『幸せの時…』
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あの後俺達は、二人に昼食を一緒に取ることを約束して自分の教室に戻った。
そして、残りの午前中の授業を終え、昼休み………
「よし、相沢行くぞ〜」
北川は席を立つと、声を掛けてきた。
「あぁ…そうだな…」
俺も席を立ち、ついでに隣で眠そうな顔をしている名雪にも声を掛けた。
「名雪もいい加減起きろよ? もうメシだからな」
名雪は不満そうな目で俺を見詰める。
「祐一〜。 私…寝てないよ〜」
香里が名雪の席まで来て覗き込む。
(じ〜〜〜〜〜)
「うん、大丈夫そうね、ホントに起きてるみたい♪」
「香里までそんな事言う〜……う〜、みんな意地悪だよ〜」
名雪の抗議はみんな馴れたもので、当たり前のように無視された。
無理も無い……実際、名雪には、前科があったのだから。
香里から聞いた話では、ごく普通に授業を受けて、会話もし、ちゃんと昼食まで食べいたそうだ。
ある意味、恐るべき奴である。
「う〜、今日は起きてたのに〜」
名雪は、納得出来ないのか、まだ、ぶつぶつと文句を言ってる。
「さあ、行くぞ。 真琴達が待ってるからな」
「真琴? 誰だ…それ?」
北川の反応は、思えば当然の事だった。
この時点ではまだ、北川に真琴を引き合わせてはいなかったからな……。
そう言えば、一緒に昼食をとる事も言ってなかったような……。
だが、俺の勘違いを認めるのも何なので、力ずくで話しを進めた。
「真琴は真琴だ、それともこいつが真琴に見えるか?」
隣の名雪を指差す。
「いや、それはわかるが……」
名雪は呆れ顔で口を挟む。
「祐一…ちゃんと説明しないと、北川君わからないよ。 あのね、真琴ちゃんは、私の妹…なんだよ♪」
名雪の説明に、北川は、ちょっと驚きの表情を見せた。
「へぇ〜、水瀬さんに、妹がいたんだ、知らなかったぜ」
「うん、とっても可愛い娘なんだよ〜♪」
名雪は嬉しそうに話すが、俺はちょっと心配だ。
「…………北川……手を出すなよ」
一言忠告しておく。
「相沢……どうやら、お前は俺を誤解しているようだな……」
「いや、正確に把握しているつもりだ……」
俺達は、いつもの気軽なおふざけを始めようとした。
「はいはい、二人共……こんな処で馬鹿やってると、学食の席…無くなっちゃうわよ」
香里が苦笑を浮かべ止めに入った。
確かに、そんな事をしてる場合じゃ無いな……俺達は互いに顔を見合わせると、頷き、
教室を後にした。
『あとがき』
え〜……今回は、真琴ちゃんが登場していません。( ̄▽  ̄;;
まあ、そういうシーンも、偶にはあるでしょう(汗)
お話的には、次回に繋げる為の、前準備みたいになっちゃいましたね。 (実際、そうですが……)
と、言う訳で、次回のお話では、真琴達と香里&北川の御対面シーンを予定しています。
どう言う出会いになるのか、とっても楽しみです。
(注:全体の構想や予定はいっさい考えていません。 その場のノリだけで、書いてます(汗))
それでは〜っ♪
00/10/15(日)