(mizuaoiの写真館改題)

(こちらは石川の植物の別館です)


植物生態観察図鑑 おどろき編

全国農村教育協会発行の植物生態観察図鑑シリーズ第1弾です。

 オウレンの性型については、植物図鑑では、雌雄異株とか、両性花と雄花とがあるなど、様々な記述があるが、実際の所は「両性花の株、雄株、雌株、両性花と雄花の混ざった株」が見られる。
 植物図鑑の記述を鵜呑みにするのではなく観察が重要である。
 オウレンの性型についても8ページにわたって詳しく解説。
 右の画像はオウレンの雌株。

など、どんな類書にもない新情報が写真607枚、192ページに納められています。

 

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石川の植物


134 ママコナの語源 2016年11月8日
 「ママコナ」の語源については、諸説ある。
・牧野日本植物図鑑には「下唇面ニ竝ベル米粒状白斑ニ基ケル乎」とある。
 下唇にある1対の隆起を見て「米粒」を思い浮かべるのは極めて自然である。よって、「ママ(飯)」は理解できるが、「コナ」の説明がつかない。 
・図説花と樹の大事典には「成熟する前の種子、あるいは花の基部にある、2つの白い斑点の様子が米粒に似ているため」とある。
 「成熟前の種子」は、色も形も大きさもまさしく米粒にそっくりであるが、わざわざ未熟の果実を開いて未熟の種子を見て命名するのは、いかにも不自然であるし、やはり「コナ」の説明はつかない。また、花の基部(喉部)にある、2つの白い斑点は小さくて見にくいし、米粒のようではない。この説では、喉部の斑点と下唇の隆起とを混同しているようである。基部(喉部)の斑点は小さくて目立たないが、下唇の隆起は大きくて目立ち米粒のようであるから、それなら肯けるが、牧野説と同じ事になり、やはり「コナ」の説明はつかない。

 なお、現代人は米粒と聞くと白米を思いがちだが、完熟した種子は褐色で、いわゆる古代米の赤米に近い色のように思える。これなら果実が裂開すると自然に見えてくるものであるから、「ママ(飯)」と捉えるのも理解できる。やはり、「コナ」の説明はつかないが。
 
 
広辞苑には、『ままこ【継粉】@ 粉を水などで捏ねる時、中にこなれぬ所のできた部分  A 「ままこなの略」とある。』
 
ままこな=だま なのである。

 つまり、「ママ」を(飯)として考えると「コナ」を理解できないが、小麦粉などを水に溶いた時,完全に溶けずにできる「だま」のような塊が下唇にあることから「ママコナ」と名付けたとみればよいのである。
 こんな語源考はいかがであろうか。

シコクママコナの全体像については、ここをご覧頂きたい。
 
図1 ママコナの喉部の白色の斑と下唇にある米粒状の隆起。ここの図14から引用
図2 1個の果実には、1〜4個(1〜2個であることが多い)の種子が入っており、未熟のうちは白米のようであり、完熟すると褐色になる(画像はシコクママコナ)
図3 小麦粉を溶かしたときにできる「だま」
図4 完熟して裂開をはじめた果実(画像はシコクママコナ)

図5 裂開した果実から姿を見せている完熟種子(画像はシコクママコナ)
図6 白い帽子のように見えるのは、エライオソームであろう(画像はシコクママコナ)


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