白山東面台地

白山山頂に至るコースはバリエーションを含めると数多くあるが、最も素晴らしいコー
スを一つあげるとすればそれは白山東面台地コースである。と言ってもこのコース一
般書に掲載されているわけでもなく僕が勝手に名付けたコースだからほとんど世に知
られてはいない(一部のマニアが知っているくらい)。

白山東面の岐阜県側に広がる東面台地(転法輪谷と小白水谷に挟まれた台地)は無雪
期はジャングルのような藪に覆われているため歩くことはできない、雪に覆われた残
雪期のみ自転車やスキーを駆使して山頂に到達することができる。

このコースの最大の魅力は石川県側から見るのと全く異なる双耳峰として迫ってくる
迫力のある白山の展望を楽しみながらブナやダケカンバの森林浴を味わえることであ
ろう。

登山口は岐阜県平瀬である。ここから夏の登山口大白川ダム付近までの林道の除雪は
通常3月から始まるのだが通行できるのは6月に入ってからである。それゆえまず
はMTBにまたがり大白川ダムまで標高差600m,約14kmの自転車漕ぎである。かなりの
急勾配であり、トンネルや大きな落石、雪崩の危険もあり、ビビリながらスキーを担
いで休まず漕ぐしかなかった。

漕ぐこと約2時間、大白川ダム手前数kmまで除雪されていたがこの時期はこのあた
りでも積雪は2m近くに達していた。大白川ダム付近最初の橋を渡るとすぐに東面台地
の取付である。ここからはずっとスキーが使えた。台地下部は平坦でブナが延々と続
く素晴らしい雰囲気である。これほど立派なブナ林も稀であろう。

ブナを楽しみながら複雑な地図を確かめ確かめ慎重に足を進める。標高を上げ振り返
れば乗鞍,穂高,立山連峰まで見渡せる。標高2200mを超える辺りからはほとんど無
木立になり正面には御前峰,剣が峰が荒々しく双耳峰として聳えている。

御前峰−剣ガ峰間鞍部まで高度を上げると山頂はもう間近である。出発から約7時間
を経てようやく山頂に到着である。この時期登山者は皆無であり、白山の広大な山塊
を独り占めして楽しむことができる。

360度の展望を十分楽しんだならいよいよ山頂から東面台地の滑走である。山頂直
下の傾斜は急で雪面はアイスバーンになっているから高度な滑走技術が求められる。

白山を何度も振り返りながら東面の広大なゲレンデを一気に滑り降りていく。1時間
もあれば大白川ダム付近まで降りられる。さあここからMTBを駆使して一気の下りで
ある。2時間汗であえいだ登りも下りなら30分とかからない、午後12時半平瀬温
泉に到着した。往復約9時間の楽しい楽しいスキー山行であった。



白山山頂から東面台地へ滑る筆者

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