大長山 1671m 福井県
冬期の大長山は長いアプローチ故日帰りはかなり厳しい,大長山へ直に突き上げる西尾根経由で
日帰り山行に挑戦した。痩せ尾根に雪庇の連続かなりスリルのある尾根であった。
国道151号を離れ小原集落に入る。車で数分で集落終点,ここで車を止め林道を歩き出す。
小原ダムが西尾根の起点,ここから山頂まで標高差約1100m
林道スタート
集落で除雪は終わり,林道を歩き出す。しばらくで右に急なカーブがある。ここから左に入り
林道をまずカットしよう。
小原ダム
林道を歩くこと約40分,小原ダムに下る分岐がある。しばらく下るとダムがあるのでダムを渡って
建物の裏から尾根に取り付く。最初は急登,あとは忠実に尾根を上がって行く。
尾根に上がってダムを見下ろす
最初の急登をよじ登ればダムが見おろせる。
標高800m
遥か下にダムが見える。この先が最初の難所,尾根の南側から尾根に上がると良い。
標高900m
この辺りは広く快適な尾根が続く。
地図上1283手前
この辺りも雪庇の連続,右手に注意しながら正面奥1429mを目指す。小さなアップダウンあり。
1283過ぎた辺り
この辺りは平坦な痩せ尾根が続く。
経ガ岳
尾根右手には経ガ岳が聳える。
赤兎山
さらに右奥には赤兎山が見える。この山も遠い山である。
地図上1429
ここから1532mまでが最大の核心部。正面奥に嫌らしい痩せ尾根が連続する。
1429の少し先
矢印が一番嫌らしい部分。痩せ尾根の左右は谷。
核心部手前
核心部は左から巻いて行くがここもかなり嫌らしい。
核心部過ぎ
核心部の突破で体力と気力を大いに消耗。
地図上1532m
ここまで上がって始めて正面に大長山が見える。ここからもアップダウンあり。
山頂間近
いよいよ大長が迫ってくる。
1600m振り返る
尾根を振り返る。アップダウンが多い事がわかるだろう
ゴール
氷化しただだっ広い山頂が目の前である。この日は山頂でホワイトアウトになる。
帰り
ジャンプターン連続でかっ飛ばす名人。
3.44 420m 小原集落発
4.45 540m 小原ダム発
5.51 大長西尾根820m平坦地
7.50 大長西尾根地図上1429痩せ尾根
9.14 1671m 大長山頂着
9.29 大長山頂発
11.03 540m 小原ダム着
11.43 420m 小原集落着
山行記録2005年3月2日(水)
冬の大長は赤兎同様どこからアプローチするにしても長丁場とつらいラッセルが待ち
受ける。以前から冬の日帰り山行を計画していたが今回西尾根経由で深沢君と挑戦し
てみた。
【山域】大長山 1671m
【場所】福井県
【日時】3月2日(水)
【コース】小原集落―林道―小原ダム西尾根取り付き―大長山往復
【メンバー】僕・深澤君
【装備】サロモン・ポケロケ 165cm,ディアミール3,ガルモントGライト(僕)
サロモン・ポケロケ 175cm,ディアミール2,LWストラクチュアー(深沢君)
【天気】曇りのち雪
今回もあまり天候はよさげではないが、天候が悪くてもこの山なら日帰りできるだろ
うと深沢君を呼んだ。夕方6時過ぎ彼は到着。僕の診療が終わるまで医院で待っ
てもらった。診療が終わった夜7時過ぎ車2台を連ねて福井へ向かった。
白峰を過ぎて雪はかなり多くなってきた。谷峠付近では雪の壁が高くできていた。ひっ
そりとした小原集落に車を止めていつもの宴会である。雪は例年以上に多く、集落で
も1.5m程度はありそうである。朝は早いのでそこそこに宴会はお開きである。
3月2日(水)朝3時起床。今日は午後から仕事があるのでなんとしても午前中には下
山しなければならないが、4時に出れば楽勝だろうと思っていた。
3.44 420m 小原集落発。空は曇り空、今日も天気は悪くなりそうである。暗闇の中
林道をカットしながら小原ダムの分岐まで来た。ここから林道を下り小原ダムを目指
す。
4.45 540m 小原ダム着。真っ暗な中建物内は煌々と電気が灯っていた。ダムを渡
り建物の裏から大長山西尾根に取り付くことにした。いきなりの急登であり、滑れば
ダム湖にボチャン。慎重に暗闇の中を登っていく。
尾根の北側はパウダー南はクラスト斜面どちらも登りにくい。まだラッセルの方が安
全なのでクラストカチカチ斜面はなるべく避けた。
西尾根は疎林でありまずまず快適だった。標高800m付近で最初の悪場、カチカチ急
斜面を行かざるを得ない、スリップすれば谷底へ、モンキーしながら慎重に突破した。
ここを過ぎればなだらかな登りであった。しかし微妙にアップダウンもあり帰りも難
儀しそうである。
今日は靴程度のラッセルが大半で楽勝気分であった。しかし1200mを過ぎた辺りから
尾根は痩せだし右手には巨大な雪庇群が続く。雪庇を踏み抜けば滝波川に真っ逆さま
である。慎重に歩くがアップダウンに苦しめられなかなか時間がかかる。
地図を見て最大の難所は1429から先だと見ていたが案の定眼前には鋭い雪庇と痩せ尾
根が見えた。
7.50 大長西尾根地図上1429痩せ尾根。さあ深沢、ここをどうクリアーするかが問
題だ。スキーを履いて尾根の北に回り込んだがここも下はカラス谷に真っ逆さま、ど
ちらに転んでもただではすまない。僕たちはスキー歩行をあきらめツボ足でガンガン
木に捕まりながら痩せ尾根を突破した。
この山もただではすまないなと、互いにため息をつきながらようやく眼前に大きな大
きな大長山が見えてきた。ここからもアップダウンはありさらに山頂手前からはカチ
カチのアイスバーンに苦しめながらもついに直下にたどり着いた。この頃から次第に
ガスが濃くなりホワイトアウトになった。GPSを頼りに山頂に到着した。
9.14 1671m 大長山頂着。残念でした。白山の展望はありません。強風に耐えかね
そそくさホワイトアウトの中下り出す。
9.29 大長山頂発。山頂はだだっ広く迷いやすい、でもGPSがあるから大丈夫。無事
に西尾根を目指し慎重に滑降開始。
このスリリングな尾根も下りなら怖くない、スキーがあるから大胆に下れる。ちょこ
ちょこパウダーを頂きながら時にはシールで登り返し、時計を気にしながら一気に行
く。谷へ滑って登り返したいところだが今日はだめと深沢君の意見は却下。
どんどん下るとようやくダムが見えた。今日はパウダー、クラスト、モナカと様々な
雪のオンパレードである。これも勉強である。
11.03 540m 小原ダム着。ふーっ今日も楽しかったです。山頂から約1時間半。さ
あ根性で林道を漕ぐぞ。ラストスパート。
11.43 420m 小原集落着。無事予定時間に到着。今日も大満足でした。国道をすっ
飛ばし何とか2時からの仕事に間に合った。深沢君はシコシコ下道で山梨へ帰って行っ
た。どちらも難儀なのです。
赤兎に続き冬の大長も随分楽しませてくれました。