奥三方岳 2150m 3ヶの谷巡り 岐阜県

奥三方岳2150mを巡る3ヶの谷(弓ヶ洞谷,四又谷,大ノマ谷)を日帰りで巡った。

ラッセルに耐え累積標高差2000mを登る厳しい山行であった。

三方崩山山頂から標高差1300mの大ノマ谷滑降は大変スリリングであった。

ルート地図

弓ヶ洞谷取付の国道から入る。大ノマ谷下行時に備え白山林道のゲート近くに一台車をデポしておこう。

弓ヶ洞谷右又

標高差1250mのこの谷稜線は1850mである。もう一息である。時期が遅いと右又入り口に

滝が顔を出す。

弓ヶ洞谷全景

稜線から谷を見下ろす。中間から下部にかけ大きなデブリがあった。


三方崩山までの稜線

鞍部から三方崩山まで標高差200m緩い登りが続く。奥三方岳へ行くなら山頂手前で右から

トラバースする。

三方崩山手前からの奥三方岳

三方崩山から標高差100m下り鞍部へ。鞍部から奥三方岳まで標高差200mのダラダラした長い登り。

鞍部からの大斜面

鞍部から最初の登りは堅い大斜面である。

奥三方岳山頂にて

ようやく山頂に到着。皆山スキー大好き人間。

奥三方岳からの白山

山頂からは白山や東面台地が素晴らしい。

四又谷へ

奥三方岳から北面の四又谷を滑走。標高差450mのパウダーランであった。

かっ飛び

四又谷をかっ飛ぶ達人深澤君,兎が跳ねるような滑り。


シュプール

奥三方岳から四又谷へのシュプールが見えますでしょうか。(中間右)

三方崩山にて

四又谷1700mから三方崩山まで標高差350mの登り返し。

大ノマ谷パウダー

三方崩山から大ノマ谷への滑走。僕のシュプールは真ん中。

大ノマ谷からの三方崩山

中央左が直登ルンゼ,下部の岩峰間が滝で凍り付いていた。滑るなら10mのダイブしかない。

大ノマ谷中間

この谷下まで標高差1300m遥か下に林道が見える。栃木君も華麗にシュプールを刻んでいた。

達人の滑り

言葉はいりません。

猛烈デブリ

大ノマ谷下部では猛烈なデブリ。根性で滑るしかない。

大ノマ谷全景

激しいデブリの嵐に唖然。

フィナーレ

ようやく大ノマ谷終了。皆さんお疲れ様。後は林道を平瀬まで下るだけ。

山行記録2004年2月25日(水)

奥三方岳2150mを巡る3ヶの谷(弓ヶ洞谷,四又谷,大ノマ谷)を日帰りで巡ってきま
した。ラッセルに耐え累積標高差2000mを登る厳しい山行でした。三方崩山山頂から
標高差1300mの大ノマ谷滑降は大変スリリングでした。本日ニューフェース栃木君が
加わりました。

【山域】奥三方岳 2150m  三方崩山 2058m
【場所】岐阜県
【日時】2月25日(水)
【コース】弓ヶ洞谷右又−三方崩山−奥三方岳−四又谷−三方崩山−大ノマ谷−平瀬
【メンバー】僕・深澤君・栃木君
【装備】サロモン・Verse7 150cm,ディアミール3,ノルディカTR12(僕)
    サロモン・ポケロケ 175cm,ディアミール2,ローバストラクチュラ(深沢)
    トラブ・ピューマ175cm,ジルイージゴ,スカルパチタン(栃木君)
【天気】曇り後快晴

来る者は拒まず,去る者は追わず。先日福井の栃木君から是非山行に同行したいとの
メールが届いた。面識は丸でないがHPを見て是非と言うことであった。今シーズンの
僕たちのハードな山行を知った上での事というのでかなりの強者だろうと誘うことに
した。

2月24日(火)当初御前岳を目指す予定であったが天候が良さそうなのでこの山は悪
天の時に取っておくこととして急遽朝深澤,栃木両君に奥三方岳に変更しますとメー
ルした。両君とも了解と言うことで平瀬に夜9時待ち合わせとした。

平瀬の白山林道前ゲートには栃木君が既に到着していた。若い・29才という,青春を
山に賭けてきたと言うだけのことはあって精悍な山屋の顔つきである。ここに深澤君
の車をデポして平瀬の共同浴場駐車場で車中宴会とした。

僕のパジェロに乗り込んでもらい3人で宴会。栃木君は公務員であった。先日の大長
の遭難事故でも救助隊の先頭で腰ラッセルをしたという。経歴もかなりの強者であっ
た。新たな出会いである。宴も盛り上がり夜は更けていった。明日は2時起床と伝え
さて寝ましょう。

2月25日(水)朝2時起床。数時間の仮眠であった。おとといかなり降雪があったはず
である。弓ヶ洞谷の登りは危険だから夜明け前の雪の締まった時間帯に突破すること
にした。さて2台の車で取付に移動した。

3.06 590m 弓ヶ洞谷取付国道発。いよいよ暗闇の登りである。僕たちはいつものこ
とだが栃木君は慣れていないらしい。川の音を聞きながらドンドン進む。林道は1mの
積雪であった。ずっと左岸沿いに二股まで行けた。

4.19 1000m 弓ヶ洞谷右又入り口。いよいよこの辺りからラッセルは厳しくなる。
靴程度だが先頭を交代で進むことにする。滝は問題なく突破。弓ヶ洞谷はデブリで歩
きにくかった。先日の大雨の影響である。稜線間近になってようやく夜も明けてきた。
良かった。

6.58 1850m 稜線。ようやく安全地帯。ここから稜線を三方崩山まで進む。目指す
奥三方岳が右手に見える。待ってなさい。僕は写真をバチバチ撮るので最後尾で行く
ことになる。皆さんさすがに強いですね。三方崩山直下で右にトラバースして鞍部ま
で下った。鞍部からは予想以上に長かった。相変わらず靴程度のラッセルは続き深澤
君がトップでガンガン進む。

8.58 2150m 奥三方岳着。ようやく到着。白山や東面台地が素晴らしい。風も弱く
最高の条件だ。記念写真をガンガン撮りいよいよ北面の四又谷へ滑り込む。深澤君は
ずっと下まで下りて登り返しましょうと言うがウンとは言えなかった。まあ雪質を見
てと濁す。

9.20 2150m 奥三方岳発。パウダーだ。素晴らしい四又谷,3人のスキー競演であっ
た。深澤君はトップを浮かせいつものようにクネクネと華麗な舞いであった。栃木君
も子供の頃からスキーが生活の移動手段だったと言うだけのことはある。

素晴らしいパウダーを頂いてドンドン下る。1700m辺りで雪質は極端に悪化。もうこ
れまでと打ち止めにした。

9.57 1700m 四又谷1700m。さあ三方崩山への登り返しである。またラッセルである。
相変わらず深澤君は元気である。正直ついていけなかった。化け物だ。

11.00 2058m 三方崩山着。大息をついて到着。さあお目当ての大ノマ谷滑走だ。山
頂から直に落ちるルンゼがあるが下がまるで見えない。雪が付いているのか,滝が出
ているのか。行けるか行けないか。栃木君は山頂から少し下りた雪庇の切れ間から下
りて下でルンゼを見て合図を送るという。随分下におりた栃木君から大声で無理との
合図がきた。

11.30 2058m 三方崩山発。諦めて栃木君の後を追った。ここも素晴らしいパウダー
だった。最高の雪だった。下でルンゼを見上げると滝があった。雪が切れていた。突っ
込まなくて良かった。行けばただでは済まなかった。今日は3人いて正解だった。二
人なら突っ込んでいたかもしれない。

大ノマ谷は標高差1300mの豪快な谷だった。でも両側から雪崩れる危険な谷であった。
一気に行くしかない。中間部より下は猛烈なデブリに圧倒された。栃木君は時々スキー
を外して歩く。僕たち二人は根性でデブリを避けながら下っていった。

ようやく林道が見えた。もう安全だ。スリリングな谷であった。この谷は登りで使う
べきではない。下りしか使ってはいけないと思った。谷を見上げながら大休止。ここ
でも記念写真。

12.46 710m 白山林道着。後は平瀬ゲートまで腐った雪を滑っていった。

1.36 630m 白山林道平瀬ゲート。お疲れ様,今日も完全燃焼であった。栃木君も強
かったが今シーズンの深澤君のパワーは群を抜いていた。

下山後デポ車に乗って車を取りに行き,3人で平瀬の共同浴場で汗を流した。今日
は3kの体重減少であった。ニューフェイスを迎え今日も楽しい山行であった。

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