槍ガ岳+奥穂高岳 ワンディ

今シーズンの成果を試すべく気力と体力の限界に挑戦する事にした。新穂高を起点に槍ガ岳,奥穂高岳

を谷を巡って日帰りすると言うハード山行は累積標高差3560m,要した時間は17時間となったが

名人と二人無事成し遂げる事ができた。

コースマップは赤,新穂高から白出までは林道

飛騨乗越

新穂高からスキー歩行開始,ハイペースでがんばり6時間で3000mを超える飛騨乗越に到着。

ようやく槍と対面した。さあまずは槍だ。

大喰岳

飛騨乗越は槍を挟んで大喰岳が聳える。

笠が岳

飛騨沢の背後には笠が岳その遥か向こうに白山が見えた。

槍の肩

槍の肩まで来ると穂先が一層近くなる。

槍山頂

槍の肩から山頂までは凍り付いた岩と雪壁をよじ登った。誰も人はいなかった。

槍山頂の展望

奥にジャンダルムその手前の堂々としたピークが奥穂である。さあ待ってなさい。

肩の小屋

山頂から見た肩の小屋はまだ雪に埋もれていた。

槍中腹からエントリー

雪の残る中腹までスキーを担いでいざ滑降

槍沢

貸し切りの槍沢を標高差600m滑り降り天狗原さらにコルまで200mの登り返し。

名人が飛ぶ

槍をバックに槍沢を飛んでる名人

横尾本谷

標高2700mのコルから横尾本谷を標高差800mかっ飛ぶ。ここはモナカ雪に苦しめられた。

横尾本谷

横尾本谷は広くデブリはほとんどなかった。

涸沢下部にて

標高1900mで横尾本谷は涸沢と合流。背後に滑った本谷が見える。

涸沢

標高2300m付近にある小屋は雪で完全に埋まっていた。正面には奥穂が壁になって見える。

白出コルは右だ。コルまで標高差1000mの登り上げ,さらに奥穂山頂まで+200m

奥穂の壁

涸沢から見上げる奥穂は圧倒的な迫力で聳えていた。

涸沢全容

広い涸沢だが僕達二人で貸し切りだった。

奥穂直登ルンゼ

この時期このルンゼも雪は豊富だ。ルンゼの上が山頂だ。

涸沢

標高2700mから斜度は増し膝まで潜るラッセルに耐えコルを目指した。頑張るのみ。

白出コル

ようやく白出コルに,穂高岳山荘はまだ大半が雪の下だった。

奥穂にアタック

コルから雪壁をダブルアックスで慎重にこなしようやく歩きやすくなった。背後は涸沢岳

奥穂

奥穂のピークは最も後ろの岩,カチカチアイスバーンを進む。

奥穂の途中から振り返れば午前中登った槍ガ岳が見えた。

ジャンダルム

ジャンダルムが見えれば山頂は近い。

奥穂山頂

山頂までモチベーションは途切れなかった。さあ白出沢が氷らない内に帰らねば。

帰りは慎重に

雪壁を慎重に下る名人

白出コルから滑降

山荘裏から沢にエントリー,西日で雪は多少緩んでいたが慎重に滑った。

白出沢

白出沢上部はスベスベで快適だった。

白出沢のデブリ

白出沢の通過時間は選ばないと危険だ。今日のデブリも至るとこにあった。

全景

コルから800m滑って白出大滝を巻く。

シュプール

白出沢には僕達のシュプールがハッキリ残った。

夕暮れ迫る

無事白出小屋まで滑ってこれた。明るい内に帰れそうだ。本日も完全燃焼。

              山行記録2008年4月6日(日)

雪が締まる残雪期になるとスキーの移動距離は格段に伸びる。4月上旬まだ雪の多い
北アルプスで気力と体力の限界に挑戦してみた。槍と奥穂のワンディ登頂は累積標高
差3560m、17時間におよぶ試練の山旅だった。

【山域】槍ガ岳3180m  奥穂高岳3190m
【場所】岐阜県
【日時】2008年4月6日(日)
【コース】新穂高―飛騨沢―槍が岳―槍沢―天狗原―横尾本谷―涸沢―奥穂―白出沢
―新穂高
【メンバー】僕と名人
【装備】フォルクル・マウンテン 156cm,TLT,ガルモントメガライド(僕)  
    BDバーティクト 170cm,ディアミール,ガルモントメガライド(名人)
【天気】一日快晴

1.00  1110m 新穂高発
2.21  1540m 白出沢
3.30  1750m 滝谷
4.16  1990m 槍平小屋
7.00  3010m 飛騨乗り越し
8.15  3180m 槍ガ岳山頂
10.09  2600m 天狗原
10.50 1900m 横尾本谷と涸沢合流点
12.04 2300m 涸沢ヒュッテ
2.21 2983m 穂高岳山荘
3.26 3190m 奥穂高山頂
4.11 2983m 穂高岳山荘
5.38 1540m 白出沢
6.07 1110m 新穂高着

2008年4月5日(土)夜6時ようやく仕事が終わり解放される。明日は絶好の山日和だ。
急いで深沢の待つ新穂に向かう。夜9時半ようやく到着、すぐに酒を飲みながら明日
の計画を練る。明日は何としてでも槍と奥穂のダブル登頂を成功させる。夜10時にお
開き、明日は深夜1時に出発と別れ車中泊とした。

2008年4月6日(日)深夜12時起床。1時間半は眠れたか。眠いが行くしかない。明るい
うちに帰ってこられるか。

1.00  1110m 新穂高発 ロープウェイ駐車場はもう有料に変わっていた。満天の
星を見上げ黙々と歩く。雪は十分締まっておりハイペースでドンドン林道を歩いてい
く。

2.21  1540m 白出沢 このあたり積雪は1m近くある。沢を渡りしばらく進んで河
原に下りて左岸を進む。数日前のかなりの降雪でチビ谷のデブリはおとなしくなって
いた。

3.30  1750m 滝谷 滝谷のデブリは大したことはなかった。ここまで2時間半、
いいペースだ。

4.16  1990m 槍平小屋 ようやく到着、冬季小屋に入ると前泊登山者が朝食を取っ
ていた。今日は槍だろうか。ここで初めて休憩を取り、カロリーを補給した。お先に
と挨拶をしてまだ真っ暗な飛騨沢に飛び出した。時間が早く飛騨沢はクラストしてい
て難儀だった。クトーでガンガン登りひたすら飛騨乗越を目指す。

7.00  3010m 飛騨乗越 出発から6時間で到着。残雪期はやはり早い。さあ槍ま
でもう少しだ。雪に埋もれた肩の小屋を横目に誰もいない槍をアイゼンで登る。

8.15  3180m 槍ガ岳山頂 今日は素晴らしい360度の展望です。遙か向こうに奥穂
が見える。先は長い急ごう。槍中腹までスキーを持ち上げてここからから槍沢目指し
滑降。先日の降雪で雪の表面はモナカになり滑り辛かった。

槍沢を2500mまで滑って天狗原に登り返す。コルまで標高差200mの登り返しだ。日陰
斜面は踝ラッセルだった。体力は消耗した。

10.09  2600m 天狗原 この時期池はもちろん隠れていた。標高2700mまで登り上げ
いよいよ横尾本谷の滑降。しかしこの谷も雪はモナカで厳しい滑りだった。足がパン
パンに張り我慢の滑りだった。

10.50 1900m 横尾本谷と涸沢合流点 コルから標高差700mの滑りで合流点に来た。
さあここからが勝負だ。奥穂山頂まで標高差約1200m、貸し切りの涸沢を黙々と奥穂
を目指す。

12.04 2300m 涸沢ヒュッテ ヒュッテはまだ雪の下だった。ここから傾斜は少し
ずつ急になる。標高2700mから傾斜がきつくなりスキーを担いで壺足にした。しかし
ラッセルは膝となりため息をつきながら交代でラッセルを頑張った。

2.21 2983m 穂高岳山荘 小屋はすっぽり埋まっていた。さあ残り200m行くしか
ない。ハシゴを登るとすぐに急な雪壁、ここはダブルアックスで慎重に行く。雪壁を
過ぎれば岩混じりの氷化した斜面が続く。

ジャンダルムが見えれば山頂は間近だ。

3.26 3190m 奥穂高山頂 着きましたやりました。ついに登頂です。遙か先に午
前中登頂した槍が見えた。感無量である。さあ後はもう下るだけだ。白出沢が凍って
しまう前に早くスキーで下りなければ。

山頂から白出のコルまで慎重に下った。事故の多い雪壁は特に注意した。

4.11 2983m 穂高岳山荘 さあ後はスキーで新穂高まで下るだけだ。ここで板を
履き小屋の裏から白出沢に飛び込んだ。この時間白出沢には西日が当たり雪面はほど
よく緩んでいた。周囲からの雪崩れに気を付けながら後は一気に下るのみ

白出大滝の巻きに少し手こずったがやはりスキーは早い。あっという間に白出小屋付
近まで下る事ができた。

5.38 1540m 白出沢 もう安全圏だ。ここからは林道をただ滑るだけだ。ガンガ
ン林道を飛ばすとようやく新穂高が見えた。

6.07 1110m 新穂高着 長い一日だった。何とか暗くなる前に戻る事ができた。
深沢と二人で互いの健闘をたたえながら荷物をかたづける。今日は完全燃焼だった。

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