赤兎山(1628m) 福井県
夏は多くの人でにぎわう赤兎だが冬は小原の集落から雪で閉ざされ,登る人もほとんどいない。
隣の取立と比較しても標高差が2倍弱,距離が約3倍とアプローチは長い。頑張って単調な林道を
行けばそこには別世界が広がっていた。
往復20km,標高差1200m
小原の集落が標高約500mここから山頂まで標高差で約1100mちょっとある。橋を渡って最初の九十九折りと
次もカットして標高550mの山腹に出ることが出来る。かなりのカットになる。
林道の状況
所々危ない場所もあるがおおむね安全な林道である。カットできるところはカットし標高850mで
林道を離れて杉林に入った。あとはアップダウンにはまらぬよう大船山からの稜線1350m
鞍部を目指そう。うまく地形を読みこなさないといけない。
林道を離れた標高1100m付近
林道を離れると山腹を巻くように緩い登りが続く。アップダウンにはまらぬよう注意しよう。うまく読めば
ほぼ問題なく稜線に立てる。
小原峠
正面鞍部は小原峠である。ここから山頂を目指すのが一般的だが展望を楽しむことはできない。
展望を楽しむなら稜線ルートであろう。
標高1200m付近
高度を上げていくと大長山が徐々に頭角を現す。見下ろせば箱庭のような景観が広がっている。
大船からの稜線1350m
稜線上1350mが鞍部となっているのでここを目指して進もう。ここに付けば山頂までほぼ登り一辺倒で
楽勝である。正面奥に赤兎が見える。
稜線1450m
なだらかな稜線を進めば赤兎が近づいてくる。進行方向右手には雪庇が出来るので気を付けよう。
稜線から見た大長山
稜線上部からは大長山が抜きんでて見える。小原峠から赤兎と反対方向を行く。
稜線の雪庇(振り返ると)
雪庇の向こうに経が岳が見える。なかなか展望に優れた稜線である。
稜線と経が岳
稜線の全景。経が岳の展望は素晴らしい。
赤兎山頂
何となく山頂に着いた。小原峠の合流点から山頂まではクラストしているので気を付けよう。
山頂の白山
もちろん白山の展望が素晴らしい。この日下りは小原まで1時間だった。
山行記録2003年2月26日(水)
1月に京都の中村さんから投稿があって以来ずっと気になっていた。隣の人気の取立
と比較しても標高差が2倍弱,距離が約3倍とアプローチが長いためこれまで厳冬期に
登頂することをためらっていた。中村さんの情熱に感銘を受け僕も本日挑戦してきた。
【山域】赤兎山 1628m
【場所】福井県
【日時】本日2月26日(水)
【コース】小原の集落−林道沿い標高850m−杉林突入−大船山からの稜線鞍部1350m
−赤兎山 往復
【メンバー】単独
【装備】アトミックβライド9.22 160cm,ディアミール,TR12
【天気】曇り
夏は大勢の人でにぎわうこの山も厳冬期の登頂者はほとんどいないはずだろう。しか
しこの時期別世界が広がっていた。中村さんの小原峠経由ではなく展望に優れたこの
コースでたどってみた。
2月25日(火)この日も仕事を終えると道中で8番ラーメンを食べて行くことにした。
ノンアルコールビールで餃子,鶏からと一日の激務をねぎらった。
夜遅く小原の集落に到着。集落の終点まで車を入れここで一休み。今日の別荘はここ
だ。川のせせらぎを聞きながらサンルーフを全開にして満天の星をつまみに持参した
ビールを飲んだ。何と贅沢な暮らしだろう。僕にとってはこれ以上の安らぎはない。
さてボチボチ寝るとするか明日は早い。
2月26日(水)朝4時起床。中村さんは10時間行動だったはず,僕も覚悟して望むこと
にして早起きした。気合いを入れていきますか。
4.48 480m 小原集落発。ゲートを過ぎて橋を渡って少し行ったところから最初の林
道カット開始。暗闇だが雪は多く何処でも入れるだろう。面倒なヘアピンカーブを二
つカットして随分先まででることができた。儲かった気分。
更に先を単調な林道を淡々と進む。登山者のトレースは皆無であった。カットできる
ところはことごとくカットし,なるべく最短距離になるように進む。
6.45 850m 林道から森へ。林道の標高850mで林道を離れ杉林に入る。小原峠は目指
さず,展望が良さそうな大船山からの稜線1350m鞍部を目指すことにする。ただしこ
のルートはかなり地形を読みこなす能力がないとアップダウンにはまったり迷うこと
になるだろう。ほぼ読図通り順調に進むと大長山の姿が圧巻だった。標高1100mから
大船山に突き上げる谷に入り1250mあたりからトラバースしながら1350m鞍部を目指す。
8.32 1350m 大船山から赤兎に伸びる稜線着。ようやく1350m鞍部に到着。ここに出
ればあとは山頂を見ながら快適な登り一辺倒である。正面にはずっと赤兎が見え,振
り返れば経が岳が素晴らしい。進行方向右手には雪庇が出ており注意する。
9.22 1550m 小原峠からの合流点着。やっと合流点に到着した。ここからはクラス
トした斜面を登る。正面にようやく山頂が見える。
9.37 1628m 赤兎山頂着。何とか到着した。風はそこそこ,小原を出て実に4時間50
分だった。うまく林道カットできたのが良かった。白山の展望は申し分ない。一人で
この展望を楽しみ悦に入る。
10.00 1628m 赤兎山頂発。十分写真も撮ったことだしそろそろ行きますか。下りは
快適だった。時間も早いので雪質も良かった。まだ融けてはいない。
10.11 1345m 稜線鞍部。ここからも一気に林道へ滑り込む。
林道もまだカリカリしており実に山頂を出て一時間で集落に到着した。
11.02 480m 小原集落着。大満足であった。
厳冬期の赤兎に登頂でき良かった。
やっと登頂する気になった中村さんの報告に感謝します。
早速今日の写真とルート解説をアップしました。取立に飽きた方,次はここしかない
でしょう。