FILE62 ヨウシュチョウセンアサガオ | |||||||
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左は花のアップ。右上は花の内部。右下は雄しべ・雌しべのアップ。 | |||||||
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左は、花後、花冠が抜け落ちたところ。雌しべの子房には、刺の元がすでに付いている。 | |||||||
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左:熟した果実から、黒い種子が顔を覗かせている。右:種子の顕微鏡写真(スケールはmm) | |||||||
原産地は熱帯アメリカで、明治の始めに渡来したと言われるナス科の1年草です。 私が、本種に最初に出会ったのはおそらく40年ぐらい前の大学生の時でした。それ以来、ついぞ見かけなかったのに、今年の春突然、庭に2株生えてきました。懐かしくなって、夢中でデジカメで撮影しまくりました。なぜ急に我が家に生えてきたのかと考えたところ、どうも妻が「イガナス」の名称で花材として生け花に使っていたものを庭に捨てたためらしいと分かりました。このように花材として使われることから、最近、目立つようになったのではないでしょうか。 チョウセンアサガオの類は、この他にチョウセンアサガオ、シロバナヨウシュチョウセンアサガオ、ケチョウセンアサガオ、アメリカチョウセンアサガオなど、花が上向きに咲き、果実に太い刺があるチョウセンアサガオ節と、多年草あるいは低木で、花が垂れ下がって咲き、果実に刺のないキダチチョウセンアサガオ節とに区別されています。 チョウセンアサガオとヨウシュチョウセンアサガオとは、まったく別の種類なのですが、よく似ています。ヨウシュチョウセンアサガオの果実は卵形で種子が黒色であるのに対し、チョウセンアサガオの果実は球形で種子は淡黄白色(灰色)、というのが区別点のようです。いずれも全草にアルカロイドを含み、幻覚誘発剤として旧石器時代後期から中石器時代にはすでに利用されていたということです。 チョウセンアサガオについては、江戸時代、天保年間に渡来し、華岡清洲がその花から作った「通仙散」(つうせんさん)という全身麻酔薬を用いて、1804年に乳ガンの摘出手術に成功したとのことです。これは、日本で初めての外科手術であるばかりでなく、米国の歯科医モートンらによるエーテル麻酔法に40年も先立つ画期的なものであったということです。(週刊 朝日百科 植物の世界 による) ただし、一般には、区別しないで「チョウセンアサガオ」と呼んでいる場合も多いと思います(また、前述の……チョウセンアサガオと呼ばれるものもすべてひっくるめて言っている場合もあることでしょう)。 薬はその裏に毒の面を持っていますので、チョウセンアサガオによる中毒事故も時々発生しております。 その点から、 「チョウセンアサガオ中毒について」http://www5a.biglobe.ne.jp/~yuyo/asagao/asagao1.html と題するHPがありますので、ご覧になることをお薦めします。中毒事故の詳細やチョウセンアサガオの写真が掲載されています。 |
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