冬季槍ガ岳(3180m)・ワンディパウダー滑降
過去1月の厳冬期にワンディを成功させた事があるが,今回3月降雪直後を狙って飛騨沢のパウダー滑降を楽しんだ。
スキーは可能な限り持ち上げ穂先の中腹から滑降した。
槍平でようやく夜が明けた。先日スキーで登った涸沢岳西尾根が良く見えた。涸沢岳山頂に朝日が射した。
槍平小屋
槍平小屋前で休憩,屋根は雪の重さに耐えていた。一体何トンあるのだろう。
飛騨沢
槍平から標高差千mの飛騨乗越まで黙々とラッセルを続ける。
西鎌尾根
西鎌尾根にもようやく日が射し始めた。降雪直後は美しい。
飛騨沢上部
ここまで上がると中崎尾根は下に見え笠もよく見える。ガンバ深沢。
飛騨沢2900m
この時期飛騨沢に日が射す前に飛騨乗越まで上がれば雪崩に会う事はない。
飛騨乗越目前
ようやく3000mを越す飛騨乗越に到着する。スキーで全て上がれた。
飛騨乗越にて
ここまで上がれば初めて槍が見える。ここからスキーを担いで槍を目指す。
槍の肩にて
ここから見る凍った槍はワンダフルであった。白い槍が見たかった。
穂先の途中から
穂先の中腹までスキーを持ち上げ後はダブルアックスで山頂を目指す。
雪壁
凍った斜面は慎重にダブルアックスで行く。鎖はほとんど隠れていた。
山頂にて
深沢名人は疲れ果て写真中も眠っていた。
純白の穂高連峰
槍山頂からの純白の穂高連峰は素晴らしい。360度のパノラマを心ゆくまで楽しもう。
あっという間に視界は悪くなりガスが出て来た。
下山
登りで凍り付いた梯子は全て氷を蹴落としたので帰りは安全だった。
穂先下山中
油断せず慎重に下りよう。ザイルは持って行ったが使わなかった。
穂先中腹から滑降
赤の矢印からエントリーした。ジャンプターンで落ちて行く。僕に続いて名人ゴー。
飛騨沢パウダー
飛騨沢は場所を選べばパウダーが残っており,粉を巻き上げながら快適に滑降した。 3
山行記録2006年3月5日(日)
時刻-標高-場所
2.00 1110m 新穂高ロープウェイ駐車場発
3.50 1540m 白出小屋着
4.29 1500m 右俣谷河原
5.15 1750m 滝谷
6.01 1990m 槍平小屋
9.37 3010m 飛騨乗越
10.58 3180m 槍ガ岳山頂着
11.06 3180m 槍ガ岳山頂発
11.30 3100m 滑降開始
12.15 1990m 槍平小屋着
12.40 1500m 右俣谷河原
1.24 1540m 白出小屋着
1.53 1110m 新穂高ロープウェイ駐車場
今日も12時間行動の末、槍中腹3100mから滑降してきました。ラッセル頑張った分、
飛騨沢はパウダーに恵まれ二人だけの貸し切りゲレンデと化しました。
【山域】槍が岳 3180m
【場所】長野県
【日時】3月5日(日)
【コース】新穂高―槍平―飛騨沢―槍山頂往復
【メンバー】僕・深澤君
【装備】アトミックシュガーダディ 153cm,ディアミール,ガルモント(僕)
サロモンポケロケ 175cm,ディアミール,ガルモント(深沢君)
【天気】晴れのち曇り、強風
3月4日(土)明日は晴れそうだ。朝からそわそわ、日曜はどこへ行こうか。立山か
槍か悩んだが、もう3月になり厳冬期が過ぎた立山は記録的価値が少ないので、ここ
数日の降雪でパウダーが楽しめそうな槍に決めた。
こうゆう時に限って仕事は忙しい。朝から能力の限界に近い10時間労働を終え急いで
車に飛び乗り深沢君が待つ新穂高に向かった。夜9時半無事到着。宴会をしながら明
日の準備だ。過去に厳冬期単独で日帰りした経験からこの時期雪崩を避けるため深夜
2時に出て飛騨乗越は9時前後に着くように計画した。
早すぎるという深沢君の意見を却下して一日くらいまともに寝なくても大丈夫だと説
得した。でも数時間の仮眠はできた。
3月5日(日)朝1時過ぎ起床。急いで支度をする。パンを一つかじっていざいざ。
2.00 1110m 新穂高ロープウェイ駐車場発。堰堤工事の影響でしばらく除雪してあ
る。気にせず雪を拾い林道をカットしながら進む。
トレースはある。入山者はいるかも、先行者はご丁寧に林道をずっとそのまま進んで
いる。僕たちはうまくカットして無駄なく進む。先は長いから無理に飛ばさない。
3.50 1540m 白出小屋着。トレースはここで終わっておりこの先誰も入山者はいな
かった。クロカン散歩集団だったのだろう。白出しを過ぎて程なく河原に下りた。
4.29 1500m 右俣谷河原。雪は多い、ルートは自由である。この時期は初めてだが
雪の多さに嬉しくなった。ラッセルは踝から最悪でも靴程度で楽勝気分であった。チ
ビ谷では猛烈なデブリ跡。小山のように盛り上がっている。
5.15 1750m 滝谷。ここは例年猛烈なデブリを目にするが今年は皆無でがっかりし
た。この辺りから沢を下る風が寒く凍えながら歩いた。ペースはまずまずだ。
6.01 1990m 槍平小屋。小屋の屋根の雪は凄い事になっていた。よく小屋が無事だ。
さあここから飛騨乗越までが標高差千mの体力勝負だ。ラッセルは相変わらず踝程度
だ。場所を選べばかなりパウダーは期待出来る。飛騨沢はデブリは皆無でスベスベだっ
た。
写真を撮りながら快適に高度を上げていく。今日の雪の状態なら雪崩の心配はない。
飛騨乗越までクトーもいらずそのままスキーで登り上げた。
9.37 3010m 飛騨乗越。さすがにここは風の通り道、もうたまらない。ここをエン
ドにここからスキーで滑る人は多いが僕たちは山頂に着いて始めて感動を味わえると
考えているのでスキーを担いで槍を目指す。
槍は白く凍っていた。山頂からの滑降は無理だが可能な限り山頂に近い位置からエン
トリーする事にして中腹までスキーを持ち上げた。ここでデポしてダブルアックスで
穂先を目指す。
鎖は雪で隠れ、ハシゴはエビの尻尾でびっしり、僕が先に行き深沢君を安全地帯で避
難させ氷をたたき割りながら登っていく。一応ザイルも持ってきたがダブルアックス
で問題なさそうだ。最後のハシゴを登ると山頂に出た。
10.58 3180m 槍ガ岳山頂着。無事到着。天候は急速に悪化し強風が吹き荒れている。
長居は無用だ。もう笠は見えない。記念写真を一枚撮った。
11.06 3180m 槍ガ岳山頂発。急いで慎重に下る。氷を落とさないように気を遣う。
あっという間にスキーデポだ。
11.30 3100m 滑降開始。何とかここからなら滑れそうだ。堅い斜面をジャンプター
ンを織り交ぜ落ちていく。肩の小屋を巻いて飛騨乗越まで直に滑っていく。
飛騨乗越まで来たらもう安全地帯だ。ここからは進路を大喰よりに取りパウダーを頂
く。最高です。大満足です。貸し切りの飛騨沢を雄叫びを上げながら快適クルージン
グだ。これだから止められません。あっという間に槍平へ。
12.15 1990m 槍平小屋着。ここからも河原沿いに一気に下る。長居は無用。
12.40 1500m 右俣谷河原。ここからシールで登り返す。
1.24 1540m 白出小屋着。ふっ疲れました。後は一気に飛ばすだけ。
1.53 1110m 新穂高ロープウェイ駐車場発。今日も完全燃焼12時間に及ぶ楽しい一
日でした。
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