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9月号の表紙で、「1日花である。」と言明した後で、私の愛読しているある参考図書を見たところ、「花は3日の命で、3日目にはしぼむ」ということを明記してありました。私のフライイングかと一瞬焦りましたが、どうも日頃の観察結果と合わない気がいたしましたので、撮影して確認したところ、やはり1日花でした。
(下の図は、同じ花序を3日間にわたり撮影したもので、図中の文字は、開花日です。) |
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図12 9月7日 7時16分 |
図13 9月8日 10時55分 |
図14 9月9日 7時3分 |
当日の花は、それぞれ横向きに咲いているが、前日の花は、すでに下を向いてしおれている。
9月6日の花から、白い糸のようなものが垂れているのは、目印の木綿糸である。 |
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図15 9月7日 0時9分
深夜、蕾がほころびて、雌しべが顔を出す。
左端の6日に開花した花には、目印の木綿糸が巻き付けてある。
懐中電灯を頼りに撮影。
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図16 9月7日 0時49分
この時間帯では、葯はまだ開いていないので、柱頭に花粉は付いていない。
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図17 9月7日 7時16分
目覚めて、柱頭を見ると、もう花粉がビッシリ付いている。 |
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図18 9月8日 1時25分
子房の上端付近の溝の部分から、蜜が分泌され始めている。
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図19 9月8日 3時32分
蜜の量が増えている。
ただし、図18とは別の花である。 |
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花は、深夜から夜明けにかけて開く。
観察の結果、午後8時過ぎ頃から蕾の先端が少しほころびかけ、深夜にははっきりと開き、雌しべの柱頭が花被から顔を出します(図15)。この頃は、まだ花粉が出ていないので、柱頭は白いままです(図16)。花を解剖してみますと、子房の上端部から蜜の分泌が始まっています(図18)。
一眠りして、早朝、花を見ると、すでに完全に開花しており、雌しべの柱頭が花粉で黄色くなっているのが、肉眼でも分かります(図17)。
自花受粉が絶対にできない構造なのに、早朝、ほとんどの花で、受粉が終わってしまっていました。
一体、いつの間に、誰が????
次の日、ほとんど徹夜の状態で観察していますと、6時25分頃、羽音高く1匹の蜂が飛んできました。ずんぐりとした小型の蜂で、おそらく花粉媒介者の「マルハナバチ」なのでしょう。花の中にすっぽりと入り込んで、蜜を吸っていますが、何しろ短気な蜂で、すぐに出てきて、次の花へ移っていきます。デジカメは、こういうすばしっこい連中の撮影には全くお手上げで、画像としては1駒も撮れませんでした。
蜂の撮影はできませんでしたが、いろんな収穫のあった3日間でした。一応満足。
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