槍ヶ岳 北鎌尾根 ワンディ山行 2010.9.19
18年前に中房温泉から貧乏沢を経由して北鎌を初めて目指した。この時は30kの荷を担ぎ北鎌から槍、双六、鷲羽、水晶を経て折立まで縦走した。
重荷での北鎌初挑戦は何度も道に迷いヘトヘトになった記憶がある。あれから18年今回は長男を誘って北鎌ワンディに挑戦した。
荷が軽ければ決して無理では無いと以前からあたためていた企画である。過去に実行した人もいるだろうが、自分らしい完全燃焼できる
山行を達成することができた。かかった時間は15時間半であった。
0.08 1250m 国道156路肩発
0.41 1470m 上高地
1.28 1610m 横尾
2.33 1830m 槍沢ロッジ
3.17 2044m 分岐
4.01 2480m 水俣乗越
5.39 1850m 北鎌沢出合
7.07 2470m 北鎌沢コル
8.50 2899m 独標
10.58 3190m 槍ヶ岳
12.55 2044m 分岐
14.22 1610m 横尾
15.30 1250m 国道156路肩着
釜トンネル付近の路肩は駐禁なのでかなり離れた場所に駐車スペースを確保した。
運転の疲れを癒すため30分ほど横になって一睡もしないで深夜0時過ぎ国道158号を出発した。真っ暗な上高地には誰もいない、梓川の右岸作業道を横尾までハイペースで進んだ。国道を出てわずかに1時間20分で横尾まで着いた。
横尾からまたハイペースで歩き出す。槍沢ロッジでは深夜に関わらず登山者が外に出てうろうろしていた。ババ平のキャンプ場には所狭しと多くのテントが乱立していた。少し進むと水俣乗越の分岐があった。標高差400mをガシガシ登った。ババ平で前泊して深夜スタートで北鎌を周回すると言う登山者が何名かいて水俣乗越の登りで追い抜いた。
朝4時水俣乗越に着いたがまだ真っ暗だった。ここにもババ平を出て北鎌周回をすると言う若者が休憩を取っていた。さあここから天上沢を下るのだが踏跡はしっかりしているが傾斜が急で滑りやすくおまけに真っ暗なので随分慎重に進んで時間はかかった。
天上沢も下るにつれ緩斜面になってきたが浮き石も多く飛ばす事無くゆっくり歩く。北鎌沢出合辺りでようやく明るくなって来た。前夜この辺りで前泊していたパーティが何組か北鎌に向かう支度をしていた。北鎌沢に入ると既に先行パーティが多く見受けられる。皆大きなザックを背負っている。小さなザックの僕たちを見てどこから来たのと不思議がっていた。荷も軽く先行パーティをごぼう抜きして行く。
水は稜線直下辺りでも出ており慌てて水を満たす必要は無かった。一汗で北鎌のコルに立ちようやく北鎌のスタートラインである。天気は上々、予定では午前中には槍山頂に抜けるつもりである。三連休と言う事で多くのパーティが北鎌に入っていた。ババ平を深夜に出た単独行二名はかなり早い、荷が軽いと言うことで僕たちと抜きつ抜かれつと言う感じで進んで行く。
大きなザックを背負ったパーティ群はやはりドンドン抜いて行く。抜いても抜いても先にパーティがいる。視界は良好で涼しい秋の風に吹かれながら槍を目指す。北鎌のルートは色々あり先行者はそれぞれ自分が最良と思うコースを取っている。僕たちも先行者に惑わされず常に自分の正しいと思うコースで進む。
独標まで来るとようやく目指す槍が見えた。素晴らしい景色である。この辺りから見る槍が一番絵になる。18年前にここでテントを張って朝焼けの槍の写真を撮ったのが懐かしい。18年前にどこをどうたどったかは記憶が無いが勘をきかせてドンドン進む。槍もドンドン近づいてくる。コース取りは完璧だったようで先行していたババ平発の若者二名もいつの間にか追い抜いていた。
慎重にザイルを出しているパーティもチラホラある。北鎌では転落事故も多く当然である。18年前は30kの荷を背負っていたため随分苦労した記憶があるが今日は荷が軽いので危うい岩場も軽々フリーで超えて行ける。手足の長い長男は岩登りも得意なので全く安心して見てられる。
槍の基部で1パーティ、直下で最後の先行パーティを抜いて結局この日最初の北鎌からの登頂者となった。時間は11時前国道を出て11時間であった。大体予定通りである。僕の予定では午後3時頃国道に戻るつもりである。槍山頂には大勢の登山者が下りの階段の順番を待っていた。エエー!!順番待ち、初めての事で驚いた。山スキーで良く来る槍だが山頂ではいつも貸し切りであった。長い順番と大混雑で大幅に時間はロスして肩の小屋にようやくたどり着けた。
ここまで来ればもうこっちのものである。ガンガン槍沢を下り、やはり登山者をドンドン追い抜いて横尾まで下った。右岸の作業道を上高地まであっという間、混雑している上高地のバス停前から自転車で国道に出て長い一日が終わった。15時間半大体予定通りだった。帰りの運転はもうフラフラ状態、眠い目を擦りながら長男と運転を交代して帰路に着いた。長男には北大山スキー部の意地を見せてもらった。だてに北海道で修行を積んでいるのではないなと少しほめてやった
行程図
ババ平
所狭しとテントが乱立
水俣乗越
ここから先の天上沢はバリェーションで初コースです。
天上沢下部で夜が明けた
ようやく暗闇から開放されてルンルン気分
行くぜ!あんちゃん
あんちゃん沢で転けて早くも靴びしょ濡れ
北鎌沢出合
北鎌沢はゴロー状態、さあ標高差600mのコルを目指す
北鎌沢中間
水はコルの直下まで出ていた。上部の分岐で間違えてしまったパーティもかなりいた。
自分を信じてコースを辿った。
コル直下
コル直下は浮き石が多く注意が必要、コルまで薮漕ぎも無く問題なくたどりつけた。
北鎌コルから
コルから目指す独標が見える。さあ待ってなさい!
ストックは有効でした
ストックに助けられハイペースで先行パーティをごぼう抜き
独標
独標まではコースは明瞭で快適だった
独標
独標は右から巻いて稜線に出た
独標手前で槍がちらり
ちらり見えた槍を望遠で 一気にモチベーションが上がる
独標からの槍に
この辺りから見る槍は素敵、モデルは単独のおねえさん
槍
絵になる景色、槍はここから眺めるのが一番
記念写真
たまには写真でも並んで撮ろうぜ
それでは出発
槍を目指して更に先へと急ぎます
縦走路
独標から先はルートが様々ありどうコースを取るかで時間がかなり違って来る。
自分の勘を信じて行くしか無い。
アップの槍
早くあの頂点に立ちたい
槍と長男
槍を眼前にして仁王立ち
ドンドン槍が
近づいて来る
どこまでも岩岩
際どい岩場もあったが問題なくフリーで抜けれた 大きなザックなら多少難儀する箇所もある
小槍
なかなか迫力ある光景でした。大槍、小槍、ちび槍、ミニ槍まで4本見えた
行くしか無い
さあもうすぐだ、あんちゃん気合い入れまくり
岩岩
ここまで来ればもうチョイ
ラスト
最後ダッシュで上部の三人パーティも抜いてこの日北鎌からの初登頂に
北鎌を振り返る
随分楽しい尾根でした
無事山頂に
お疲れ ゴール さすが北大山スキー部 鍛え方が違うってか?
下山
下山は渋滞との闘い、この山行の最大の難関はここにあった
槍沢
後はルンルン下りるだけ 今日も完全燃焼!!生きてて良かった。あんちゃんも頑張りました。
今回の行動食はエネルギーゼリーを10ヶずつこれだけでした。