FILE21  シャクジョウソウ
 シャクジョウソウの群生 (周りの緑葉及び枯葉はツクバネガシ)
 花序 (花弁の一部を取り去った状態)  若い果実

 アキノギンリョウソウと同じシャクジョウソウ属の10〜20cm程の植物です。決して綺麗な花ではありませんし、薄暗い林の下でお目に掛かるとちょっと気味の悪い植物ですが、なぜか私は大好きです。ギンリョウソウもかなり珍しい植物ですが、シャクジョウソウはさらに珍しいものです。
 茎の先端部に下向きの花を数個、総状につけます。この姿が、修験者の持つ錫杖に似ていることから「錫杖草」の和名が付けられました。花は下向きに咲きますが、果実は上向きになります。〔総状花序:花をつける軸に柄のある花が並んでいるもの。フジの花など〕
 シャクジョウソウは近縁のギンリョウソウモドキ(アキノギンリョウソウ)やギンリョウソウ等と同様、腐生植物(菌根植物ともいう)と呼ばれています。葉緑素をもたないので、枯れ葉等から栄養分を吸収して生活していますが、枯れ葉を直接分解するのではなく、これらを分解する菌類が根について菌根(菌類の菌糸が根の表面または表面に近い組織で繁殖する外菌根)をつくり、菌類が吸収した養分を間接的に吸収するという形を取っていると言われています。従って、栽培は極めて困難です。ギンリョウソウ同様、枯れると黒変します。
 昨年、見つけたときは花が終わっていたので、今年は時期を見計らって花の撮影に成功しました。
 ギンリョウソウを紹介したHPはかなりありますが、シャクジョウソウを紹介したものは少ないので紹介しました。
花模様