FILE9  オキナグサ
年によって異なりますが、4月下旬から5月の初旬にかけて開花します。
 環境庁の植物版レッドリストで絶滅危惧2類(絶滅の危険が増大している種)として位置づけられています。石川県における自生地は1箇所だけで、数年前に最大株(10個程度の花をつけていた)が枯死した今では、写真のような株が10程、花をつけない子株が20程しかなくなりました。
 普通、草原に生えることが多い植物ですが、ここでは、ご覧のような岩盤のわずかな割れ目にしがみつくように根を張って健気に生きています。真夏の日照りの時は熱と乾きで本当に大変でしょう。同情してしまいます。いつ絶滅しても不思議ではない状態です。写真(上)は昭和63年4月の撮影です。小さい株ですが、勢揃いで満開状態です。
写真(中右)は昭和59年当時の最大株です。数年前に枯死しました。
写真(下左):オキナグサの名は果実の長く白い毛を翁の白髪に見立てたものです。
写真(下右):花の構造がよく分かります。
花は初め下向きに咲き、のち上を向き、最後に萼片を散らせます。私としては、咲き始めで花がうつむき加減の時が形としては美しいと思います。

 オキナグサは、どれだけ見ても飽きない花です。この花の自生地を知ってから、十数年、何百枚の写真を撮ったことでしょう(誓って言いますが採集はしておりません)。でも、本当に気に入った写真は、10枚もありません。これからもまだまだ撮り続けます。
今回の写真は、下右はデジタルカメラによるもので、下左はフィルムスキャナーで読み込んだもの、上の3枚は、カラープリントをフラットベッドスキャナーで読み込んだものです。


  オキナグサのことをもっと深く知りたい方は、オキナグサだけを話題にした下記のサイトをお訪ね下さい。
                  幻の野草・オキナグサ




花模様