羊蹄山 1898m 厳冬期山頂滑降
いよいよ北海道を代表する激パウの聖地羊蹄山山頂からの標高差1500mの挑戦である。
富良野からの移動中否応無しにモチベーションは上がる。羊蹄を外してこの旅の成功
は無い。何が何でもピークは踏んでみせる。敗退は絶対無いとのぞんだ。
【山域】羊蹄山 1898m
【場所】北海道
【日時】2011年1月3日(月)
【コース】真狩−羊蹄山往復
【メンバー】僕、長男
【装備】ヘルベント 169cm,TLT,ガルモント(僕)
ポンッーン 179cm,TLT,ガルモント(長男)
【天気】雪
5.18 290m 真狩登山口駐車場発
7.55 1480m アイゼン歩行開始
9.29 1800m 外輪山
10.07 1898m 羊蹄山山頂
10.43 1898m 羊蹄山山頂発
11.44 290m 真狩登山口駐車場
前夜真狩に着くと深々と雪が降っている。明日は激パウ間違いなしだ。
いつものように長男と車内でコンビニ弁当を食べ酒を飲みながら作戦を練った。
起床は4時、出発は5時と決めた。
20011年1月3日(月)朝起きるとまだ雪が降っていた。今日も視界は悪そうだ。問題は風
と氷だろう。急いでテルモスにコーヒーを詰め朝食を取るとスタートだ。
5.18 290m 真狩登山口駐車場発 正月のトレースがうっすら残るが今日は誰も登
山者はいないようだ。いつものように長男は179cmのポンッーンを細板を扱うように軽々
とハイペースでラッセルして行く。
さすが若さだ。今日も2番手で着いて行くのもやっとこさだ。ただひたすらラッセルす
る場面は長男に任せ上部の厳しいルート取りが必要な場面は僕がルートを開拓して行
く、毎日このような役割分担である。
降り続く雪でトレースも時期不明瞭になりまたもや暗闇の中GPSを頼りにルートを延ば
して行く。風は強くゴーゴーと唸りを立てている。樹林帯を長男はものともせずラッ
セルを続け帰りの激パウ間違い無し。
標高1300mを過ぎた頃から灌木もまばらになりいよいよ氷化斜面の登場である。先頭交
代である。厳冬期の羊蹄の難しさはここから先の風と氷化斜面の克服にある。大半の
スキーヤーはこの辺りまでで終了だろう。
何とか氷化斜面を風に耐えながらクトーを効かせ標高1450まで高度を上げたがもうこ
の辺りが限界だろう。
7.55 1480m アイゼン歩行開始 視界が全くない中強風に耐えまっすぐ外輪を目指
す。残り300mがんばるのみ、GPSがなければとうに敗退だろう。
氷化斜面が中心だがたまに吹きだまりはゴボゴボ潜る。根性で高見を目指す。一瞬ガ
スが晴れ外輪が見えた。一気にモチが上がる。行くしか無い。さあ外輪がすぐそこだ。
9.29 1800m 外輪山 何とか着いた。ただ真のピークに立つにはここから半時計回
りに1/3周岩陵帯を超えて行かなければならない、ガスの中見えないピーク目指して板
を担いで進む。何度も偽ピークにだまされながら必死に岩陵帯を超えて行くとついに
海老のシッポで凍り付いた山頂の標識が見えた。
10.07 1898m 羊蹄山山頂 ようやくたどり着いた。出発して5時間弱ラッセルと風と
氷さらに自分との闘いだった。長男と写真を取り合いいよいよ山頂からの滑走である。
10.43 1898m 羊蹄山山頂発 相変わらず雪は降り続き視界は全くない。安全に滑る
にはどのようなルート取りが最適か熟慮しながら僕が先頭で下って行く。
視界が良ければどれだけ楽しいだろうか。ただそれよりも山頂に立てた事で思いは一
杯だった。
山頂直下は岩もかなり出ておりそれを避けながら慎重に氷化斜面を下る。経験不足の
長男は腰が引けているが安全第一で下るように所々待っている。
雪質の良い安全斜面を選びながら森林限界まで高度を落とす。
森林限界まで下るといよいよ激パウスタートである。この為に頑張って来たのである。
さあスーパーファットの真骨頂である。激パウは素晴らしい。羊蹄こそ北海道の聖地
だろう。どこまでも続く激パウに大満足して僕たちはスキーを楽しんだ。
11.44 290m 真狩登山口駐車場着 無事到着 深々と車には雪が降り積もっていた。
いつもの真狩温泉で汗を流していよいよ明日の最終日に向け大滝村へと車を走らせる。
羊蹄山をスキーで滑る事と厳冬期ピークを踏んで山頂から滑走する事とは全く意味が
違うと長男には言い聞かせた。長男にはピークにこだわり続ける山スキーヤーになっ
て欲しい。
行程図
森林限界1400mからが本当の試練、外輪から真のピークまで岩陵帯のアップダウンが続く
ようやく朝日が
真狩を暗闇スタート標高1200mでようやく明るくなった
眼下に
たまにガスが晴れると眼下に大展望が
根性
標高1500m手前から根性のアイゼン歩行、風との闘い
外輪が見えた
一瞬ガスが晴れ外輪が見えた、行くしか無い
真のピーク
外輪のアップダウンを超えてようやく真のピークが
ゴール
全身凍えました
山頂から
真のピークから滑降してこそ山スキーヤー
パウ
ガスの中パウを楽しむ
浮きは最高
ポンッーンの浮きは最高
激パウ
北大山スキー部の滑り
パウ
粉雪が舞う
親父も負けじと
ヘルベントの浮きも素晴らしい 羊蹄山は大満足でした