頸城駒ヶ岳(1487m) 新潟県 (北面ルート)

糸魚川から白馬に向かう国道から左手に四方岸壁に囲まれた要塞のような駒ヶ岳が見
える。以前西面からアタックをかけたが雪崩の危険を察知して敗退した。以後ルートを探っていた。

北面も安全とは言えずよほど条件が揃わないと危険である。決してお勧めとは言えないがこんな山もスキーで滑れる

と言うことで紹介します。リスクを承知の上でも滑りたい山があるのである。

駒ヶ岳北面全容

北陸道糸魚川インター下車。糸魚川を抜け海岸線を少し走り,海谷渓谷に向かう県道を進む。

雲台寺近くの御前山まで県道は除雪されている。ここで車を止め海川第一発電所まで進む。

ここから少し上がると正面駒ヶ岳の全容が見える。

駒ヶ岳北面ルート

北面も絶壁,岸壁に覆われている。当然雪崩の危険も高い,どうルートを取るか難しい。

取付はまず雪崩の危険地帯図のようにルートを取ったが本当にハラハラしどうしだった。

降雪直後はまず避けた方が良い。なるべく日の当たらない午前中には下山するようにしないと雪崩れ出す。

北面岩壁

取付でまずこの恐ろしい光景を目にした。取付はデブリで一杯であった。下山時新たな雪崩が発生していた。

直撃を受けたら終わり,休まず一気に駆け上がろう。ただし北面ゆえラッセルはきつい。

北面1200m付近

このあたりも傾斜は急で危険な場所である。正面奥は壁になっており上がれない。標高1200m付近で

写真左木々の茂る急なやせ尾根をスキーを担いで猛烈なラッセルに耐えて登るしかない。帰りは正面奥から

急な壁状斜面を滑り降りた。

青海黒姫山

北面上部から振り返ると青海黒姫山,姫川,更に日本海が見渡せる。

朝日岳

標高が上がれば右手に栂海新道の先朝日岳が輝いて見えることだろう。

標高1300mブナ林 

急な北面を登り切ると標高1250mあたりで斜度はゆるみブナ林が現れる。木々はすべてブナ一色

これだけ立派なブナ林も珍しい。まばらなブナ林は格好のスキー斜面となる。

ブナ林の先北アルプス

標高1400mあたりから右手遙か北アルプスが眺められる。静寂に包まれて山頂を目指す。

山頂手前

正面に山頂が見えてきた。左手の雪庇には十分注意しよう。

山頂にて

山頂から南に雨飾山北面が見える。下には梶山新湯も見渡せる。もちろん360度の大パノラマである。

山頂の先の稜線

山頂から先に鬼が面山,鋸山とやせた稜線が続く。奥に焼山,その左に火打が見える。

北アルプス

正面中央に白馬連山が見える。素晴らしい眺めに酔いしれる。

ブナ林パウダー

下りはやはりブナ林のパウダーである。厳しい山行ゆえ,滑りは倍楽しい。今日も充実した。

山行記録2003年2月19日(水)

時にはリスクを犯してでも滑りたい山がある。今日の快晴の日,数年越しの念願が叶っ
た。

【山域】頸城駒ヶ岳 1487m
【場所】新潟県 
【日時】本日2月19日(水)
【コース】雲台寺−海川第一発電所−駒ヶ岳北面−山頂往復
【メンバー】単独
【装備】アトミックβライド9.22 160cm,ディアミール,TR12
【天気】快晴

糸魚川から白馬に進む国道左手に四方を岩壁に囲まれた要塞のような独特の異彩を放
つ山が見える。頸城駒である。数年前西面から挑戦し雪崩の危険を察知して敗退した
ことがある。それ以来いつかはリベンジと思い続けていた。
北面なら雪の状態も良いだろうと今しか無いというタイミングでリベンジを果たした。

2月18日(火)この日の夕方の天気予報で新潟方面は確実に晴れると言うことでテン
ションを徐々に上げ,いつものように車にスキーを放り込んで北陸道糸魚川インター
を目指す。

インター料金所でおじさんに糸魚川で美味しい寿司屋を訪ねた。すし活がいいとのこ
と。念のためもう一件コンビニでおじさんに尋ねるとこの人もすし活と言う。変な情
報より地元の口コミが最も当てになるだろうとすし活を探す。医者と同じである。裏
通りのとてもわかりにくい場所だった。ここで商売するならやはり味で勝負するしか
ないなと思える場所だった。ただし店は休み,がっくりうなだれて駅前で食事をする。
今二だった。次回すし活リベンジだ。

食事後海谷渓谷を目指す。登るにつれすごい雪,まるでアルペンルートの様な雪の回
廊である。雲台寺付近の御前山まで入りここで除雪は終わり。急いで就寝体制,明日
の成功を祈って眠りにつく。

2月19日(水)朝5時起床。いつものように湯を沸かし急いで支度をする。この時期
朝6時前から薄明るくなってきた。

5.59 477m 雲台寺近く林道(海谷渓谷入り口)発。この時間にたてば午前中の雪の
締まった時間に帰れるだろう。しばらく発電所を目指し林道を進む。トレースは多く
しっかりしていた。なんだ地元の人はたくさん登っているじゃないか。少しがっかり。

6.22 590m 海川第一発電所。ここまで鼻歌気分。ここから少しずつ登って正面に圧
倒的な駒のお姿。一体どこから登るというのだろう。下から見ると岩壁に覆われてい
る。

7.00 標高800m 皆さんのトレースはここでぷっつり切れ,皆Uターンしていた。正
面の岩壁から落ちた雪崩でこのあたり猛烈なデブリとなっていた。これを見れば皆引
き返して無理はない。駒を登るにはこのデブリを突っ切り岩壁の間の切れ間を伝うし
かないからである。更に今にも落ちそうな雪が岩壁にたくさん張り付いている。

ここで引き返すかどうか悩んだ。よくルートを探索した。デブリの脇は急斜面だが何
とか登れないことはない。雪の状態も良いし,休まず一気に行くことにした。デブリ
を突っ切りトラバースしてまた急な斜面を雪崩を警戒して一気に駆け上がる。

見上げれば絶壁のような急斜面はっきり言って心臓に悪い,もう二度と来たくはない
と思った。

8.51 1200m 坪足ラッセル開始。このあたりで進退極まり左のやせ尾根に上がった。
もちろんスキーは無理で坪足ではいつくばって登る。腰まで潜るラッセルに耐えなが
ら木をつかんでの厳しい登り,根性しかないだろう。

9.10 1255m 坪足終了。ようやくスキーが使える斜度に緩んだ。もう雪崩の心配は
ない。

9.19 1275m ブナ林。前半の男性的な荒々しさからここからの後半は女性的な優し
いブナ林の登りとなった。すべての木がブナ林であり,これほど素晴らしいブナ林も
珍しい。帰りはパウダーランが楽しめる。優しいブナ林に包まれながら登ると山頂が
見えた。

10.21 1487m 頸城駒ヶ岳山頂。やった山頂だ。もちろん360度の展望。人が登頂し
た気配はまるでなかった。山頂からは雨飾り,鉢山,焼山,北アルプスと素晴らしい
眺めが堪能できた。風もなく穏やかな日だ。

10.45 1487m 頸城駒ヶ岳山頂発。そろそろ行きますか。ガンガンにワックスを塗り,
ブーツを締め上げた。北面で転けたらそのままさようならである。

ブナ林ではパウダーを満喫し,いよいよ急斜面へ。自分のシュプールでも雪崩を誘発
しかねないので常に上を確認しながら一気に行くしかなかった。帰りに北面では新た
なブロック雪崩も起きていた。あんなの直撃されたら即死である。休まず一気に安全
地帯まで滑り降りる。

ふーう。やっと発電所,何度も駒を振り返り余韻に浸る。もう来ないからねと挨拶し
た。

11.24 477m 雲台寺近く林道(海谷渓谷入り口)。今日も無事終了。素晴らしい感
動と恐怖感を同時に味わった山行であった。

このルート危険につきあまりお勧めできません。

この時期駒山頂から滑走経験のある方は是非ご一報下さい。誰かいるのかな。

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