FILE27 ナミキソウ
 シソ科の多年草で、海岸の砂地に生えるので、「浪来草」の意味だとのことです。葉は厚くて、全体に短毛が密生し、長い地下茎を砂中に伸ばしています。
 唇形の花が、2個ずつ対をなして並ぶ様子が、イルカの兄弟でも見るようなイメージだったので、記録しました。

 夏の海岸において、ひときわ鮮やかな花です。茎の切り口が4角形で、高さ10〜40cmの草です。日本全土に分布しますから、皆さんの近くの海岸でも観察できます。
 学名は Scutellaria strigillosa ですが、Scutellariaとは、(小皿)を意味しています。
 このScutellaria(スクテルラリア:タツナミソウ属)の類は、萼の形が特異で、上下の2唇が2枚貝のようになっており、果実が熟すと、上唇だけが散り落ちます。このとき残った下唇の様子が、右下の写真のように「小皿」なんです。この特徴を知っていると、萼を見ただけでタツナミソウ属の植物であることの見当がつきます。しかし、その後が大変です。似たような種類が多く、同定は困難を極めます。それでも、ナミキソウはわかりやすい種類です。
 

花模様