。

もうあかん,この後右腕はスリングで固定して痛みをこらえながらの長い長い下山となった。

羽衣の滝

第二公園,第一公園を過ぎようやく羽衣の滝にたどり着いた。

長かった山行がもうすぐ終わる。ここからしばらくで九十九折りの急坂だ。ここを下れば天人峡温泉だ。

約14時間の長丁場だった。アクシデントが重ならなかったらもう2ー3時間は早く下りられたかも知れない。

下山後痛みで曲がらない右腕のレントゲンを撮るため急いで旭川市内の病院に直行した。

骨折やヒビが心配だった。119番に診てくれる整形外科病院を尋ねたが,どこもダメだった。

ここ旭川でも医療崩壊が進んでいた。整形ではないが唯一外科の病院を紹介してもらった。

右腕のレントゲンを頼んで撮ってもらった。折れて無い,この一言でとってもあっけないDrに驚いた。

自分でレントゲンを確認して取り敢えず安堵した。ただ痛みと腫れで右腕が曲がらないので

翌日から登山を続ける事はできず温泉巡りで湯治に徹するしか無かった。

朝から晩まで温泉巡りで右腕のマッサージを行い少しずつ痛みと腫れは引いて来た。

然別峡温泉,管野温泉,十勝岳温泉,丸駒温泉,旭岳温泉どれも良かったです。

ようやく最終日には登山ができる状態になったので風不死,樽前を縦走して帰宅した。

まあ今回も思い出深い北海道になりました。クワウンナイは最高でした。是非。。。

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