信州・上州峠巡り 403km(距離)7923m(標高差)
初日 2014/8/13
今回のチャリ旅には深い思い入れがあった。僕が学生時代にサイクリングクラブに入り始めて本格的にロングライド
を行い、仲間と共に汗を流した十国峠に35年振りに再訪することである。元気のあるうちに行かないと、人生後が無い。
あの苦しかった峠をもう一度訪れたい,あの時泊まった佐久穂の民宿の夜を今も鮮明に思い出す。
折角だからビーナスラインも走ってワンディで累積標高差5000mに挑戦してみよう。そうと決めたらすぐに行動、何とか
初日2日目の宿は確保出来た。最悪ツェルトも覚悟したが屋根があり食事が出るだけでもあり難い。
12日仕事を終えるとそのままチャリを積み込んで白馬を目指す。今回起点を白馬とした。
ここを起点にすれば行動はかなり楽になる。列車を使った輪行より遥かに機動力は良い。
深夜白馬に着き車中泊、早めに寝て翌日深夜2時過ぎに目を覚まして3時発とした。
深夜の道をライトガンガンで小川村を目指す。最初は下りだった。国道147を南下すれば松本へ最短だが
あえて今回は回り道でも峠と交通量の少ない道を最優先とする。
犀川沿いを快適に松本を目指す。松本手前からヒルクライムが始まる。美ヶ原まで標高差1300mかなりの激坂だ。
車でビーナスラインを走った事はあるがこの道は初めてだ。チャリダーが一人休憩していた以外自分だけだ。
初日なのでハイペースでガンガン漕いで行く。一度美ヶ原ヒルクライムにエントリーした事があるが前日受付できず
キャンセルした。今日がリベンジだ。噂通り激坂ですね。ゴール手前で命の水飲み場、頭から水を被り水筒に補給。
さあ美ヶ原に到着、素晴らしい高原風景が広がり、涼やかな風が吹き渡る。生きてて良かった。写真撮りまくりゴールの
駐車場に着いた。しかしこれで終わらないのが今回の旅、累積5000にこだわるのでもう一度下って反対側から美ヶ原に
再度登り返すと言う暴挙に出た。
850m下って二度目の美ヶ原ヒルクライム、しかし二度目は気温が上がり辛い,ほんまに辛い、でも行くしかない。
チャリダーを何人も追い抜きガンガン漕ぐ、こちらも激坂でした。ゴールの美ヶ原美術館に寄りここで昼食タイム。
多くのチャリダーが青春を謳歌していた。学生が多かった。おじさんになってもまた来て下さい。
さあここからビーナスライン本番,この時期は標高が高いので快適だ。素晴らしい景色と涼やかな風、チャリダー天国だ。
多くのチャリダーが行き交っていた。何度も写真休憩を繰り返し、牧場ソフトクリームやキノコ汁などご満悦。
しかしこのビーナスラインアップダウンの連続、100登って100下る。既に足は売り切れ状態、気力のみ。
霧ヶ峰を過ぎようやく下りになり白樺湖に来た。しかし写真撮影で止まる事も多く予想以上に時間がかかる。
ここから麦草峠を超えれば念願の5000m超えになるが宿に連絡すると夕食の関係で19時までに着かないといけない。
このままでは完全に時間はオーバーしそうで麦草峠は諦め距離は長くなるが登りの少ない白樺高原経由に変更。
しかし甘くは無く老体に鞭打ち気合いのみで頑張る。佐久穂まで十数キロやっとか。根性でダンシングしながら
十石街道を宿の臼石荘まで最後のヒルクライム、最後まで登りですか、宿まで残り5km、これで生き返り,何とか18時過ぎに
宿に入れた。すぐに風呂で汗を流してビールで自分に乾杯、よくがんばった、5000は出来ませんが4500は超えました。
晩飯に舌鼓、生きてて良かった。今日の日は一生の思い出になる。部屋に戻るとすぐに熟睡した。自転車万歳!
美ヶ原
涼やかな風が吹き渡る
美ヶ原美術館
二度目の美ヶ原 日が登り甘くは無かった
ビーナスライン
アップダウンの連続 チャリが夢だった
霧ヶ峰
この時期高原ライド最高
白樺湖
ゴールへ まだまだ
初日ゴール
ようやく15時間後 220km 累積4500m 走ってこの日の宿へ
2日目 2014/8/14
さて今日は念願の十国峠越えでありそわそわして深夜3時半に目が覚めた。本当は暗い時間にスタートしたくておにぎり
を宿に頼んだが食中毒もあるのでダメと言う事だった。朝食は朝7時半だったのでキャンセルも考えたがこの先コンビニも何も
ないので朝食食べないともたないと宿の人が話してくれた。
4時間は長かった。風呂に入ったり自転車を整備したり荷物をまとめたり7時には着替えてロビーで待っていたらようやく
朝食が出来ましたと、、、昨日の激走で朝もお腹ペコペコ、四杯お変わりして大満足、朝8時に宿を出た。
既に明るくて日も射し始めて暑い、おまけに激坂であった。十国峠まで400mのヒルクライムであった。昔はダートだったが
今は舗装道で快適な道に変わっていた。こんな道だったけ?確か昔はもっと景色が良かったはずだったが
樹林の中をひたすらペダルを回すといきなり長野ー群馬県境十国峠に出た。全然昔と雰囲気が違う。展望も無くガッカリ
20mはありそうな展望台に駆け上がり周囲を見たが深い雲がたれ込め山並みは見えなかった。下りて記念写真を撮る。
ウロウロしているとゲートがありここが昔汗を流したダートの旧道であった。もう草ボウボウで35年の歳月が流れていた。
まだ20の大学生だった僕は20名近くのメンバーと青春を謳歌した懐かしい峠であった。今もこうして元気にチャリに乗れる
て良かった、しかしもう二度とチャリで来る事はないだろう。
学生時代は十国峠から埼玉の秩父に抜けたが今日も藤岡経由で碓氷峠を登り返す200km越えのハードコースを考えていたが
小雨が降り出しこれから本格的に降り出す予報なのでこれは諦め上野村から直接下仁田に抜ける短縮路とした。
十国峠の下りは工事で一部迂回路があったが問題なかった。反対側から登って来るチャリダーが一名この人も青春を謳歌
している。快適に下ると上野村、御巣鷹山の看板があった。あの日航ジャンボ機墜落事故、当時大学6年生、地元で起きた
大事故に母校の医師も大勢身元調査に駆り出された。今の様にDNA鑑定が無く歯形が唯一の身元判別の決め手だった。
あの大事故から30年近く経とうとしている。
上野村まで下り下仁田へはもう一度ヒルクライムがありとうとう雨が降り出して来た。それでも降ったり止んだりで心地良かった。
下仁田はネギとこんにゃくが有名で周囲の畑には多く栽培されていた。
下仁田から次は軽井沢を姫街道でヒルクライムする。700mのヒルクライムで碓氷峠を超えて行く。ここも33年振りの道だ。
車も少なく気持ちの良い街道であった。マッタリスピードで周囲の石仏や渓谷美を楽しみながら登って行く。
巨大な高速道の橋を見上げながら延々とヒルクライムは続く,一人下りて来るチャリダーもいてようやく登りが無くなったと思ったら
軽井沢に出た。インターから下りて来る車で大渋滞している。全く動かぬ車をガンガン抜くのは気持ち良かった。
軽井沢に入ると土砂降りになる。スリップに気を付けながら渋滞を避け旧道の中山道を快適に上田を目指す。裏道は車も少なく
気持ち良く走れる。ナビ様々である。
御代田まで来ると渋滞も緩和されたので国道18号をぶっ飛ばす事にした。学生時代原付で金沢に帰った懐かしい国道。
最近は高速ばっかで走る事は無くなった。上田までは下り基調で気持ち良く走れた。上田から田沢温泉までは登りである。
青木村に来て田沢温泉が近づくにつれ斜度はきつくなる。最後今日も激坂を漕いでようやく田沢温泉和泉家旅館へ。
田沢温泉は鄙びた由緒ある温泉地であった。午後4時に到着してこの日も120km、2000mを稼いだ。昨日程ではないが腹一杯。
宿は新しく建て替えられた気持ちの良い宿で総湯の裏にあった。すぐに温泉にザボーン、ハードワークの後の温泉は最高だ。
お湯は少し硫黄臭肌に心地良い、風呂から上がり洗濯をしたらマッタリ、明日の計画を吟味する。明日は雨になる。
予定は大幅に変更せざるをえない。
夕方6時に夕ご飯、期待以上に美味しい懐石料理だった。やはりこの日もおひつは空になった。夕食後総湯無料券を頂き
総湯に入りに行く,上がった後村祭りに出掛ける。
村祭りでは屋台が出ており焼き鳥、焼きそば50円、かき氷、ジュース無料と大盤振る舞いだった。折角だから焼き鳥、焼きそば
またまた腹一杯、激しく運動したからなんぼでも食べられる。祭りでは子供たちのスイカ割り大会も開かれ微笑ましかった。
村祭りを楽しんだ後宿に戻り熟睡した。今日も大満足、チャリ旅万歳!
臼石荘朝食
この先何も無いとの事で四杯おかわりしていざ十国峠へ
気合い入れてヒルクライム
ガンガンペダルを回す。樹林帯ゆえ涼しかった
十国峠
20m程ある大きな展望台と水場、トイレが
展望台から
峠を見下ろす
旧道
35年前はこのダートの旧道から登って来た。昔は展望良かったのに
記念写真
もう来る事は無いだろう、本当に懐かしかった
自分撮り
時間が惜しいんで自分撮りも走りながら
姫街道
下仁田から軽井沢まで歴史のある姫街道を走る。車も少なくて快適、700mのヒルクライム
石碑
姫街道には石碑も多い,歴史を感じる。
夫婦岩
一体どうしてこんな場所に乗ったのか?平ヶ岳の玉子石みたい
雨の軽井沢
雨にも関わらず多くのゴルファーが
2日目ゴール
最後も激坂漕いで田沢温泉へ
総湯’
鄙びた歴史のある温泉
村祭り
旅の醍醐味は地元とのふれ合い 焼き鳥・焼きそば50円 ジュース・かき氷無料 太っ腹の祭り
スイカ割り
子供たちの歓声が響いていた
3日目 2014/8/15
さて旅も最終日今日も雨降りとの予報で計画は大幅変更、雨中のチャリは危険なのでコースを大幅変更して交通量の少ない
県道・市道をメインに山岳ロードをヒルクライムする予定,白馬まで60数キロなので午前中には着けるだろう。
朝5時過ぎに起床、早速温泉に入ってすっきり荷物をまとめて朝7時に朝食、今日も山岳ロードでコンビニ無さそう、五杯お変わりして
米びつを空っぽにした。さあ最後まで頑張るぞ
田沢温泉から一旦下って後はひたすらヒルクライム、この日は暑かった。水筒の水を体にかけまくってペダルを漕ぐ。
今日は暑さとの闘いになりそうだ。雨はまだか?ひたすらアップダウンを繰り返す。
聖高原に出てホースから水が流れていた。水場かな?助かった、ボトルに汲むと透き通っていたから頭から水浴びをしていると
近所の女性が駆け寄って来てこれは生活排水だから飲まない方が良い、ゲゲゲ、、、水なら入れてあげるからと声をかけてくれた。それは
嬉しいです。感謝感謝、水を頂いてお礼を言って先を進む。
車のほとんど走らない山岳ロードはたまにバイクは通るがチャリは皆無だった。好んでこんなアップダウンを走る人はいないようだ。
大岡まで下って美麻までまたも12%の激坂が延々と続く、さすがに辛かった。残り20数キロ、行くしかない。
美麻の手前で雨が本降りになった。最初涼しかったがさすがに寒くなった。チャリダーが雨宿りしていた。このおじさんも青春してる。
顔を合わせるだけで心は通じた。美麻から下って最後の登り雨は激しくなり、車の水しぶきがすごい、チャリダーは皆避難しているのか
誰もいない、残り数キロガンバだ。
ようやくゴールが見えて車に到着。感無量です。流した汗に比例して思い出は深くなる。この旅は一生心に刻まれるはずだ。
全身ずぶ濡れで風呂に入る手間が省けた。体をタオルで拭いて、折角だからコージツ山荘白馬店によりサブ3を激励。
最後は白馬飯店で定番のエビチャーハンと五目ラーメンを平らげて旅は終わった。完全燃焼万歳!!
信州山岳ライド
始めは青空も見え暑さとの闘いになった、車はたまに通るくらい
山を見ながら
素敵な景色があると写真撮影
山々
山並みの景色しかない、山好きには持ってこい
道祖神
歴史が古い
記念写真
どでかい道祖神
由来
そうなんですか
白馬到着
お店は多くの人で賑わっていた
白馬飯店
定番のエビチャーハンと五目ラーメン