金山(南西尾根)2245m浅海川滑降 長野県

栃の樹亭を起点として南西尾根から山頂を目指し,浅海川を滑降する。予想通り厳冬期は難行であった。

しかし原始の自然がそのまま残りこれぞ山スキーという素晴らしい山行になった。

ルート地図

小谷温泉終点にある栃の樹亭が起点になる。通常ここまで除雪されているはずだ。コースは赤,

南西尾根から登り,浅海川を下りる。南西尾根1683は危険。ザイル確保が必須。浅海川標高1150mで

谷が割れ尾根に登り返した。

金山南西尾根1650m

尾根上は右手に雪庇が派生する。慎重に行かないと大変。落ちたらまずアウト。

地図上1683m(最大の難所)

難所を振り返る。この難所左右が崖,雪庇も激しい。この突破に1時間以上要した。

ザイルは必須。しっかり確保して進行方向左からトラバースしてください。


標高1700m

難所を過ぎて一安心,山頂まで快適な緩斜面が続く。ただし右手雪庇は要注意。

標高1800m

振り返れば北アルプスの大展望が広がる。

雨飾山

標高1800mから見る雨飾山は槍のようだ。

標高1950m

高度が上がれば益々厳冬期らしい光景が広がる。

標高1970m付近

雨飾の展望はどこからでもさまになる。山頂滑走も楽しそう。

地図上2025m付近

この辺りも稜線上を忠実に歩く方が雪面もしまっており楽である。2025からは約100mの下り。

素晴らしき光景

標高も2000mを越えると厳冬期素晴らしい景色となる。来て良かった。


雨飾山の全貌

この辺り雨飾と標高は同じ。

2025の下り

いよいよこの辺りから金山の展望が広がる。

モンスターと金山

まさに厳冬期。

2025の下りを振り返る

標高差100mを下る。雪炎が舞い,強風が吹き荒れる。

標高2000m

まだまだ先は長い。ここからが頑張りどころ。

モンスター

標高2200m辺りからすざまじい光景となる。ここは蔵王か。山頂までもうじき。

山頂滑走

山頂から雨飾りを見ながら浅海川に滑り込む。これぞ山スキー。頑張った人だけが味わえる。

浅海川源頭

上部は広いが徐々に狭くなる。右手尾根からの雪庇落下に要注意。

浅海川上部

どこまでも快適な滑り。

浅海川標高1850m

どこまでも快適な滑り。地図上の二つの滝は厳冬期は完全に埋まっていた。

標高1800m

気持ちよさそうな深澤君。ポケロケは緩斜面でもよく浮きます。

標高1650m

S字カーブも難なく過ぎて更に下っていきましょう。

標高1400m

この辺りも原始の谷である。標高1150mで谷が割れたため右岸の尾根を登り返して下る。

ゴール

右上に栃の樹亭,下に林道最初の橋が見える。林道を登り返せば栃の樹亭である。

山行記録2004年2月18日(水)

小谷温泉から金山南西尾根をたどり山頂から浅海川を滑降した。厳冬期このコースの
日帰り滑降,多分記録はないであろう。今日も11時間を超す限界に近い山行であった。

【山域】金山 2245m
【場所】長野県
【日時】2月18日(水)
【コース】小谷温泉−雨飾登山道−大海川徒渉−金山南西尾根−山頂−浅海川1100m
−尾根登り返し−尾根経由小谷温泉
【メンバー】僕・深澤君
【装備】サロモン・Verse7 150cm,ディアミール3,ノルディカTR12(僕)
    サロモン・ポケロケ 175cm,ディアミール2,ローバストラクチュラ(深沢)
【天気】曇りのち快晴(一日中強風)

当初,北アルプス抜戸岳(深澤君は笠まで行くとマジで考えていた)の厳冬期日帰り
滑降を計画していて新穂に待ち合わせの予定であった。夕方6時の天気予報で18日の
好天は昼頃にずれ込む予定になったので急遽携帯でこの山行は中止として小谷温泉に
直行するように指令を出した。

2月17日(火)夕方の天気予報で山行変更を決めた僕は携帯で連絡を取る。何とか間
に合った。深澤君はまだ諏訪にいた。胸をなで下ろし,僕も夜7時過ぎ金沢を発った。

糸魚川でいつものすし活へ行くが休みだった。仕方なく別の寿司屋へ行くが最悪だっ
た。特上ちらしを頼むがネタは死んでいた。抗議の意味を込め無言で半分残して店を
出た。小谷温泉に近づくと激しく雪は降り続いていた。路面にも30cmは新雪が積もっ
ていた。雪を蹴散らし栃の樹亭に到着した。しばらく待つと深澤君も到着した。

早速パジェロで宴会。明日のルート確認である。いつものように予備知識は皆無で山
頂から直に南西に落ちる尾根を行くことにした。さあ仮眠である。朝は早い。

2月18日(水)朝3時起床。起きてびっくり更に雪は30cm近く積もっていた。今日も厳
しくなりそうである。急いでカップ麺を食べた。

3.56 970m 小谷温泉(栃の樹亭前)発。雪降る暗闇をラッセルしながら雨飾方面の
林道を進む。雪は多く地形が変わっており少々不安であった。林道1127mで右折にな
るが暗闇の中分岐が不明瞭で何度も地図を出した。何とか分岐を折れ進むと広場の小
屋が見えた。しかし小屋は完全に屋根まで雪に埋もれていた。積雪は軽く3mはある。

少し下っていよいよ大海川の徒渉である。先日の猿ヶ馬場に懲り今日は頑丈な大型の
ビニール袋を何枚も用意してある。備えあれば憂い無し。

4.45 1150m 大海川徒渉。川は割れていたが何とかブリッジがかかる場所を見つけ
無事渡りきることができた。

さていよいよ尾根取付だ。急な尾根を登ることしばらくいきなり表層雪崩が足下から
起きた。暗闇の中バシッと言う音と共に雪面が約10m切れ落ちた。何とか持ちこたえ
て落ちなかった。いきなりのこの出来事に二人恐怖感でビビリまくった。でも更に気
を引き締めることができた。その後は常に木々を目指しながらジグを切り万が一の時
でも木にぶら下がれるように慎重に進路を計った。

6.54 地図上1683m。 いよいよ最大の難関になるだろうやせ尾根である。左手は崖,
右手は巨大な雪庇。どうやってこなすか悩んだ。スキーを脱ぐと腰上まで潜るのでツ
ボ足は止め,強引なモンキーラッセルで木に捕まりながら厳しいやせ尾根をクリヤー
した。正直生きた心地はしなかった。もう2度と行きたくはない。

10時を過ぎようやく青空が顔を出し始めたが,強風で雪炎は舞い上がり顔半分はつら
かった。しかし素晴らしい展望が広がりだし,今日も来て良かったと二人しきりに感
動しあった。

10.48 地図上2025m。もうすぐ山頂だと思ったがここから約100mの下りとなった。鞍
部に出ていよいよ最後の登りである。樹木は皆モンスターと化し八甲田にいるような
錯覚を覚えた。厳しいラッセルにも耐えながらようやく山頂が見えてきた。もうすぐ
である。

11.51 2245m 金山山頂着。やったついに山頂だ。出発から約7時間,今日もしんど
かった。風は強くとてもじゃないが我慢できない。風下に入ろうと進んだところいき
なりバシッと大きな雪庇が崩れた。やばい間一髪難は逃れたが深澤君は腰を抜かして
転けている。二人同時に進んだのがまずかった。神様お許し下さい。少し下って崩れ
た雪庇を横から見たが巨大なものであった。

12.09 金山山頂発。もう早く下りたいの一心であった。来た尾根上を滑るのは登り
返しもあるし風も強いし,痩せ尾根・雪庇の連続だからこれは却下。ならば浅海川を
下るしかないだろう。でも情報は皆無,地図を見れば大きな滝二つ。はたして埋まっ
ているか。もう頭を真っ白にして飛び込んだ。ダメならもう一度登り返す。体力はま
だ温存されている。

浅海川は快適なU字谷であった。しかし頭上には稜線の雪庇がゴロゴロ。万が一落ち
ても直撃されないルートを選んだ。危険地帯は一気に行き,安全地帯以外では止まら
ないことにした。この原始的な快適な谷を自在にクルージングし続けた。最高ですね。
地図上の滝は二つとも埋まっており問題はなくドンドン下降した。

1.26 1200m 浅海川最初の滝。喜びも束の間ついに滝が出た。これは何とか左岸か
ら巻けた。しかしその後も水流箇所が次々と出てきた。まずいな。

1.39 1100m 浅海川大きな水流出現。ジエンドですね。これ以上は危険である。僕
たちは右岸の尾根に登り返した。

2.24 1200m 尾根登り返し。まだまだ体力は残っている。僕たちは木に捕まり根性
で登り返した。後は快適な尾根を下ると笹ヶ峰に抜ける林道の960m橋が見えた。もう
安全だ。

橋の手前でもう一度シールを着け浅海川ブリッジを渡り,栃の樹亭まで登り返した。

3.10 970m 小谷温泉(栃の樹亭前)完全燃焼。今日も11時間を超す難行であった。
二人仲良く栃の樹亭で風呂に入りながら反省会を開いた。

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