猫岳(2581m) 岐阜県

夏のにぎわいが嘘のように乗鞍は冬本来の静寂を取り戻す。誰もいない乗鞍でパウダーが楽しめたら最高である。

以前から地図を見て練っていた猫岳に尾根づたいにパウダーを楽しんだ。このコースは槍穂高,白山の大展望台である。

雪の少ない時期は赤のスカイライン,雪が多ければ緑のラインか青のラインが良い。

青のラインは国道に駐車スペースがあり夫婦松より下は疎林(木が極めて少ない,雪崩注意だが)で超快適。

平湯トンネル直後路肩

平湯温泉から平湯トンネルを抜けた直後の路肩に車を止められる。ここは乗鞍スカイラインの入り口でもある。

ここからスキーを履いて林道を歩き出そう。

レストハウス手前林道

林道を歩き出すこと約1時間,正面を大きくカーブするとレストハウス1680mである。この辺りから右手森を抜けて

料金所の向こうに出るのが近道である。

猫岳尾根(仮称)

レストハウスを過ぎて歩くこと約800mで標高1760m付近が猫岳尾根取付である。正面に見えるピーク手前鞍部から左手尾根に取り付く。

(赤の矢印)最初は急登だが,藪は隠れておりスキー歩行に問題はない。正面ピークを乗り越しさらにどんどん尾根伝いに登ろう。

標高2200m猫の小屋

尾根伝いにずっと高見を目指して登れば標高2200m付近でひょっこりスカイラインに出くわす。

ここに猫の小屋がある。さらに小屋横からどんどん尾根づたいに標高2532m大崩山を目指す。

遥か平湯温泉街

尾根の左下には平湯温泉街が見える。

笠が岳

尾根を登り詰めていくと純白の笠が岳の圧倒的な景観が広がる。

穂高連峰

さらに尾根左手の穂高連峰,吊り尾根の景色が素晴らしい。

標高2400m付近

尾根も標高2300mを越えるとさらに疎林になり快適な林間歩行となる。

白山の景観

尾根の右手には白山連山が素晴らしい。

大崩山トラバース

標高2480m付近で大崩山2523mを右手にトラバースすれば楽である。帰りも登り返さなくて良い。

トラバース中に正面右手猫岳が見える。早くあの純白の斜面を滑りたい。

トラバースを過ぎて

トラバースを過ぎれば猫岳の素晴らしい景観が広がる。残り標高差100m弱。

最後の一踏ん張りである。

山頂の乗鞍連山

頑張って山頂に到着。乗鞍連山の景観がここで初めて見渡せる。冬の乗鞍は凍り付いた世界である。

山頂から見た穂高

山頂からは360度の展望が楽しめる。

記念写真。

こんな格好で登り詰めた。風が強く難儀したがこの景観が楽しめればなんて事はない。

山頂からシュプール

素晴らしい雪質だった。標高が高いゆえこの時期粉雪を堪能できた。真っ新な斜面に僕だけのシュプールが。

完全に自己陶酔

振り返ってみたシュプールに完全に自己陶酔してしまった。下りはあっと言う間だ。

1時間少々で車まで降りられるはずだ。ただし2000mを過ぎてからは木々も多く,ショートターンの連続となる。

自信のない人は2200m猫の小屋からスカイラインで下りよう。

山行記録2002年12月23日(月)

山スキーで最も冒険心を駆り立てるのは報告のない自分にとって未知のルートを読図
だけを頼りに登り詰め滑り降りること,加えてパウダーに恵まれれば至上の喜びとな
る。今日の猫岳はまさにそのような山行であった。

【山域】猫岳 2581m
【場所】岐阜県 乗鞍連山の一角
【日時】本日 12月23日(月)
【コース】平湯トンネル−乗鞍スカイライン1680m−猫岳尾根(仮称)−猫の小屋−
大崩山−猫岳
【メンバー】単独
【装備】アトミックβライド9.22 160cm,ディアミール,TR12
【天気】晴れ

折角の2連休家にいるはずもなく,何処へ行こうか迷ったあげく以前からしたためて
いたこのルートを選択した。予想通り槍穂高,笠,白山の大展望を楽しみながらのワ
ンシーズンに数度あるかないかの会心のスキーであった。

12月22日(日)この日あいにくの天候と言うことで自宅で沈殿していた。すると予想
外に明日は晴れるという。飛騨沢,安房平からの十石山,平湯スキー場からの金山岳,
それに猫岳を視野に入れ午後金沢を発つ。現地で行き先を決めることとした。

まず新穂高に午後3時過ぎ到着。あいにくのガス。おまけに午前中雪も降ったようだ。
槍への登山者はほぼ皆無,新たな積雪もあり23日のみで槍の日帰りは困難と言うこと
でバス停前の温泉に入ってから次に平湯温泉に移動した。ここではさらに雪は積もっ
ていた。スキー場は朝8時からと言うことで金山岳も却下。十石山と猫岳に絞り最終
的に猫に決めた。

平湯トンネルを過ぎた直後のスカイライン入り口の路肩に駐車。明日の好天を祈って
早々に寝袋に潜り込む。

12月23日(月)朝4時起床。寒さで目が覚めた。車外は氷点下10度,車内も氷点下3度。
厳冬期用のシェラフであったが,頭を出していたので頭だけジンジンした。暖房をか
けキツネうどんを食べていざ出発。未知のルートはやはり緊張する。標高差は1150m。

4.50 1435m 平湯トンネル直後路肩発。月が眩しく輝いていた。極寒の中,ライト
を付けて歩き出す。前日の単独行のトレースが一つあり助かった。平湯峠まで林道を
黙々と歩く。本来なら林道をカットしてレストハウスの先に出たいのだが暗闇ゆえ着
実に林道沿いを進む。

6.00 1680m 乗鞍スカイライン入り口レストハウス。レストハウスを過ぎたすぐで
単独行のトレースは消えここからは靴程度の軽いラッセル歩行となる。まだまだ暗い
が月明かりで周囲の地形は分かった。目指す尾根の取付は標高1760m付近だ。レスト
ハウスを過ぎ約800mで取付に到着。

6.22 1760m 猫岳尾根(仮称)取付。さあいよいよここから未知のルートに進入だ。
気合いを入れる。取付からいきなりの急登だがグングン登る。藪はおおむね隠れてい
た。標高1850m付近から尾根は傾斜をゆるめた。ただ高見を目指して登るだけで良かっ
た。見下ろせば平湯温泉が小さく見える。さらに笠が岳,穂高連峰の朝焼けが美しかっ
た。標高2150mを過ぎて急に視界が開けたと思ったらスカイラインに合流した。

8.08 2200m スカイライン・猫の小屋合流。読図通りである。小屋は窓が割れとても
使える状態ではなかった。小屋の横からさらに尾根を進み大崩山を目指す。標
高2300mを過ぎるとさらに疎林になり快適な林間歩行となる。右手には白山も見え始
める。ウーン素晴らしい眺めである。この尾根右も左も展望に事欠かない最高のロケー
ションである。

9.00 2500m 大崩山トラバース。大崩山は山頂を踏まず右をトラバースすることに
した。これで帰りも登り返さなくて済む。トラバースから右手に目指す猫岳が見えた。
素晴らしい眺めである。北東斜面は純白に輝いておりあの斜面に僕だけのシュプール
が描けると思うと気分はさらに高揚した。トラバースを過ぎるとすばらしい雪原が広
がり最後の登りである。山頂までずっと靴程度の粉雪であり下りは最高の条件だ。

10.01 2581m 猫岳山頂。ついに山頂だ。360度遮るものはなく乗鞍,穂高,笠,白
山,十石とどれだけ見ても見飽きない眺めである。頑張った甲斐があった。こんな素
晴らしいルートもあったんだと改めて感動に浸る。十分写真を撮ればいよいよパウダー
ランである。

10.23 2581m 猫岳発。まずは北東斜面に納得のいくシュプールを描く。粉雪が宙に
舞い心も躍る。自分のシュプールもばんばん写真に撮る。次に大崩山のトラバース。
トラバース後から2300m付近までも素晴らしいパウダーランが楽しめた。

11.06 2200m スカイライン・猫の小屋。ここまであっと言うまであった。十分満足
感に浸る。標高2000mを過ぎると木々も多くなりショートターンの連続となる。かな
り滑りは難しい。木々を避け,くぐりの連続だった。それでもあっと言う間に取付ま
で下りた。

11.27 1760m 猫岳尾根(仮称)取付到着。あとは一気に林道をカットカットで駐車
地点までスキーを走らす。今日も貸し切りであった。

11.47 1435m 平湯トンネル直後路肩。写真休憩を含めて下りはわずか1時間20分だっ
た。素晴らしいコースに感動しまくった。

下山後平湯の森で一風呂。露天風呂だけで6つもあり,循環でない本物の温泉にゆっ
くり英気を養った。



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